新車380万円! 日産「新型“5人乗り”SUV」がスゴい! 全長約4.9m「ランクルサイズ」の後輪駆動モデル! 300馬力級ハイパワーもイイ“全部入り”仕様な「新型NX8」中国モデルに注目
日産が中国で発売開始した新型電動SUV「NX8」は、BEVとレンジエクステンダーEVの2種類を設定したミドルサイズの2列・5人乗りSUVです。先進運転支援システムや充実した室内装備を備えつつ、中国市場では約380万円からという戦略的な価格で投入されました。
価格は約380万円から!? 日産が中国で投入した「全部入りSUV」とは
日産が中国で東風汽車(DNF)と共同開発を進める新世代電動車「Nシリーズ」は、2025年4月に発売されたセダン「N7」、同年10月発表されたPHEVセダン「N6」と続き、2026年4月8日に発表・発売された「NX8」が第3弾となります。
新型NX8は、BEV(バッテリーEV:電気自動車)とレンジエクステンダーEVの2種類を設定したミドルサイズSUVです。先進運転支援システムや充実した室内装備を備えつつ、中国市場では約380万円からという戦略的な価格で投入されました。
日産は中国市場を単なる販売拠点ではなく、電動化技術を磨く重要な開発拠点と位置づけており、Nシリーズはその中心的な存在となります。
シリーズ第1弾のN7は、発売から約1か月で1万7215台を受注するなど好調なスタートを切っており、その勢いを中国でも人気の高いSUV市場へ広げる役割を担うのが新型NX8です。
ボディサイズは全長4870mm×全幅1920mm×全高1680mm、ホイールベース2917mmで、2列・5人乗りのレイアウトです。
比較すると、トヨタのアッパーミドルSUV「クラウンエステート」(全長4930mm×全幅1880mm×全高1625mm)や「ランドクルーザー250」(全長4925mm×全幅1980mm×全高1925mm)、日本でも受注がはじまったばかりの北米向けSUV、日産「ムラーノ」(全長4900mm×全幅1980mm×全高1725mm)などに近いサイズ感となります。
新型NX8は、この大柄なボディでゆとりある室内空間と堂々としたスタイルを実現しています。

プラットフォームには、最新の「天眼アーキテクチャー2.0」を採用。前述の通り、パワートレインはBEVとレンジエクステンダーEVの2種類を設定し、いずれも後輪駆動(RWD)となります。
BEVモデルには、最高出力292PSまたは340PSのモーターを搭載し、最大650kmの航続距離(CLTCモード)を実現しています。
さらに800Vアーキテクチャーを採用し、超急速充電にも対応。バッテリー残量10%から80%までの充電時間は約12分で、約300km走行分の給電が約6分で完了するなど、中国市場の急速なインフラ整備を前提とした高性能ぶりが特徴です。
中国の電池メーカーであるCATLのリン酸鉄リチウム電池「クラウドシールドバッテリー2.0」を搭載し、クラウドによる24時間監視機能で安全性を確保します。
一方のレンジエクステンダーEVは、1.5リッターターボエンジンを発電専用として搭載し、250kWの駆動モーターで走行する方式を採用しています。
EVモードだけで最大310kmを走行できるほか、エンジン発電を組み合わせることで総航続距離は1450kmに達すると公表されています。
新型NX8の魅力は、パワートレインだけではありません。
室内は「すべての座席が主役」というコンセプトのもと開発されており、15.6インチディスプレイや10.25インチメーター、さらに約63インチ相当のARヘッドアップディスプレイを装備。オーディオシステムは25スピーカー・総出力2000Wという豪華な内容です。
さらに25個のエアバッグを用いたAIゼログラビティシート2.0や後席電動リクライニングシートも採用。後席のヘッドルームは最大1285mmを確保し、居住性の高さも大きな特徴となっています。
ラゲッジ容量も773Lを確保するほか、マイナス6度から55度まで設定可能な車載冷蔵庫や、車内の温度管理や誤操作防止、置き忘れを通知する「ペット保護モード」など、日常での使い勝手を高める装備も充実しています。
また運転支援システムには、中国の自動運転技術企業Momentaと共同開発した最新世代システムを搭載。LIDARを含む29個のセンサーを活用し、高速道路だけでなく都市部まで対応するナビゲーション・オン・オートパイロット(NOA)や、高度な自動駐車支援機能を実現しています。
これだけの装備と性能を備えながら、中国での価格はBEVが15万9900元から20万9900元(約378万~496万円)、レンジエクステンダーEVが15万9900元から17万9900元(約377万~425万円)と、コストパフォーマンスの高さが際立っています(日本円価格は2026年6月初旬のレートで換算)。
※ ※ ※
大容量バッテリーや超高速の充電システム、最先端のデジタルコクピットを備えた新型NX8。
日本の道路事情や充電設備などインフラの状況を踏まえると、現時点で国内への導入に関してはハードルが高いといえますが、中国市場の競争が生み出した技術や商品企画が、今後の日産のグローバルモデルや日本向け車種にどのような形で反映されていくのかは注視したいところです。
Writer: 吉川 賢一
日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さを伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナなど

















































