「60年越し」開通へ! 「1軒の家」が“立ち退き拒否”で開通できなかった経堂の「恵泉通り」28年にも全線開通へ 大反対で残った「たった20m区間」揉めに揉めてようやく解消 世田谷
世田谷区の通称「恵泉通り」が事業化から60年越しに開通めどが立ちました。一体どのような道路で、開通したらどう便利になるのでしょうか。
1軒の家が立ち退かず
東京都世田谷区の区道「恵泉通り(通称)」の開通めどが立ちました。
一体どのような道路で、開通したらどう便利になるのでしょうか。
恵泉通りは、世田谷区桜ヶ丘の千歳通りから北上し、小田急線の下を通過して世田谷区船橋の赤堤通りまでを結ぶ1.5kmの主要生活道路106号線のうち、約20mの区間の通称です。
恵泉通りの区間は小田急線 経堂駅と千歳船橋駅のほぼ中間地点から700mほど北に進んだ住宅街にあり、片側1車線、幅11mの道路として整備される計画として、1966年4月に事業化されました。
前後の区間は1996年から2018年までの間にすでに開通したなか、恵泉通り区間は計画に反対する地権者などが用地買収の差し止めを求めた訴訟を起こし、土地の取得が長年できない状態となっていました。
そうしたことから、世田谷区立経堂けやき公園から恵泉女学園までの約20mを残した状態で、ブツ切れとなっています。
これにより、千歳通りや城山通りから赤堤通りに出るまで、かなり狭い路地を何度も右左折して1.7km迂回もしなければなりません。
開通すれば、世田谷区中部における貴重なタテ軸となり、始点・終点で東西方向に交わる千歳通りと赤堤通り、中間の城山通りなどに接続し、周辺の利便性が格段に向上します。
また経堂・船橋エリアは環七通り(都道318号線)と環八通り(都道311号線)に挟まれたエリアで、狭隘で入り組んだ路地が多く、渋滞を回避して路地を通るクルマも多いなど、危険な区間も多くなっています。
縦の移動ができれば路地に進入するクルマも減り、周辺地域の安全性も向上することが見込まれます。

さて、長年揉めている恵泉通りですが、2013年1月には土地の所有権が地権者から世田谷区に移譲。それでも地権者からは、土地の明け渡しがされず、2017年1月に土地を明け渡す裁決が出されました。
しかし地権者は土地の明け渡しを拒否しつづけており、恵泉通りの一部区間には通行止めの柵や「行き止まり」と書かれた看板などが設置され、工事を阻んでいます。
土地を明け渡さないものに対しては、通常は土地収用法に基づき、東京都知事が「行政代執行」が行われます。行政代執行とは、強制的に建物の取り壊しなどを行う措置です。ただし区や都は行政代執行を行わず、放置が続いていました。
2024年4月、進まない事業計画に業を煮やした区民306名から世田谷区議会に対し、「恵泉通りの一刻も早い完成を求める陳情」が提出され、「幅員の狭い道路を迂回せざるを得ない状況となり事故も発生している」との意見が寄せられました。
陳情には「事業開始からすでに半世紀以上が経過し、開通を見ることなく他界された方も多数おられます。もうこれ以上は待てません」と記載されており、この陳情は趣旨採択となりました。
長らく「ブツ切れ」状態で凍結されていた恵泉通りですが、2026年4月23日に大きな動きがありました。
区の都市整備常任委員会において、世田谷区が土地収用法に基づく「行政代執行」の実施を視野に入れて交渉を進めたところ、地権者側が立ち退くことでようやく合意したと明らかにしました。
これにより世田谷区は2027年度末までに整備を完了し、2028年4月以降にすべての区間で開通する目処が立ったとしています。
事業化から60年越しの開通となる恵泉通りですが、今後スムーズな立ち退きや工事が順調に進むのか、動向に注目です。
Writer: くるまのニュース編集部
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