違反だけど罰則無し!? 反則金、付加点数がない交通違反がある理由とは
義務化した後部座席シートベルト違反、なぜ一般道路での罰則はないのか
では、後部座席のシートベルト着用が義務化されたのにもかかわらず、なぜ罰則(反則金、付加点数)がないのでしょうか。警察庁は次のように話します。
―― 一般道路での後部座席ベルト違反には、なぜ罰則がないのでしょうか。
後部座席のシートベルトについては、平成20年に施行された改正道路交通法によって着用が義務化されました。
しかし、当時の一般道路における後部座席シートベルトの着用率は8.8%(平成19年10月調査)と極めて低かったことから、当面はシートベルト装着の被害軽減効果などの、広報啓発活動に重点を置くことにしました。
――後部座席シートベルト義務化が認知されない要因に、罰則がないことは関係ないのでしょうか。
警察では、これまでもJAF(日本自動車連盟)、日本自動車工業会といった関係団体の協力も得ながら、後部座席におけるシートベルト着用の効果や必要性について、広報啓発活動に努めてきました。今後も地方公共団体や関係機関などと連携しながら、全国交通安全運動や運転免許の更新講習などあらゆる機会を通じて、周知徹底していきたいと考えております。
――ほかにも罰則がない違反行為はあるのでしょうか。
道路交通法上では、第10条第2項の「歩行者は、歩道等と車道の区別がある道路においては、原則として歩道等を通行しなければいけないことを定めた規定」などが存在します。
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内閣府が公表している『交通安全白書』では、「道路交通安全施策の現況」として幼児から成人にいたるまで交通安全教育を実施すると共に、高齢化にともなう高齢者自身の交通安全意識の向上を図っています。
そのほか、自転車を利用することが多い小学生から高校生に対しても、将来の運転者教育の基礎として自転車の安全利用に関する指導を強化しているといいます。
幅広い世代にわたって交通安全教育や普及啓発活動に触れることにより、自分自身を含む周囲に対する安全のためにも交通ルールを守ることが重要です。
なお、罰則がないからといっても違反してよいわけではありませんので、ご注意を。
【了】