危険はないのか、道路の停止線や横断歩道がほぼ消えた場所… 白線の補修は誰がやる?

白線が消えやすい場所や条件はある?

 そもそも白線が消えやすい場所や条件というのもあるのでしょうか? 高速道路の標識や路面標示などを幅広く手掛ける菊水建設株式会社 営業部の鎌田氏にこのあたりを聞いてみました。

信号もない暗い場所にある横断歩道。ここまで消えている横断歩道と気づかず通過する車も(加藤久美子 撮影)

――白線が消えている場所が多いように思いますが、今年の猛暑は関係していますか。

 そうですね。白線の沸点は80度以上という規格で決まっています。そして、実際に溶けるのは180-200度という高温になりますので、猛暑でアスファルトの舗装が熱せられたとしても60度前後なので暑さで白線が溶けるようなことはないと思います。ですが、白線の劣化には日照量(紫外線)も大きく関わっています。関係するとしたらこちらではないでしょうか。白線の摩耗は当然ですが車が多く通る道路では多くなります。日当たりが良く交通量の多い場所では摩耗が早まります。

――白線の種類によって消えにくい、摩耗しにくいなどはあるのでしょうか。

 白線はその原料や工法によっていろいろな種類があります。摩耗に強い白線もありますが、その分コストが高くなります。また、視認性が高い全天候型の白線(全天候型溶融式路面標示材)もあります。夜間でも輝度が高いので、もしこれが摩耗したとしても輝度が高い分、ある程度は視認性が確保されるはずです。ですがこちらもコストは高めで、一般の白線の7-8倍になります。

――輝度が高いというのはどんな素材を使っていますか

 雨天時用の「全天候型反射エレメント」と、「大粒径ガラスビーズ」を混合した特殊反射素子を白線に散布しています。これにより夜間晴天時、雨天時ともに優れた視認性を提供します。また、表面が盛り上がることなくほぼフラットなため、そこを車が通過しても騒音を発生しないメリットもあります。

※ ※ ※

 ちなみに、たとえば左折専用レーンの左矢印が不鮮明で直進し、運悪く取り締まりの対象になったような場合は、その場で警察官と一緒に確認するのがベスト。異議申し立てをする場合は現場の写真、ドラレコなどの映像も有効だそうです。

【了】

コスト高だが夜間晴天時、雨天時ともに優れた視認性の白線等(画像6枚)

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画像ギャラリー

Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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