ホンダ「インサイト」3度目の復活! エンジン車から乗り換えても違和感ない「心地よい加速感」が魅力!「EVのSUV」へと激変した新型モデルの実力は?
4代目となるホンダ「インサイト」が発売されました。ハイブリッド車だった歴代モデルとは異なり、EV(電気自動車)のSUVとして日本市場に投入されます。そんな新型インサイトに試乗してみました。
新型インサイトは走りがイイ!
さて、そんな新型インサイトを運転してみて、まずお伝えしたいのは走りについてです。これがかなり好感触なのです。
まず加速。発進でアクセルを踏み込むとグッと急激にトルクが立ち上がるわけではなく、かといって遅いわけでもなく、ちょうどいい塩梅で気持ちよく加速していくじゃないですか。
EVにありがちな、スムーズだけどどこか薄っぺらい加速ではなく、厚みを感じる、エンジン車から乗り換えても違和感のない加速感がいいですね。アクセル操作に対して素直な特性で心地いい。感覚が自然なのです。

走行モードを「SPORT」にするとスピーカーから疑似的なエンジン音が鳴りますが、これも秀逸。まるでエンジン車に乗っているかのような自然さで、加速感を立体的にしてくれる効果抜群です。
「静かなことがEVらしい」というのも理解できますが、筆者(工藤貴宏)のようにアクセルの踏み方に応じた音があったほうが、自然と感じるドライバーもまだ多いことでしょう。
モーターのトルクは310Nmと、ガソリン自然吸気エンジンでいえば排気量3リッターに相当するレベルなので、加速力自体は十分以上です。
乗り心地もEVとしては良好で、橋の継ぎ目を通過した時の衝撃のいなし方などは見事。ハンドリングもターンインから旋回中の安定感まで文句のつけどころはなく、気持ちいい。とてもよくできています。
もちろんブレーキだって違和感なく、自然に止まってくれる(EVのなかには回生協調との兼ね合いでブレーキに癖を持つクルマもある)。
こうしてドライブして感じたのは、新しいインサイトの走りに特別な凄さや特徴はないけれど、すべてが卒なく作りこまれていて平均点が高いということ。
開発者は「子育てが終わってゆっくり時間を過ごすような人にも乗って欲しい」といいますが、心地よさに満ち溢れる走行感覚は、まさにリラックスしてサラリとEVを乗りこなすような人にちょうどいいのだと感じました。数値的なものや刺激を誇るではなく、乗ったときにリラックスできるEVなのです。
ちなみに熟成した大人に向けたクルマと考えるのであれば、乗り降りしやすいクロスオーバースタイルも、広い荷室そして荷物を積み下ろししやすいハッチバックのパッケージングも理にかなったもの。
センターコンソールの前がスッキリした空間になっていることで、運転席~助手席間のウォークスルーができるのは意外に便利だし、後席が広いから日常の利便性も高いですね。
ところで心地よさといえば、装備においては「心地よさ」を高めるホンダ初採用のアイテムがいくつか備わっています。
たとえば標準装備のひとつに加え、ディーラーオプションも含めて6つの香りが選べるアロマは、エアコンの空気清浄機能と合わせて車内の快適性を高めてくれる。シートヒーターやステアリングヒーターに加えて、フロントドアの内側やインパネ下部まで温めるインテリアヒーターも搭載。ホンダ初採用ではないですが、BOSEオーディオも標準採用です。
EVということを強く意識させることなく、自然に乗れるクルマ。それが3度目の復活を果たしたインサイトに乗り感じたことです。
今後、少しずつとはいえEVは日本でも増えていくことでしょう。そうなると「EVの特別感」よりも「普通に乗れること」が大切で、新型インサイトはそんな将来を見据えた作りなのだと感じました。
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新型インサイトの車両本体価格(消費税込)は550万円ですが、国の補助金(130万円)を差し引くと実質420万円です。
いまやこのクラスのSUVは、スバル「フォレスター」のターボモデルが約370万円からで、ハイブリッドだと約450万円から。トヨタ「RAV4」が450万円スタートと、気が付けば400万円だと「高い」という部類ではありません。
そう考えると「実質420万円」という価格は、ハイブリッドと比べてリーズナブルなもの(独自の補助金がある東京都なら実質360万円になる)。補助金前提とはいえ、もはやEVも“高いから選ばない”という時代ではなくなったことを感じさせます。
ちなみに「EVはリセールバリューが良くない」という声もあり、実際のところは概ね事実なのですが、心配であれば残価設定ローンを組むのがいいでしょう。
ホンダの残価設定ローンであれば新型インサイトは5年後に170万円の残価設定となっており、「420万円のSUV」と考えれば妥当な水準といえます。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
































