スバルの「安全性能」何がスゴイ? 他メーカーとは違う「“総合安全”性能」とは? 「フォレスター」で“安全神話”を証明
2026年5月28日、現行のスバル「フォレスター」がJNCAP(日本自動車アセスメント)の「自動車安全性能2025 ファイブスター大賞」を受賞。これに伴って、スバルは2026年5月19日に、群馬製作所内のCar to Car衝突試験場において、報道関係者を招いた安全訴求イベントを開催しました。
フォレスターがファイブスター大賞を受賞
2026年5月28日、現行のスバル「フォレスター」がJNCAP(日本自動車アセスメント)の「自動車安全性能2025 ファイブスター大賞」を受賞しました。
これに伴って、スバルは2026年5月19日に、群馬製作所内のCar to Car衝突試験場において、報道関係者を招いた安全訴求イベントを開催しました。
このイベントでは、新オフセット前面衝突試験の公開デモンストレーションを中心に、スバルの総合安全思想にまつわるプレゼンテーションや車両展示が行われました。
フォレスターは、1997年に登場したミドルサイズSUV。現行モデルは2025年に登場した6代目です。
6代目のコンセプトは「堂々たる安心感ある佇まい ─乗員が守られ、かつ安心して、どこへでも行けそうな、The SUV」。SUVとしての本質的な価値を表現するデザインと、正統派SUVとしての性能面の進化を両輪で開発しています。
ボディサイズは、全長4655mm×全幅1830mm×全高1730mmで、ホイールベースは2670mm。最低地上高は220mmを確保しています。

パワーユニットは、1.8リッター直噴ターボエンジンと2.5リッターエンジン×ストロングハイブリッドの2種類を用意。
1.8リッター直噴ターボエンジンは低回転から300N・mの高トルクを発生し、リニアトロニック制御の進化と合わせて、従来モデルからの重量増を感じさせない気持ちの良い加速感を実現しています。
2.5リッターのストロングハイブリッドは、エンジンとモーターを効率よく使い分けるシリーズ・パラレル方式を採用。最高出力88kWを発生する駆動用モーターにより、幅広い走行シーンでモーター駆動をメインとしています。
0-100km/h加速性能は、1.8リッターのターボモデルが8.6秒、ストロングハイブリッドモデルが9.6秒となり、従来型のe-BOXERの12.2秒から大幅に向上。燃費はWLTCモードで18.4〜18.8km/Lという燃費性能を実現しています。
受注開始から1年となる2026年3月までの累計受注台数は4万2013台に達しており、計画比146%というペースで順調な滑り出しを見せています。
スバルの総合安全
安全訴求イベント冒頭では広報部長の大島和美氏が挨拶に立ち、「スバルは人の命を守るということをものづくりの中心に長年据えてきており、中島飛行機の時代から現在に至るまで脈々と受け継がれている」と説明しました。
続いて登壇した商品革新本部プロジェクトゼネラルマネージャーの藤居拓也氏も「航空機は設計・製造における少しのミスが故障や事故、ひいては乗員の命に関わる。だからこそ絶対に事故を起こさせないという安全思想と、搭乗者の安全を守る技術がものづくりの根底にある」とし、これが現在の「人を中心としたクルマづくり」につながっていると述べました。

スバルの総合安全は「0次安全」「走行安全」「予防安全」「衝突安全」、そして「つながる安全」の5領域に分類され、2030年の死亡交通事故ゼロを目標に各領域の強化が進められています。
0次安全ではAピラーの形状やドアミラー位置の工夫による広い視界の確保、走行安全では水平対向エンジンとシンメトリカルAWDがもたらす安定した走行性能がその根幹を担っています。
予防安全の分野では、ADAS開発部部長の金子法正氏が1989年に車載ステレオカメラの開発をスタートして以来35年以上積み重ねてきたアイサイトの進化について説明しました。
フォレスターには最新世代のアイサイトが搭載されており、今回新たに広角単眼カメラを追加搭載したことで衝突回避シーンの拡大を狙っているといいます。
事故統計の分析では、対歩行者事故全体の38%が自車右左折時に歩行者が内側から飛び出すシーンであり、対自転車事故全体の27%以上が出会い頭のシーンに相当することが明らかになっており、これらへの対応が最新世代のアイサイトでの重点開発テーマとなったようです。
つながる安全の分野では、エアバッグ作動時に自動でコールセンターに接続する先進事故自動通報(ヘルプネット)や、急な体調不良・あおり運転時に利用できるスバルSOSコールなどのサービスが「MySubaru Connect」を通じて提供されており、万が一の後もしっかり押さえています。
自らを犠牲にして“人を守る”クルマ
スバルの「衝突安全」を証明するため、同イベントでは群馬製作所内のCar to Car衝突試験場で、現行モデルのフォレスターを用いた衝突試験のデモンストレーションが行われました。
今回行われたのは、新オフセット前面衝突試験。台車と車両がそれぞれ50km/hで走行し、50%オーバーラップで正面衝突するという試験です。相対速度は100km/hに達するもので、より実際の市場事故に近い評価形態とされています。
担当者が試験前に「衝突は大体100ms、つまり0.1秒で終わってしまう。人の瞬きも0.1秒前後と言われているので、ぶつかる直前に瞬きしてしまうと全部終わってしまっている状態になる」と注意を促していました。
サイレンと共に試験がスタート、車体のエンジンはかかっていない(試験のため燃料の循環などは行われている)ため、静かにクルマが迫ってきます。

車体が視界に入ると、一瞬で台車と衝突。激しい衝突音に、多くの取材陣が驚きます。衝突した車を見るとフロント部分は激しく大破していますが、キャビンは全く潰れておらず、ドアもしっかり開閉します。
車自体はもう廃車であることは明白ですが、フロントでしっかり衝撃を受け止めることができる、高い乗員保護性能を有している証です。まさに自らを犠牲にして“人を守るクルマ”と言えます。
車両安全開発部部長の宮田豊氏は前面衝突性能について、「フォレスターではスバルグローバルプラットフォーム(SGP)にフルインナーフレーム構造を組み合わせ、クラッシュゾーンとキャビンゾーンを明確に分けた設計を採用している」と説明します。
また、バンパービームの外側への拡大とサブフレームの追加によるマルチロードパス構造により、旧型比でエネルギー吸収量を16%向上。JNCAP新オフセット前面衝突試験では相手車への加害性も旧型対比で約40%低減したといいます。
確かに、衝突した台車のデフォーマブルバリア部を見ても“綺麗な潰れ方”をしていて、衝撃を和らげている様子が見られます。
唯一の5つ星
フォレスターのJNCAP評価結果は、予防安全性能では被害軽減ブレーキ(対歩行者昼間・夜間・対自転車・交差点)、車線逸脱抑制、高機能前照灯、ペダル踏み間違い時加速抑制のすべての評価項目がレベル5となりAランクを獲得。
衝突安全性能ではフルラップ前面衝突、新オフセット前面衝突、側面衝突、後面衝突頸部保護、歩行者頭部保護、歩行者脚部保護、シートベルトリマインダーのすべてがレベル5でAランクに。
事故自動緊急通報装置は先進型を搭載して満点の8点を獲得。総合得点は193.8点満点中184.6点(95%)という高水準となり、2025年度に評価された4車種の中で唯一5つ星を獲得し、ファイブスター大賞の受賞に至りました。

前述の宮田氏はプレゼンテーションの締めくくりに「安全な車が普及してこそ初めて安心・安全な社会が形成されますので、お客様のお求めやすいアフォーダブルな価格で安全な車両を開発してお届けしたい」と述べ、今後も死亡交通事故ゼロ、安心・安全な交通社会の実現に向けて取り組んでいく姿勢を示しました。
スバル車の販売台数100万台あたり死亡重傷事故件数は年々減少しており、2024年度の最新データでは死亡事故がわずか1件というレベルにまで低下しています。
フォレスターは同モデルとして2018年度の衝突安全性能評価大賞に続き、今回2025年度のファイブスター大賞を受賞し、スバルの安全技術の進化を象徴する一台となりました。
Writer: くるまのニュース編集部
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