アウトドア派の家族にピッタリ! フォルクスワーゲン「ティグアン」にディーゼル仕様登場
実際に走らせるとガソリンとの違いがわかるディーゼルエンジンのメリットとは?
実際に走らせてみると、ディーゼルエンジンならではのメリットが感じられます。ディーゼルエンジンは、エンジンの回転数が低いときから力強く加速しようとするのが特徴なのです。信号待ちの発進する瞬間からスムーズに加速してくれます。しかも、ターボによって低回転時から力を発揮するので、2リッターという小さな排気量でも力不足は感じませんでした。
7速DSCというトランスミッションとディーゼルエンジンは組み合わされるため、走り出しでモタモタすることはなく、加速感もスムーズ。さらに、4MOTIONと言われる4WDシステムによって、悪路走破性にも自信があるのです。
運転席には、走行パターンが選べるアクティブコントロールモードのスイッチがあります。それを操作すれば、街中をドライブするモードだけではなく、雪道を走る時用、オフロード走行用なども選べるようになっているのです。
積載能力が高いので、テントやコンロなどキャンプ道具を満載して河原や山坂道に行くことも少なくありません。そんな時でも立ち往生することのないようにティグアンは開発されています。
「滑りやすい坂道でも登っていけますよ。キャンプ道具を積み込んで旅行してください」
関係者の方がそう自信を口にしていました。ティグアンは、一見するところ穏やかなコンパクトSUVのような雰囲気ではありますが、実は力強い悪路走破性も備えているのです。
ただ、ドライブした印象からは、悪路走破性を予感させるような無骨な感覚ではありませんでした。ディーゼルエンジンは異音と振動を発するのが欠点ですが、室内に不快な音が侵入してくることは少ないようです。穏やかな速度でクルージングしている限り、ディーゼルであることを忘れてしまいます。
乗り心地も荒くはありません。悪路走破性を求めると、乗り心地がトラックのようにドタバタとするものですが、そんな気配は微塵もなく、きわめて穏やかなSUVという印象です。
新たにディーゼルターボエンジンを搭載したティグアンは、普段はスマートなドライブに応えてくれるのに、いざとなればキャンプサイトに乗り入れられるタフなオフロード性能を備えているのです。アウトドア派の家族にはぴったりのSUVだと思います。
「ティグアン TDI 4MOTION」の価格は、408万6000円(税込)からです。
【了】
Writer: 木下隆之
1960年5月5日生まれ。明治学院大学卒業後、出版社編集部勤務し独立。プロレーシングドライバーとして全日本選手権レースで優勝するなど国内外のトップカテゴリーで活躍。スーパー耐久レースでは5度のチャンピオン獲得。最多勝記録更新中。ニュルブルクリンク24時間レースでも優勝。自動車評論家としても活動。日本カーオブザイヤー選考委員。日本ボートオブザイヤー選考委員。