なぜ減らない「ガス欠」救援依頼 給油ランプ点灯であと何キロ走れる? 高速道は「GS空白区間」拡大
けっこう走れる? しかし油断は大敵。知っておきたい航続可能距離
では、警告灯が点灯してから何kmくらい走れるのでしょうか。
メーカーのウェブサイトなどで紹介されている3車種それぞれの燃費(いずれもJC08モード、2WDガソリン車の場合)は、「フィット」が24.6km/L(1.3Lエンジン車)、「シエンタ」が20.2km/L、「ミラ トコット」が29.8km/Lとされています。
これをもとに、警告灯が点灯してからの航続可能距離を計算すると、「フィット」は130.38km、「シエンタ」は127.26km、「ミラ トコット」は134.1km。理論上はおよそ130km前後走れるということになります。
もちろん走り方によっても異なってきますし、実燃費はカタログ数値よりも劣ります。便宜的に、燃費を一律2割減として計算すると、「フィット」は104.3km、「シエンタ」は101.81km、「ミラ トコット」は107.28kmです。
各車種とも、ガス欠まで比較的余裕のある段階で警告を出しているかもしれませんが、前出のとおり、高速道路では50kmごとにガソリンスタンドがあるわけではありません。むしろ現在はガソリンスタンドのないSA、あるいは撤退してしまったSAも少なくなく、150km以上にもおよぶガソリンスタンドの「空白区間」が全国に存在。JAFのロードサービスでも、「燃料切れ(ガス欠)」は高速道路における救援依頼内容の約1割を占め、第2位となっています。
NEXCO 3社では、このような150km以上のガソリンスタンド空白区間をゼロにする取り組みを行っており、給油のために高速道路から流出しても通行料金が変わらないよう調整されているICもあります。
警告灯点灯の基準はメーカーによっても異なり、特に輸入車では日本車よりもタンクが空に近い状態で点灯するケースもあります。低燃費車の増加によりガソリンスタンドは全国的に年々減少。一般道であっても、ガソリンスタンドがここにあったはず…という可能性も。警告灯が点灯する以前から早めの給油を心掛けたいものです。
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