モバイルバッテリーの発火事故、夏は要注意! 車が全焼することもある「リチウムイオン電池火災」の現状とは 消防庁などが対策サイトを公開
近年、スマートフォンやモバイルバッテリーをはじめとするリチウムイオン電池搭載製品が、高温・衝撃などによって発火する事故が増加しています。特に夏の時期は事故の発生件数が多くなる傾向にあることから、その取扱いに注意が必要です。
車内でモバイルバッテリーが出火、クルマが全焼する事故も発生!
2026年6月18日、総務省消防庁が関係省庁と連携の上「リチウムイオン電池総合対策ポータルサイト」を公開しました。
事故を防ぐための情報やリチウムイオン電池搭載製品を購入する際のポイント、適切な廃棄方法といった情報を発信しています。
私たちの身の周りには、スマートフォンやモバイルバッテリー、携帯用扇風機、ワイヤレスイヤホンなど、リチウムイオン電池を搭載した製品があふれています。
これらは日常生活での使用に欠かせない一方で、取扱い方法によっては事故が起きる危険性もあり、注意が必要です。
総務省消防庁の統計によると、リチウムイオン電池等から出火した火災(廃棄されたリチウム電池等を回収中のごみ収集車およびごみ処理関連施設からの出火を除く)の件数は2022年が601件、2023年が739件、2024年が982件、2025年が1297件と、年々増加傾向にあります。
さらに独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)が2020年~2024年までの5年間の事故件数をまとめた統計では、気温が上昇する6月~8月にかけて事故の発生件数が増加するという傾向も明らかになっています。
リチウムイオン電池は落下で強い衝撃が加わったり、高温の環境下に置かれたりすると発熱・破裂・発火するおそれがあり、高温になりやすい夏の時期は特に取扱いに気をつけなければなりません。
実際の事故事例を挙げると、2023年8月に熊本県で、自動車内に置かれたモバイルバッテリーが高温のため発火し、モバイルバッテリーを焼損する火災が発生しています。
また今年6月19日には、兵庫県姫路市内にある飲食店の駐車場で、軽乗用車の車内に置かれていたモバイルバッテリーから出火し、車両が全焼する火災も発生しています。
この事故では、クルマを運転中の女性が助手席に置いていたモバイルバッテリーから煙が出ていることに気づいて119番通報し、飲食店の駐車場にクルマを駐車したところ出火して車両に燃え移ったということです。
出火したモバイルバッテリーはスマートフォンを充電中のものであり、警察が出火の詳しい原因を調べています。

このような出火事故を防ぐためには、日頃から製品の正しい使用方法を意識し、丁寧な使用を心がけることが重要です。
たとえばリチウムイオン電池搭載製品は衝撃や圧力を受けると電池内部が損傷して出火事故の原因となるおそれがあるため、落としたり踏んだりしないよう気をつけましょう。
加えて、夏の車内や暖房器具の近く、布に包まれた状態など高温になる場所に製品を置かないことや、事故が起きたときにすぐ発見できるよう目の届く場所で充電することも大切です。
なお日本自動車連盟(JAF)が2023年8月に真夏の車内温度を調べたユーザーテストでは、最高気温34度、最低気温25.3度の環境下において、最終的に車内温度が48度まで上昇したほか、ダッシュボードは57.8度と60度近くまで上昇しました。
夏の車内は想像以上に高温になることを理解し、モバイルバッテリーやスマートフォン、携帯用扇風機などを放置しないようにしましょう。
また、製品が持てないほど熱くなる、本体が膨らんで変形する、異臭がする、液体が漏れ出しているなどの異常があった場合には、事故を引き起こす危険があるため直ちに使用を中止しましょう。
そしてリチウムイオン電池搭載製品を捨てる際も、正しい処分方法を確認の上で廃棄しなければなりません。
驚くべきことに、モバイルバッテリーを「燃えるごみ」で捨てるなど誤った方法で廃棄した結果、ごみ収集車で発火・破裂する事故が実際に起きています。
ちなみに筆者(元警察官はる)が住んでいた自治体では、市の施設にモバイルバッテリーの回収ボックスが設置されており、そちらで処分ができました。
リチウムイオン電池搭載製品の廃棄方法は各自治体によって異なるため、自治体の指示に従って捨てるようにしましょう。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。











