1.6リッター直4エンジン搭載で「800馬力超え」! 斬新「“4WD”スポーツカー」に注目! メーカー初の“軽量ボディ”&大開口の「斬新ドア」を採用! 英国ジャガー電動化の布石となった「C‑X75」って?

ジャガーが2026年後半に公開予定の新型EV「Type 01」の詳細が徐々に明らかになってきました。しかし同社は、電動化へ本格的に進む以前から先進的なモデルを生み出していました。その代表格が、幻のハイブリッドスーパーカー「C-X75」です。一体どのようなモデルだったのでしょうか。

電動化時代を先取りしていた「4WDスポーツカー」

 ジャガーが進める電動化戦略が、ここにきてさらに具体的な形を見せ始めています。2026年後半に公開予定とされる新型ラグジュアリー4ドアGTの名称が、2026年5月13日に「Type 01(タイプ01)」であると発表されました。

 英国で開発・生産されるこの新型モデルは、ブランドにとって新時代の象徴となる存在です。

 モデル名に含まれる「0」はゼロエミッション、「1」は新章の第一歩を意味しており、ジャガーがこれまで築いてきたスポーツカーの伝統と、完全電動化時代への移行を重ね合わせたネーミングとなっています。

 すでに公開されている情報によれば、「Type 01」はトライモータ・テクノロジーを採用し、最高出力は1000PS超、最大トルクは1300Nm超に達するとされています。

 さらに、ブランドの象徴でもある“Type”の名称を与えられたことからも、単なるEVではなく、走りやデザインを重視したフラッグシップとして位置付けられていることが分かります。

 ジャガーはモナコE-Prixの開催に合わせ、カモフラージュ仕様のプロトタイプを公道で走行させる予定であり、すでに実車開発もかなり進んでいるようです。

革新的なテクノロジーを搭載した斬新「4WDスポーツカー」とは?
革新的なテクノロジーを搭載した斬新「4WDスポーツカー」とは?

 こうした動きを見ていると、ジャガーが急に電動化へ舵を切ったように感じる人もいるかもしれません。

 しかし同社は、かなり以前から電動パワートレインの可能性に挑戦してきたメーカーでもありました。

 量産EVとして「I-PACE」を送り出したこともその一例ですが、さらに象徴的な存在として語られるのが、「C-X75」です。

 C-X75は、2010年のパリ・モーターショーで初公開されたコンセプトカーで、のちに2013年には具体的なプロトタイプも披露されました。

 当時はまだ現在ほどEVやハイブリッド技術が一般化しておらず、高性能車と環境性能を両立させるという考え方自体が、かなり先進的なものでした。

 そうした時代に登場したC-X75は、ジャガーの未来像を示す実験車両という枠を超え、多くの自動車ファンに強烈な印象を残したのです。

 このプロジェクトでは、Williams Advanced Engineering(ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング)との共同開発が行われました。

 車体にはジャガー初となる炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製モノコックシャシを採用し、軽量化と剛性確保を両立しています。

 ボディデザインも非常に完成度が高く、低く構えたシルエットや流れるようなラインには、後に登場する「F-Type」に通じる要素も感じられました。

 単なる未来的デザインではなく、市販車として成立しそうな現実味を備えていた点も特徴です。

 外観では、上下に開くガルウイングドアや、走行状況に応じて可変するアクティブウイングなど、スーパーカーらしい演出が数多く盛り込まれていました。

 ただ派手なだけではなく、高速走行時のダウンフォースを高めるなど、空力性能までしっかり考えられていた点も見逃せません。

 デザインと機能性がきちんと結びついていたからこそ、現在見ても古さを感じさせないのでしょう。

 そして最大の見どころは、やはりそのパワートレインでした。リアには1.6リッター直列4気筒直噴エンジンを搭載し、さらにターボとスーパーチャージャーを組み合わせたツインチャージャー仕様となっています。

 このエンジンだけで最大502hp(502bhp)/10000rpmを発生し、そこへ2基の電気モーター(各150 kW級)を組み合わせる構成が採用されました。

 さらに高出力PHEVバッテリーパックも搭載され、EVモードでは最大60kmの走行が可能とされていました。

 システム全体では850hp(852PS)、最大トルク1000 Nmを発揮し、駆動方式はAWD、トランスミッションには変速スピード0.2秒未満の7速ATを採用しています。

 現在のハイパーカー市場を見渡しても十分通用しそうな数値ですが、これが2010年代前半に構想されていたという点に、C-X75の先進性があります。しかも、CO2排出量は89g/km未満に抑えられており、環境性能への配慮も明確でした。

 しかし、世界的な景気後退の影響は大きく、最終的に量産計画は中止となります。完成したプロトタイプも約5台にとどまり、市販車として一般ユーザーの手に渡ることはありませんでした。

 それでもC-X75が残したインパクトは非常に大きく、現在ジャガーが推し進める電動化戦略の原点の1つとして語られることも少なくありません。

 そして今、新たに登場しようとしているType 01には、C-X75が目指していた思想が確かに重なります。

 高性能と環境性能を両立させ、なおかつブランドらしい美しいデザインを追求する姿勢は、十数年前から変わっていないのです。

 C-X75は市販化されなかった幻の存在でしたが、その挑戦は決して無駄ではなく、現在のジャガーへ確実につながっていたといえるでしょう。

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Writer: くるまのニュース編集部

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