“ながーいボディ”の新型「ミドルサイズ“SUV”」まもなく登場! “800km超”走破した高性能モデル! 大径ホイールもかっこいいBMW「iX3 ロングホイールベース」中国仕様とは!
BMWは2026年6月、中国専用の新型「iX3 ロングホイールベース」が“無充電で800km超”を走破したと発表しました。どのようなモデルなのでしょうか。
“ながーいボディ”の新型「ミドルサイズ“SUV”」
BMWは2026年6月10日、中国専用モデルの新型「iX3 ロングホイールベース」が、実走による過酷な耐久チャレンジで“無充電のまま800km超”の実走行距離を達成したと発表しました。
舞台となったのは、中国・青海省にある「青海湖(チンハイフー)」を一周する公道ループです。実車は西寧(シーニン)を出発し、青海湖を一周してから再び西寧へと戻る800km超のルートを走破しました。
iX3は、BMWが電動化時代に向けて掲げる新世代の車両アーキテクチャ「ノイエクラッセ(Neue Klasse)」の初の量産モデルです。
今回のロングホイールベース版は、中国市場向けの電動SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)です。テストに用いられたのは「iX3 50L xDrive」のプロトタイプで、21インチのエアロダイナミクスホイールを装着していました。
注目すべきは、その走破コースの過酷さにあります。
出発地の西寧は標高約2200mに位置し、そこから標高約4000mに迫る高地まで登坂したのち、再び約3300mの青海湖沿岸を経て出発地へ戻るという、約2000mの標高差を含むルートでした。
しかも気温は1℃から21℃まで変動し、車両は激しい降雪や豪雨、高地特有の強い日差しにさらされながら走行。決して条件のよくない環境を、すべて「エフィシェント(Efficient)モード」で走り切っています。
その結果、ゴール時点でバッテリー残量は2%を残し、平均電費は12.6kWh/100kmを記録。BMWによれば、このチャレンジ条件下での航続ポテンシャルは835kmから840kmに達するとしています。また、実走での航続達成率は90%を超えたとのこと。
BMWは、この効率の高さが単一の技術によるものではないと強調します。空力性能、駆動系、バッテリー技術、温度管理、エネルギー回生、そして高度な制御システムが一体となって機能した結果だといいます。
心臓部となるのは、新開発の円筒形セルを採用した第6世代の高電圧バッテリーです。使用可能容量は108.7kWhで、高いエネルギー密度を実現しつつ、車両剛性の向上にも寄与する構造を採っています。
駆動系は、電気励磁同期モーターと非同期モーターを組み合わせた新設計。これによりエネルギー損失を最大40%低減し、駆動系全体の効率を最大20%高めたとしています。
さらに、車両制御システム「Heart of Joy(ハート オブ ジョイ)」が高効率なエネルギー回生システムと協調し、減速時や下り坂でエネルギーを回収。日常的な走行シーンにおけるブレーキ操作の最大98%を回生のみでまかなえるといいます。
加えて、エネルギーマネジメントシステム「Energy Master(エナジー マスター)」が、ルートプロファイルや外気温、走行状況に応じてエネルギー配分を絶えず最適化。急激な天候変化のなかでも、統合型の温度管理システムがバッテリーを適切な作動温度域に保ち、安定した航続を支えました。

なお、参考までに標準ホイールベースの「iX3 50 xDrive」は、最高出力469馬力・最大トルク645Nmを発生し、WLTPモードで最大805kmの航続を公称しています。800Vアーキテクチャにより最大400kWの急速充電に対応し、10分で最大372kmぶんの航続に相当する電力量を充電できるとされています。
今回のチャレンジ後の充電でも、BMWの充電器でピーク時に400kWを超える充電出力を記録したとしています。
BMWにとって効率とは、単に航続距離を延ばすことだけを意味しません。条件が大きく変化しても、予測可能なエネルギー消費と安定した航続性能、そして安心できる走りを届けることだといいます。
iX3 ロングホイールベースは、中国市場で2026年後半の発売が予定されています。現地での価格は、現時点では公表されていません。なお、今回のチャレンジに使用された車両は中国市場専用で、まだ型式認証を受けておらず、公式のCLTC消費電力および航続距離は現時点で未確定とされています。
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ラボの試験値ではなく、吹雪や豪雨、標高差約2000mという実走条件のもとで“800km超”を走り切った今回のチャレンジ。BMWがノイエクラッセで掲げる、環境が変化しても予測可能な電費と安定した航続性能を提供するという考え方を、現実の使用環境で示す結果となりました。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。





















