全長4.7m級の「“新型”スポーティSUV」が画期的! “超高性能な頭脳”で滑らか停止&クルマ酔いも抑える!? ハイテクメーターも採用の新たなBMW「iX3」とは

BMWジャパンは2026年7月22日、次世代コンセプト「ノイエ・クラッセ」の第1弾モデルとなる新型「iX3」の販売を開始しました。この電動SUVには、どのような最新技術が盛り込まれているのでしょうか。

“超高性能な頭脳”が走りを変える?

 BMW AG取締役会会長のオリバー・ツィプセ氏は、「ノイエ・クラッセは、未来を見据えた当社史上もっとも大規模なプロジェクトです」と語っています。

 その第1弾となるのが、2025年にミュンヘンで開催された「IAAモビリティ2025」国際モーターショーで世界初公開となった新型「iX3」です。

 ツィプセ会長の言葉にもある通り、費やした時間の長さと規模の大きさは過去に例がありません。

 従来型のiX3と比べても、共用する技術はないでしょう。核心ともいえる第6世代BMW eDriveテクノロジーは、もちろん先代の改良型ではなく、ゼロスタートで新開発されています。

 そうした取り組みが評価され、iX3は2026年ワールド・カー・オブ・ザ・イヤーを獲得しました。

 この結果に対して、すでに国内でもiX3のプレス試乗会が始まっていますが、異論を挟む自動車ジャーナリストはいないはず。筆者もその一人です。

 各メディアでも、好評が前提のレポートが次々と掲載されるに違いありません。

 ただ、ここではそうした試乗記では触れられていない、皆さんのお役に立つ情報を、プレスリリースの熟読や関係者への取材を踏まえて紹介しようと思います。

一般的なメーターパネルに代わり、フロントウインドウ下部に速度や航続可能距離などを表示
一般的なメーターパネルに代わり、フロントウインドウ下部に速度や航続可能距離などを表示

 ボディサイズは全長4780mm×全幅1895mm×全高1635mmと、全長4.7m級のスポーティSUVらしい存在感を備えています。

 注目したいのは、iX3が搭載する4つのスーパーブレイン(高性能コンピュータ)のうち、ドライビングダイナミクスをつかさどる「Heart of Joy(ハート・オブ・ジョイ)」が果たす役割です。

 Heart of Joyが実現する「ソフトストップ」は、リリースでは「スムーズな停車プロセス」と解説されている通り、いつクルマが止まったのか分からないほどです。

 背景にあるのは、一般的な場面で減速から停止に至るまでの98%を回生ブレーキが担っていることです。

 90%以上と公表しているメーカーはいくつかありますが、98%を断言しているあたりが、いかにもBMWらしいところです。

 Heart of Joyにより、モーターに発電させることで得る回生ブレーキを、自由自在に制御することが可能になっています。

 そのため、停止直前にブレーキペダルに与える踏力をスッと抜く操作と同様に、カクッと動く余計なピッチングを防げるわけです。

 ブレーキペダルは一定の踏力を保つだけでいいので、日常の運転がかなりラクになります。同乗者は、フラットな姿勢を保ったまま停止に至るので快適です。あるいは、クルマ酔いを防ぐことができるかもしれません。

 また、ダッシュボードの奥にある幅110cmの「BMWパノラミック・ビジョン」は、革新的な大発明といえるでしょう。

 実をいうと見えているのは、フロントウインドウの下にナノテクノロジーを用いて黒くコーティングされた領域への情報投影です。

 反転された実像は、ダッシュボードの奥深くにあります。あたかも見えている部分にディスプレイがあるように思えるほど、高い解像度を実現しています。

 ドライバーは視線移動が少なくなり、焦点距離が遠くなるので、老眼が進んだ筆者のような世代にとっても視認性が大幅に向上します。

 また、ステアリング内側の上半分からメーターをのぞき見る必要がないため、デザイナーとしては十字スポークのステアリングを試してみたかったのかもしれません。

 ちなみに、3本スポークとは異なり、ステアリングの上下が分かりにくいという指摘があります。ですが、ステアリングに設けられる金属のエレメントに挟まれている合成皮革巻きのリムは、上側が短く、下側が長いため、一目で上下が分かります。

 まだまだ書きたいことはたくさんあります。次の機会を楽しみにお待ちください。

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Writer: 萩原秀輝

日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。在学中からフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、同時期にツーリングカー・レースにも参戦。豊富なクルマの知識とドライビング理論を活かし、自動車メーカーなどが主催する安全運転教育の講師を数多く務めた経験を持つ。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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