燃費競争終り、今度はスポーティカー競争が激化? メーカー系チューニングカーが拡充される理由

近年はトヨタ、日産、ホンダなど、市販車をベースにしたメーカー系のチューニングカーが増えています。スバルは以前からこの分野に積極的で、日産もオーテックジャパンの手掛けるライダーシリーズなどを用意していましたが、ここ最近は車種がさらに充実して販売にも力を入れてきています。

市販車をベースにしたメーカー系のチューニングカーが増加

 このところ、燃費がナンバーワンという広告が減りました。ライバルとの差もほとんどなくなり、ユーザーもそこを気にしなくなったことが要因です。近年はその燃費と真逆な位置に置かれるスポーティカーに力を入れる動きが目立っています。トヨタのGRシリーズ、日産のNISMO、AUTECH、ホンダのモデューロX、スバルのSTIなど、市販車をベースにしたメーカー系のチューニングカーが増えています。

トヨタ、日産、ホンダなど一時絶滅しそうな勢いだったスポーティカーに力を注ぎだした

 スバルは以前からこの分野に積極的で、日産もオーテックジャパンの手掛けるライダーシリーズなどを用意していましたが、ここ最近は車種がさらに充実して販売にも力を入れてきています。

 いずれも「コンプリートカー」と呼ばれ、ユーザーは市販車をベースにチューニングを施された完成車を買います。当然、各種の法規にも対応しており、新車を扱う販売ディーラーで購入して車検なども受けられます。ユーザーが個別にパーツを装着するチューニングに比べると、完成度が高く、改造の度合いに対して出費が割安なことも特徴です。

 トヨタではGRシリーズをGRスポーツ/GR/GRMNの3段階に分けています。GRスポーツは比較的軽度のチューニングです。ボディ剛性を向上させたり、サスペンションの設定もスポーティに変更されますが、ヴォクシー&ノアのようなミニバンも対象に含まれます。

 GRになるとチューニングの水準がGRスポーツよりも高まり、ヴィッツGRではCVT(無段変速AT)の制御なども変更されます。7速の疑似変速を10速に増やしました。

 この上に、サーキット走行にも十分に対応できるGRMNという高度なチューニングの枠組みもありますが、今は車種が用意されていません。ヴィッツGRMNを150台の限定で販売した後は、GRMNを新車で買うことはできません。

 GRシリーズをなぜ設定したのか、その理由をトヨタの開発者に尋ねると、「走ることを通じて、クルマを楽しんでいただきたいという考えでGRシリーズを用意しました。以前はプロダクトアウト、つまりメーカーからお客様に向けた提案として行っていましたが、今はお客様のニーズに合っていることが分かりました。そこでGRスポーツは、ヴォクシー、アクア、プリウスαなど、幅広い車種に設定しています」といいます。

各社がラインナップを拡充するコンプリートチューニングカーを写真で見る(20枚)

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