トヨタ新型「“スライドドア”軽バン」販売店に“問合せ”殺到! 四角い「ひろびろ」空間の「静音」モデルに大注目! 電動工具も使える快適仕様「ピクシスバンEV」に寄せられた声とは

トヨタは2026年2月2日、軽商用車「ピクシスバン」にBEV(電気自動車)モデルを設定しました。ダイハツ・スズキ・トヨタの3社による共同開発で誕生した本モデルは、軽商用バンとしての高い実用性とBEVならではの走りを両立させた一台として注目を集めています。

法人に強いトヨタが本気で売る「軽バン」

 トヨタは2026年2月2日、軽商用車「ピクシスバン」にBEV(バッテリーEV:電気自動車)モデルを追加し、同日より発売しました。

 ピクシスバンは2011年の発売以来、ダイハツ「ハイゼットカーゴ」のOEMモデルとして展開されてきました。

 今回追加されたBEVモデルは、ダイハツとスズキが積み重ねてきた軽自動車開発のノウハウと、トヨタが持つ高度な電動化技術を融合させ、3社の強みを結集して開発されたものです。

 開発段階からCommercial Japan Partnership Technologies社も加わり、ラストワンマイル輸送に最適な仕様の実現を目指しました。

 日本の狭い路地でもスムーズに走れるコンパクトな車体は、物流の「ラストワンマイル」を支える存在として欠かせません。そうした軽商用車のEV化を推進し、カーボンニュートラル実現への一手として提案されたのが、今回のBEVモデルです。

3社共同開発で誕生した「電気自動車の軽バン」に注目!
3社共同開発で誕生した「電気自動車の軽バン」に注目!

 搭載されるBEVシステム「e-SMART ELECTRIC」の中核を担うのが、モーター・インバーター・減速機を一体化した「eAxle(イーアクスル)」です。

 後輪に配置されたeAxleにより、、ベースのピクシスバン同様の後輪駆動を継承しており、荷物を満載した状態や急な坂道、ストップ&ゴーの多い市街地でも、後輪駆動特有の力強いグリップ力でスムーズな加速が可能です。

 そして大容量の薄型リチウムイオンバッテリーを床下に搭載することで低重心化を実現し、クロスメンバーの追加による車体剛性の大幅強化と専用チューニングのリアサスペンションの採用により、商用車にありがちな荷室の「跳ね」を抑えたしなやかな乗り心地を実現しています。

 ガソリンモデルと比較しても、BEVモデルのほうがより上質で滑らかな走行感覚を得られるとのことです。

 モーター駆動による優れた静粛性も大きな魅力のひとつです。発進時・走行中ともに振動やノイズが極めて少なく、早朝や深夜の住宅街でも周囲への騒音を気にせず走行できます。

 ドライバーの疲労軽減という観点でも、長時間の業務使用に大きなメリットをもたらしてくれるでしょう。

 航続距離は軽商用BEVクラストップレベルとなる257km(WLTCモード)を達成。急速充電を標準装備しており、約50分で80%程度まで回復できるため、長距離の配送業務にも十分対応できます。

 特筆すべきは給電機能の充実ぶりです。車内コンセントから最大1500Wの電力を取り出せるため、走行中でも電動工具の充電・使用が可能で、現場での作業効率向上に直結します。

 さらに家庭への電力供給機能「V2H」にも標準対応しており、災害による停電時には「動く大型蓄電池」として家庭や事業の継続を支える存在にもなります。この点はエンドユーザーからも高く評価されており、非常用電源としての価値を見出して問い合わせるケースも多いようです。

 荷室はガソリン車と同等の広さを確保し、最大積載量350kgを実現。低めに設定された荷室床面により、重い荷物の出し入れも容易です。

 室内には撥水加工シートやシートヒーターを標準装備しており、寒冷時の航続距離への悪影響を抑えながら快適性を確保しています。

 天井部の「オーバーヘッドシェルフ」など細やかな収納設計も施されており、働くクルマとしての完成度の高さが随所に感じられます。安全面では最新の予防安全技術「スマートアシスト」も全グレードに標準装備されています。

 車両本体価格は314万6000円(消費税込)です。ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1890mmとコンパクトにまとまっています。

※ ※ ※

 販売現場の反応をトヨタディーラーに聞くと、直近で法人からの大口受注こそないものの、乗り換えは想定よりも多くなっているとのこと。

 特に小規模事業者からの問い合わせは多く、今後は法人営業部で積極的に推進していけば、さらに受注は伸びていくだろうとのコメントもありました。

 法人に対しても強力なネットワークを持つトヨタ販売店だけに、その強みを生かして今後ますますシェアを拡大していきそうな予感がします。

 さらに商用に限らず、日常の足として幅広いユーザーからの問い合わせがあるとも話していました。

 決して派手な存在ではありませんが、日本の物流と暮らしを縁の下で支える実力派として、今後もさらに評価が高まっていくことが期待されます。

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Writer: 赤羽馬

金融業・自動車ディーラー営業マンを経て、ライターとして独立。幼少期からの自動車カタログ収集癖あり。エンドユーザーに役立つ話や経済・金融とクルマに関する情報を発信中。

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