札幌市内“大渋滞”の救世主!? 新千歳〜銭函を結ぶ「札幌の外環道」とは? 全線開通まで「あと1区間」のみ 石狩・小樽も通る“重要路線”「道央圏連絡道路」最新の進捗は

国土交通省が主導する道央圏連絡道路の全線開通が現実味を帯びてきました。残る区間が完成すれば、どのような効果に期待できるのでしょうか。

札幌市内の渋滞を削減する「札幌の外環」道央圏連絡道路

 国土交通省 北海道開発局が札幌市周辺で整備を進めている「道央圏連絡道路」について、最後の未開通区間である「長沼南幌道路」の進捗を報告しています。
 
 全線開通が見えてきた道央圏連絡道とは、いったいどんな道路なのでしょうか。

 札幌市周辺で整備が進められている道央圏連絡道路は、国道337号のバイパスとして計画された総延長80kmの都市計画道路です。

 新千歳空港のある千歳市を起点として北東に進路をとり、長沼町、南幌町、江別市、当別町、札幌市、石狩市を経由し、小樽市の銭函に向かいます。「札幌の外環」ともいうべき、札幌市を中心とする道央都市圏の半周ルートを担います。

 すでにほとんどが開通済みで、2025年(令和7年)に延長7.3kmの中樹林道路が開通したことで、残る区間は長沼町に建設中の長沼ランプおよび長沼南幌道路(延長14.6km)のみとなっています。

 道央都市圏は、「小樽運河」で知られる小樽市、鮭と野菜を煮込んだ郷土料理「石狩鍋」が有名な石狩市といった港湾部と、馬産地やご当地グルメで知られる苫小牧市という臨港都市に挟まれるような位置にあります。

 国内外に多くの路線を持つ新千歳空港を有しているほか、北海道縦貫道や北海道横断道といった道内の重要な道路ネットワークにもつながっていることから、さまざまな産業や物流、観光など幅広いカテゴリーで主要道路が必須となる地域です。

 しかし、札幌市周辺の発展スピードに道路整備が間に合っておらず、札幌都市圏では渋滞が多発するスポットが60カ所も確認されているなど、交通ネットワークに深刻な問題を抱えています。

札幌市内に向けて混雑する国道36号(画像:国土交通省)
札幌市内に向けて混雑する国道36号(画像:国土交通省)

 そこで考案されたのが、この道央圏連絡道の整備計画です。

 周辺道路の慢性的な交通混雑の緩和と物流ネットワークの効率化を大きな目標として掲げており、既存の主要ルートである道央道から札幌都市圏に流入していた通過交通を“外環ルート”となる道央圏連絡道に転換させることで、交通ネットワークの効率化を図ります。

 これによって小樽・石狩方面と苫小牧方面の港湾を通じた物流や、新千歳空港や道央道などを通じて出入りする観光レジャーの交通が整理され、札幌都市圏で問題視されている交通混雑が大幅に緩和されると期待が寄せられています。

 道央都市圏の交通ネットワークの課題が解決すれば地域全体の活性化にもつながるとされ、地域で暮らす住民の生活交通の改善、交通安全性の向上、救急医療や災害などによる緊急時にも活躍が期待されています。

 残る未開通区間は、現在整備中の長沼南幌道路のみ。進捗をまとめた事業再評価のレポートを見ると、用地進捗率は約93%。事業進捗率は約73%となっています。

 2017年(平成29年)の工事着手から順次整備が進められている状況ですが、現時点ではまだ開通時期の見通しは立っていません。

 江別市など沿線の5市3町の市町長から構成される「道央圏連絡道路整備促進期成会」からも、早期の全線開通が望まれており、今後の動向に注目です。

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Writer: 春山優花里

フリーランスの編集記者。WEB媒体を中心に15年以上メディア業界で働くなんでも屋。幼少期に叔父の書斎で見た膨大なミニカーコレクションに圧倒され、クルマやバイクに興味を持つ。漫画やアニメ、ゲームが好き。

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