斬新「センチュリーリムジン」がスゴイ! 全長7m超え「ドア無し×屋根なし」ボディに“V12エンジン”搭載! 「初代」顔に伝説的なペイントも採用のNATS「Blue Rose」とは?
日本自動車大学校(NATS)が「東京オートサロン2027」へ出展する「NATS Blue Rose」は、過去に最優秀賞を受賞した「NATS Low limo」をベースに製作されるフルオープンリムジンです。今回、成田校を訪れ、製作現場を取材。学生たちの作業の様子やインタビュー、深沢知義学科長への取材を通して、その見どころに迫ります。
学生たちが挑む大胆な“オープンリムジン化”計画
2026年6月30日に日本自動車大学校(NATS)は、2027年1月に開催される「東京オートサロン2027」へ出展するカスタムカーの製作案を発表しました。
毎年、学生たちの自由な発想と高度な加工技術を生かした作品で注目を集めるNATSですが、今回発表された3台のカスタムカーのなかでも、「NATS Blue Rose」は過去の受賞車をベースにさらなる進化を目指すプロジェクトとして注目される1台です。
7月某日に成田校を訪れると、製作現場では学生たちが作業を進めており、その熱気を肌で感じることができました。
NATSは自動車整備やカスタマイズを学ぶ専門教育機関として、多くの自動車業界のプロフェッショナルを輩出してきました。
なかでも成田校のカスタマイズ科では、1997年の創設以来、卒業制作として世界に1台だけのカスタムカーを製作し、その集大成を毎年東京オートサロンで披露することが伝統となっています。
板金や塗装、溶接、FRP加工など授業で培った技術を実践の場で磨き上げることで、学生たちはプロさながらの技術力を身につけています。

東京オートサロン2027では、成田校カスタマイズ科からNATS Blue Roseのほか、「NATS DELICA G-REX」と「NATS HAKOSUTA」の3台、さらに袖ヶ浦校からレストア車両が出展される予定です。
そのなかでNATS Blue Roseは、「東京オートサロン2022」で東京国際カスタムカーコンテスト2022セダン部門最優秀賞を受賞した「NATS Low limo」をベースに製作される一台です。
過去の受賞車をさらにリメイクするという、NATSらしい挑戦的なプロジェクトとなっています。
ベース車両となるNATS Low limoは、トヨタ「センチュリー(2代目)」をストレッチ化し、ローライダースタイルへ仕上げたカスタムカーです。
2代目センチュリーは5リッターV12エンジンを搭載し、全長5270mmの大型ボディを持つトヨタ最高級セダンで、ショーファーカーとして長年愛されてきたモデルです。
今回はそこからさらにルーフを大胆にカットし、全長7mを超える4人乗りのフルオープンリムジンへ生まれ変わります
ドアはスムージング加工によって一体感のあるボディへ仕上げられ、センタートンネルの加工によるフレーム着地仕様も計画されています。
また、フロントは初代センチュリーのものに、ボディ全体にはローライダーの伝説的ペイントカー「ジプシーローズ」をオマージュしたグラフィックが描かれ、日本ならではのローライダーカスタムとして完成を目指します。
今回、製作現場を訪れると、学生たちはそれぞれの担当に分かれ、着実に作業を進めていました。
製作班のなかで内装を担当する学生は、現在行っている作業内容について、「シートの張り替えですね。とりあえず要らないものをできるだけ取って、型取りして張り替えるって感じです。モケットとレザーの2つの組み合わせで内装をやります」と説明します。
さらに「下準備で、以前のカスタムで使用したボンドを取る作業が結構キツかったですね」と話し、見えない部分の作業こそ完成度を左右する重要な工程であることを教えてくれました。
一方、ボディを担当するチームでは、ドアをスムージングするためのパテ研ぎが行われていました。
担当した学生は「今は壁をスムージングして埋める作業で、パテ埋めで一体化させる作業です。ドアをなくす作業ですね」と話し、わずかな凹凸も見逃さないよう慎重に面出しを進めていました。
今回のプロジェクトについて、日本自動車大学校(NATS)成田校カスタマイズ科を率いる深沢知義学科長は、製作開始前から材料調達という課題に直面していたと明かします。「ホルムズ海峡の件などもあって、パテや塗料などの物資がなかなか入ってこないという現状がありました。ゼロから全て作っていくと材料が足りなくなるため、もともと構想としてあった『センチュリーのオープンカー』を作るという方向に学生たちも賛同してくれて決まりました」と振り返ります。
さらに、ルーフカットという大胆な加工には安全性や保安基準への対応も欠かせません。「センチュリーは屋根を切ってしまうと強度がなくなるので、ドアをスムージングして1枚の箱にし、センターコンソールに補強を入れる予定です。問題はシートベルトで、ピラーを切ると安全基準が変わってしまうため、シートベルト内蔵のシートを探している最中です」
と説明しており、デザインだけでなく公道走行を見据えた車両づくりが進められていることが分かりました。
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完成車だけでは見えない、学生たちが試行錯誤を重ねながら一台を作り上げる過程もNATSの大きな魅力です。
深沢学科長は「やっぱり『学生主体でここまでやり遂げた』というところを評価していただきたいです。これから自動車業界を担っていく学生たちが作った車両を見ていただいて、未来の自動車業界は明るいなと感じ取っていただけたら嬉しいですね」と未来の来場者へメッセージを送りました。
過去の受賞車に新たな命を吹き込み、さらに高い完成度を目指すNATS Blue Rose。学生たちの技術力と挑戦する姿勢が詰まった一台が、2027年1月の東京オートサロンでどのような姿を披露するのか注目されます。
Writer: くるまのニュース編集部
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