名古屋〜飯田の「重要“最狭”ルート」に新トンネル貫通! 狭すぎて「トラック屋根殺し」する箇所を完全解消へ! 国道153号「新伊勢神トンネル」現場公開 開通まで秒読みか 愛知
国土交通省 名古屋国道事務所は、現場見学会「旬な現場に見においでん!」を開催し、国道153号の新伊勢神トンネル(仮称)の現場を公開しました。
「激狭トンネル経由ルート」 ついに解消か
国土交通省 名古屋国道事務所は2026年6月30日、現場見学会「旬な現場に見においでん!」を開催し、国道153号の新伊勢神トンネル(仮称)の現場を公開しました。
どのようなトンネルで、開通したらどう便利になるのでしょうか。
国道153号は名古屋市東区からいったん南東の豊田市に向かい、そこから進路を北東に変えて、長野県の飯田市、伊那市を経て、塩尻市に至る約229kmの道路です。
江戸時代から尾張名古屋から信州飯田に向け、三河湾の塩を運搬するための主要ルートとして発展。「飯田街道」「塩街道」の名称や、中馬という馬の輸送が行われていたことから、「中馬街道」とも呼ばれています。
沿線では、飯田までに高速道路がないことから、現在は豊田市に合併された旧・足助町や旧・稲武町、長野県下伊那の根羽村や平谷村、阿智村への主要アクセス路となっています。

このうち伊勢神トンネルは、旧・足助町の伊勢神峠に設けられています。標高780mの伊勢神峠は江戸時代からの難所として知られ、近代になると複数のトンネルが掘られ、難所をクリアするルートが発達してきました。
初代のトンネル「伊世賀美隧道」(長さ308m)は明治時代の1897年に開通した非常に歴史のあるものです。国内でも非常に貴重になった石造りのトンネルであることから、2000年には国の登録有形文化財に指定され、建設遺産として残っています。
また愛知県の心霊スポットとしても有名なほか、世界ラリー選手権(WRC)の日本戦「ラリージャパン」では、2022年・2023年シーズンにおいて、改修されたのちにタイムアタックコースとして設定され、大きな話題になりました。
しかし、モータリゼーション以前のトンネルであるため、極めて狭くて暗く、現代のトラックの通行はほぼ不可能となっています。
このことから、1960年には2代目となる現在の「伊勢神トンネル」(長さ1245m)が開通。
ただし、やはり当時の設計のため、高さ制限はわずか3.5mしかなく、断面も狭いことから、高さのある大型車どうしがすれ違いで端に寄る際、トンネルの壁とルーフが激突する事故も発生しています。
そのいっぽうで、名古屋から飯田・伊那・塩尻方面に向かう場合、同様なルートを通るものとして中央道があるものの、岐阜を経由する遠回りルートであることに加え、岐阜・長野県境にあるトンネル「恵那山トンネル」では、トンネル長があることから危険物積載車両通行禁止となっており、153号経由のルートの需要は高いものとなっています。
そこで、3代目となる「新伊勢神トンネル」(仮称)の建設が決定しました。2022年5月に着工し、2026年3月に貫通しています。
長さは1901mで、幅は2代目より1.6倍も広い10.5m。高さは1.4倍も高い6.2mで造られ、大型車であっても楽に通行できます。
また、前後の区間もクネクネが続き、頻回な土砂崩れにも見舞われていますが、ここも含めた延長2.4kmの新道ルート「伊勢神改良」でまるごとショートカットすることで、格段に走りやすくなります。
6月30日に開催された現場見学会では、初代・2代目のトンネルを通行後、貫通したての新伊勢神トンネルを公開。開通に向けて作業が行われているトンネル内部の仕上げ作業「覆工」の状態を一般に披露しています。
貫通は済んだことから、現在は「掘っただけ」の状態から進んでおり、覆工や「インバート」(トンネル底面を逆アーチ型にコンクリートで固める)などの作業を行い、それらが完了すれば、舗装や照明工事などを経て、正式に開通となります。あともう少々時間は必要です。
とはいえ、完成形は見え、作業も着実に進んでいることから、もうまもなく「開通目処」が立ちそうな状況です。今後の進捗にも期待が高まります。

















