災害で道路が通行止め! いざという時の交通情報集めはどうすればよいのか?
2018年の夏は未曾有の自然災害が日本列島を襲いました。「西日本7月豪雨」「台風21号」「北海道地震」など多くの被害が発生しています。そんななか、道路というライフラインはどのような対応を行なっているのでしょうか。また、道路を使用する私たちは、どうやって情報をあつめたらよいでしょうか。
豪雨から大地震まで多くの被害を受けた日本列島
2018年の夏は、全国的に豪雨や台風の影響により多くの被害を受け、いまなお完全復旧に向けて活動している地域もあります。とくに西日本を中心に起きた「平成30年7月豪雨」では高速道路も大きな被害を受けました。NEXCO西日本管轄では総延長2299㎞が通行止めになりましたが(7月6日時点)、これは同社管轄の約65%にあたります。
そのなかで、広島空港に近い山陽自動車道の河内ICと広島IC間も7月6日に通行止めとなり、そこから8日後の7月14日に通行止めが解除となりました。近隣生活者には長い8日間ですが、土砂や倒木に覆われただけでなく道路設備のダメージもあったので、猛スピードの復旧と見ることもできます。救援物資の輸送にも重要なことでした。
時系列で見ていくと、3日後の7月9日には緊急車両通行ルートとして確保。これは、クルマが最低1台は通れるレベルに土砂などの障害物をどけて簡易な段差修正を施し(道路啓開という概念)、被災各地への自衛隊車両や救急車、消防車の移動に高速道路を提供したということです。
そして、翌7月10日には緊急物資等輸送車両通行を経て、7月14日の通行止め解除に至りました。
しかし、実際には完全復旧ではなく、対面交通で1車線が通行可能という場所も含まれ、2018年9月の時点でも『応急復旧』の状態は続いています。山側の“のり面”と“道路の境”に大型土嚢を大量に置いた箇所なども残っています。
西日本豪雨での道路復旧に関して、NEXCO西日本中国支社広報課は「24時間体制で全力をあげてきました。速い作業ができているかどうか比較するデータもありませんが“1日でも早く”との考えで進んでおります。高速道路区域外からの土砂流入などもあり、本復旧がいつになるのかは未定と申し上げるほかありません」と話します。
また、7月豪雨ではNEXCO中日本やNEXCO東日本から、復旧のための重機応援部隊も駆けつけていますが、それでも魔法のようにはいきません。豪雨被災直後に報じられた広島呉道路の道路崩落の影響もあり、現在も13㎞の区間が通行止めで、開通は今年11月目標とされています。
前出の広報課は、「土砂に道路ごと持っていかれる大きな崩壊でした。盛り土から始めて一から道路を作りますので、道路構造の専門家ら学識者による復旧検討委員会を立ち上げました(7月12日発表)。構造を見直しながら土木工事をしていくことになります」と語っていただきました。