クルマもレトロブーム? ジムニーのみならず四角いクルマのヒット車続々 昔ながらのスタイルが人気の理由とは
四角いクルマ人気の理由は昭和レトロ?
6月に新型にスイッチしたGクラスですが、メルセデス・ベンツ日本の広報部に尋ねたところ、「前モデルと同様に非常に好調な販売となっている」といい、さらに同ブランドのSUVモデルすべてをひっくるめても、「GLAと並ぶ主力商品」ということでした。
Jeepを扱っているFCAジャパンもまた、「Jeepラングラーは他モデルと比較しても当社トップの市場を構築している」と言います。さらに両モデルに共通していたのは、「世界においても日本は特に大きなマーケットになっている」ということです。なぜ日本人はこんなに四角い四輪駆動車に惹かれるのでしょうか。
ジムニーのデザイナーが目指した基本コンセプトは、「長く変わることのない、無駄のない機能美」。過剰な加飾や複雑なラインが交錯する昨今のSUV、クロスオーバーのデザインに、日本のユーザーは少々食傷気味になっている気がします。
さらに、昨年からのムーブメントとなっている「昭和レトロ」ブームも追い風になっているのかもしれません。音楽シーンなどサブカルの幅広い分野で、昭和のよきモノの再評価が始まっています。さらに四半世紀ぶりのアウトドアブームも、クロスカントリー4WDの人気に拍車をかけていると言われています。昭和世代に懐かしく、平成世代には新しい、昔ながらのスタイルを継承しているクロスカントリー4WDは、そんな魅力も持っているのではないでしょうか。
最新の安全装備や電子デバイスを搭載していても、デザインは昔ながらのクロスカントリー4WD。余計な装飾は付けず、機能だけを追求してカタチを造る。そんなシンプルな原点に、日本の自動車ユーザーが回帰しつつあることは間違いなさそうです。
この秋登場予定の新型Jeepラングラーアンリミテッドに、2019年はいよいよ新型ランドクルーザーの発表もあると騒がれています。これらによって、ますますクロスカントリー4WDの世界が活況を呈しそうです。
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Writer: 山崎友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。