ついに中国車が襲来か 「Lynk & Co」が新型車の世界発表を日本で行う理由
発表されたLynk & Co 03とはどんな車?
このたび発表されたLynk & Co 03は、2018年10月19日に中国で発売が開始されました。01、02と同じく、ボルボカーズの新世代コンパクトモデル車台「CMA」(コンパクト・モジュラー・アーキテクチャ)を共有しています。パワーユニットは1.5リッターターボエンジン(最高出力180馬力+265Nm)+7速DCTを搭載。01、02と同様、世界で最も進んだコネクテッドカーを目指して設計されています。01、02がSUVであるのに対して、03は高性能セダンとしてデザインされ、現在はガソリンエンジンのみですが、使い将来、PHVが追加される予定です(認証取得済)。
発表会の前に、サーキットをセーフティカーについて一周だけ試乗することができましたが、中身はほぼボルボであるため、加速時も、コーナーでも一切の不安も感じることなく先進的なスポーツセダンの乗り味を味わうことができました。「目に見えない部分はほぼボルボXC40のエンジニアリングそのままです。目に見える部分、そしてドライバーが触れることができる内装やボディのデザインやカラーなどはすべてLynk & Coとして新たに設計されています」(Lynk & Coエンジニア)
2019年からFIA世界ツーリングカー選手権へ出場する「Lynk & Co シアンレーシング03」の競技車両も同日、公開されました。
度肝を抜く前代未聞の演出。富士スピードウェイがLynk & Coにジャック
つい数日前にもWECの取材で富士スピードウェイを訪れた筆者(加藤久美子)ですが、その時とはあまりの変貌ぶりに驚きました。来場者のほとんどが中国人で日本人はごくわずかということもあり、聞こえてくる声はほとんどが中国語です。
さらに参加者の目に触れるあらゆる場所、建物の壁、階段、各種の案内、キッチンカー全車10台もそれぞれ、Lynk & Coのラッピングやステッカーが貼られており、キッチンカーで作業するスタッフ(日本人)のポロシャツにもLynk & Coのロゴを発見。さらにデザートの袋入りパイナップル(セブンイレブンで販売)にもLynk & Coのシールが貼ってあるという徹底ぶりでした。
夜から開催されたローンチイベントも富士スピードウェイ始まって以来? ともいわれるド迫力で異界感たっぷりの演出で、会場のボルテージは上がりまくり。何度も、ここ富士だよね? 日本だよね? と自問自答したくなりました。煌びやかな光の演出の中、縦横無尽に駆け回るLynk & Co 03。チャーターされたヘリコプター(ここもLynk & Co 03のラッピング)もステージの頭上スレスレの低空飛行で場を盛り上げました。
Lynk & Co 03は2020年に欧州、2022年にアメリカ市場へ導入されることが決定しています。そして2年以内に英国、豪州向けに右ハンドル車も設定するとのこと。もしかすると日本市場への導入も? と期待したくなりますね。
【了】
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。