2020年オートライト義務化で無灯火減る? 現状はメーカー間で38分も点灯時間差 設定が違う理由とは

オートライト機能のデメリットはあるの?

 義務化される以前から、オートライト機能を搭載しているクルマは数多く存在します。しかし、ヘッドライトの点灯/消灯のタイミングに細かい規定がなく、各社が独自の設定で運用しているのが実態です。

 オートライト機能の設定のばらつきによっては、小さな橋の下などで点灯してしまい、パッシングや後続車にはブレーキと間違えられたり、直後にすぐ消灯して余計にパッシングやブレーキを踏んだように誤解を広げる動作をしてしまっている事例もあります。そのため、オートライト機能が搭載されていても手動で操作しているドライバーも少なからずいるようです。

 実際、JAFが行なった「オートライト点灯時刻テスト」によると、日没前の約1時間で、ヘッドライトの点灯が最も早かったクルマと最も遅かったクルマの時間差は、38分にもなったようです。車種による設定のばらつきが大きいということがわかります。

 また、車種によってはスイッチにある「OFF/AUTO/車幅灯/ヘッドライト」の並びが異なることで、クルマを複数台所有するドライバーや、レンタカーに乗った際にオートライトがOFFになるというミスが生じる可能性もあります。

 今後、オートライト機能が義務化されることによって、どのように規定され、問題点は改善されていくのでしょうか。

オートヘッドライトが義務化はなぜ? 何が変わる?

 オートライト機能搭載の義務化の背景と規定について国土交通省に伺いました。

──オートライトの義務化に際して、どのような背景があるのでしょうか。

 基準を決めた2016年当時、夕方の薄暮時に高齢者の歩行者の事故が多かったため、2016年10月7日の国連欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラム(WP29)において制定された、自動車の安全機能についての基準を日本でも取り入れて、義務化する方向に進みました。

──スイッチ周りはどのように規定されますか。欧州車などではOFF位置が無くなっているクルマも見受けます。

 スイッチ等は自動車メーカーに一任しています。オートライト機能は周囲の照度に応じて、自動的に点灯及び消灯する機能を有するものであるとしていて、この自動で点灯する機能を手動で解除することはできないとしています。また、自動的に消灯する機能については、手動による解除が可能な構造とすることもできる。と規定しています。よって、オートライト機能の自動点灯を解除出来ないような作りであれば、スイッチの並び順などは問わない、ということになります。

──対向車が来たとき、ハイビームからロービームに切り替えるドライバーが多くいると思いますが、オートライト機能を搭載した車ではハイビームとロービーム切り替えは、どのように規定されていますか。

 今回のオートライト機能に関しては、ハイビームの規定はしていません。自動車メーカーさんで独自に搭載している機能などに関しては把握できていません。

──エンジンを掛けたまま停車している車にオートライト機能は適用されますか。

 自動車が停止している場合や速度が10km/h以下である場合であって、かつ、その走行距離が100m以内である場合、また、フォグランプが点いている場合にのみ、周囲が1000ルクス未満であっても自動での点灯は義務づけられていません。しかし、停車している車のヘッドライトを付けてはいけない、とは一切規定していません。

「オートライト機能」も色々。画像でチェック(5枚)

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