ETCカード「挿しっぱなし」は絶対NG!? 酷暑で「変形」の危険も! 「面倒くさい…」じゃ済まされない、放置が生む“思わぬリスク”とは

高速道路の利用に欠かせないETCですが、便利な一方でカードを車載器に「挿しっぱなし」にしているドライバーも少なくありません。しかし、その行為には車上荒らしによる盗難や、夏の猛暑によるICチップ破損など、大きなリスクが潜んでいます。思わぬトラブルを避けるためには、一体どうしたら良いのでしょうか。

盗難リスクだけじゃない! 真夏の車内は危険な温度に

 普及が進んだETCシステム。料金所でわざわざ窓を開けて通行券を受け取ったり、お財布から小銭を取り出したりする手間がなくなり、悪天候の日でも雨風を気にせずスムーズに通過できるその利便性は、現代のドライブに欠かせない存在となりつつあります。

 国土交通省が公表している「ETCの利用状況」の最新データによれば、2026年5月時点で全国の高速道路におけるETC利用率は95.8%に達しています。

 さらに、首都高速道路の発表によると、同じく2026年4月の首都高におけるETC利用率は全体で初めて99%の大台を突破し、大型車に至っては99.9%と、ほぼすべての車両が利用している状況にあることがわかっています。

 近年では高速道路各社において「ETC専用料金所」の導入が段階的に進められており、現金で支払うことのできる一般レーンは徐々に減少しています。

 こうした便利な環境が整備される一方で、注意したい点も。それが、ETCカードを車載器に常時入れたままにしてしまう「挿しっぱなし」のケースです。

 乗車のたびに財布からカードを取り出して正しい向きで挿入し、目的地に到着して車を降りる際に再び抜き取るという一連の作業を面倒だと感じる人は少なくないかもしれません。しかし、その何気ない行動の裏側には、リスクが潜んでいるのです。

ETCカード、挿しっぱなしは危険です!(画像はイメージ、kesera99/PIXTA)
ETCカード、挿しっぱなしは危険です!(画像はイメージ、kesera99/PIXTA)

 ETCカードを車載器に挿したままにしておくリスクとして、第一に考えなければならないのが防犯上の大きな問題です。

 ETCカードはクレジットカードの機能とひもづいて決済されるシステムであり、それを車内に放置してその場を離れる行為は、財布を無防備に置いたままにしているのと何ら変わりありません。

 車載器がダッシュボードの上や運転席の足元など、車外から容易に確認できる位置に取り付けられている場合はなおのこと危険です。

 このような状態を悪意のある第三者が見れば防犯意識が低いとみなされ、車上荒らしの格好の標的になってしまいます。窓ガラスを割られてカードを盗まれるだけでなく、車内に残していた他の貴重品まで被害に遭うおそれがあります。

 さらに深刻なのが、万が一盗難の被害に遭ったあとの対応です。多くのクレジットカード会社が定める規約においては、利用者の過失に対する厳しい取り決めが存在します。

 たとえば、一部のカード会社のETCカード規約では、紛失や盗難に関する条項において、会員がETCカードを車内に放置していたことにより紛失または盗難にあった場合、会員に重大な過失があったものとみなすという旨が明確に定められています。

 つまり、挿しっぱなしにしていたカードが盗まれ、犯人によって不正利用されて高額な請求が発生したとしても、その被害額が補償されず、全額を自分自身で負担しなければならない可能性があります。

 日々のちょっとした手間を惜しんだ結果が、思いもよらない大きな経済的損失につながってしまう事態になりかねません。

 防犯上の理由に加えて今の時期に警戒すべきなのが、夏の暑さによるETCカードの物理的な破損です。本格的な夏を迎え、全国各地で気温が35度を超える猛暑日が記録されるようになると、直射日光にさらされた車内の環境は過酷を極めます。

 JAF(日本自動車連盟)が2023年8月に実施した真夏の車内温度に関するユーザーテストによれば、外の最高気温が34度という環境下において、窓を閉め切った車内の温度は48度まで上昇し、直射日光が当たるダッシュボード付近に至っては57.8度という危険な温度に達することが実証されています。

 一方で、ETCカードの耐久性はどうでしょうか。カードの表面には情報を読み書きするための精巧なICチップが内蔵されていますが、このチップは熱に対して決して強くありません。

 一般的な動作保証温度は45度から50度前後とされており、カード本体のプラスチック素材も、高温環境下に長時間置かれることを前提とした作りにはなっていないのです。

 カードの裏面や取扱説明書にも、精密機器であるため高温下での保管や放置は変形や故障の原因になるとの注意書きがあります。

 炎天下の駐車場に数時間、あるいは数日間にわたってETCカードを挿したまま放置すれば、耐熱温度を超え、ICチップが機能不全を起こしたり、カード自体が熱で変形して車載器から取り出せなくなったりする危険があります。

 実際にインターネット上でも、ドライバーから「ETCカードのICチップが熱で壊れた」「以前、ETCカード挿しっぱなしで読み取りエラーが出るようになってから、必ず回収するようにしています」といった体験談が見受けられます。

 もし、熱によって機能が失われたカードに気づかないまま、高速道路のETCレーンに進入してしまったら、料金所のアンテナとの正常な通信が行われず、開閉バーが上がりません。

 時速20km以下に減速していたとしても、突然目の前のバーが開かない事態に直面すれば、ドライバーは慌てて急ブレーキを踏むことに。その結果、後続車の追突事故を引き起こす可能性があります。

 また、動揺したまま無理にバーを押し開いて通過してしまい、後日不正通行として扱われたり、勢い余って設備の開閉バーそのものを壊してしまったりするおそれもあります。

 これらのリスクを回避するためには、面倒であっても車から離れる際は必ずETCカードを取り出すという習慣を身につけることが重要です。カードの防犯と機能維持の両面において、クルマを使わない時間はカードを車内に残さないことが鉄則です。

 毎回カードの抜き差しを忘れないための工夫として、運転免許証とETCカードをひとつのポーチやケースにまとめて常に携帯するようにしているドライバーや、車内の目につく場所にカード抜き忘れ注意の付箋やメモを貼って対策をしているドライバーもいます。

 自分に合った無理のない方法で、車内に放置しない仕組みを作ると良いでしょう。

 もし万が一、ETCカードの紛失や盗難に気づいた場合は、速やかに発行元のカード会社へ連絡して利用停止の手続きを行い、最寄りの警察署や交番へ出向いて遺失物届や盗難届を提出しなければなりません。

 新しいカードの再発行には所定の手数料がかかるうえ、手配されて手元に届くまで数週間を要することもあります。お盆休みや連休前にこのような事態に陥ると、再発行の手続きがさらに長引き、せっかくのドライブ計画に支障をきたしてしまいます。

※ ※ ※

 連日のように厳しい暑さが続くこの時期、モバイルバッテリーやスプレー缶などを車内に放置することが危険であるように、ETCカードの挿しっぱなしもまた、思いもよらないトラブルの引き金となります。

 便利なアイテムだからこそ、適切な管理を心がけることが大切です。

【画像】「えぇぇ…!」これが「2030年に使えなくなる」ETC車載器の見分け方です!(6枚)

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Writer: くるまのニュース編集部

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