「車中泊避難」の注意点とは? 「エコノミークラス症候群」と「熱中症」に十分警戒! 気をつけたい「リスク」と対策とは
7月28日に熊本県で最大震度7を観測する地震が発生し、各地で大きな被害をもたらしています。そんななか、クルマで避難する「車中泊避難」をする人も増えています。発災から3日目が経った現在、車中泊避難の注意点について解説します。
「エコノミークラス症候群」と「熱中症」に十分注意
2026年7月28日、16時27分ころ、熊本県で最大震度7を観測する地震が発生しました。震度7を観測した宇城市や氷川町などでは家屋の倒壊など、大きな被害が出ています。
発災から3日目となった現在、各地で避難所が開設されるいっぽうで、さまざまな事情から、クルマで避難する「車中泊避難」をする人も増えています。
車中泊避難の注意点について解説します。
車中泊避難は、例えば避難所が満員だったり、小さいこどもやペットがいたりするなどで、避難所で過ごすのは少し気を遣うといった場合に有効です。手元にクルマがあれば、手軽にプライベート空間をつくることができます。
しかし、一見、非常に便利に思える反面、車中泊避難はさまざまなリスクがあり、市町村によっては「推奨されない」ケースもあります。避難所が使えるようなら避難所に行き、車中泊避難は最小限としておくことが大切です。
ただし、やむを得ず、車中泊避難が必要になる可能性があります。その場合、注意点などをしっかりと確認しておかなくてはなりません。

まずは、「エコノミークラス症候群」のリスクです。
エコノミークラス症候群は、正式には「深部静脈血栓症」という病気です。飛行機の窮屈なエコノミークラスで長時間過ごした際などに発生することから、そのように呼ばれています。
長時間、同じ姿勢で座っていることで、血液がうっ滞してかたまり、主に下肢(ふくらはぎなど)に「血栓」が発生。これが血管を詰まらせます。血液の流れにしたがって肺に至れば、肺の血管を詰まらせる「肺塞栓症」という致命的な病気に発展する可能性があります。
車中泊避難では、狭い車内でずっと同じ姿勢でいることで、発症のリスクが高まります。内閣府が作成した「在宅・車中泊避難者等の支援の手引き」の資料では、車中泊が3日以上になると危険度が増すといいます。
初期症状は太ももから下の足が赤くなったり、腫れやむくみが出たり、痛みが出るなどですが、肺塞栓症になると、胸の痛みや呼吸困難、失神などが現れます。いずれの場合でも、119番通報して救急車を呼ぶか、避難所で車中泊避難をしている場合は、すぐに救護所に向かいましょう。
予防する方法は簡単です。「ずっと同じ姿勢でいないようにする」ことが重要となります。
時々立ち上がって歩いたり、足の指をグー・パーするなどこまめに動かす、マッサージするなど、血流を保つようにします。
車中泊では「足を伸ばせる空間づくり」をすることが、エコノミークラス症候群を予防するだけでなく、長期の避難生活でも過ごしやすくなります。
例えば、車種によって異なるものの、「シートアレンジ」を工夫してみることです。SUVやミニバン、ステーションワゴンでは、前席を最大限前にしてシートを倒し、後席とつなげる方法、あるいは後席を畳んでラゲッジスペース(荷物スペース)と平坦にする方法などがあります。空いた隙間は、カバンやタオル、ヘッドレストなどで埋め、なるべく平らになるようにセットします。
軽自動車やセダン、コンパクトカーなど、室内の広さが限られているクルマでも、シートを倒して足元に荷物やタオルを置くことで、なるべく足を降ろさないようにする空間をつくります。
なお、トヨタでは「トヨタ災害復旧支援」のサイトで、ボディタイプごとの足がのばせるシートアレンジの例を公開しています。こちらを参考にしてもよいでしょう。
次に、「熱中症のリスク」があります。
燃料を節約したい、アイドリング音がうるさいという理由でエンジンを止め、エアコンを切ったり、避難所のトイレを使いたくないため、水を飲まないという人がいますが、非常に危険です。
被災地では、連日35度を超える猛暑が続いており、熱中症警戒アラートが出されています。
暑い時はためらわずにエアコンをつけるとともに、サンシェードや段ボール、タオルや古新聞などで窓を覆い、車内が暑くならないように工夫しましょう。これは夜間などでプライバシーの保護にも役立ちます。避難所で冷房が効いたスペースがあれば、そこに留まり、車内にいるのを最小限にすることも必要です。
水分不足は寝ている間にも起きます。喉が乾く前からこまめに水分補給することが大切です。先出のエコノミークラス症候群は、水分不足も発症リスクのひとつとなるため、トイレを我慢したい気持ちもありますが、命を守るためにも必ず水分補給しましょう。ペットボトルなどを多めに携帯しておき、給水所で飲料水を確保しましょう。
また、車中泊避難では、停める「場所選び」や「停め方」にも留意しなければなりません。平坦で安全な場所に駐車し、灯りと人通り、近くにトイレがあるような場所を選びましょう。倒れやすい建物や壊れた建物には近づかないようにします。
避難所では、車中泊避難者用のスペースが確保されている場合があります。
場所が決まったら、クルマの周囲や近くに可燃物がないか、ブロック塀などでマフラーが塞がれていないかなど「周囲の確認」を徹底します。
車両火災になるだけでなく、壁が近い場合などでは、命を落とすこともある「一酸化炭素中毒」になる可能性があるため、注意が必要です。
避難中は車内にずっととどまらず、避難所に定期的に出向くようにします。最新情報を得るとともに、必要な支援や物資を受け取るためと、安否情報を共有するためです。クルマから離れる場合は、こどもは車内に残さず、しっかりとロックをすることも忘れてはいけません。
加えて、定期的にテレビやラジオをつけて最新情報を得ることも大切です。避難生活同様、体調を崩さないように、手洗い・うがいの徹底、感染症の予防も必要です。
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10年前の熊本地震の経験から、余震を恐れて車中泊避難をする人も多いかもしれません。注意点をしっかりと確認するとともに、互いに声を掛け合うなど、思いやり・助け合いの気持ちを持って避難生活を送りましょう。










