16年ぶり刷新 日産「新型エルグランド」への期待高まる! 一方で現行モデルは苦戦した!? 元営業マンが明かす「スタイリングの評価」と「商談のリアル」
日産が2026年夏に発売するとしている、新型「エルグランド」。16年ぶりの刷新に期待が高まるなか、元営業マンの筆者が、苦戦を強いられた現行モデルのリアルな評価と、新型の注目ポイントを解説します。
アルヴェルと戦える!? 大型ミニバンの王座奪還なるか
日産自動車は、2025年10月に行われた「ジャパンモビリティショー2025」で、新型「エルグランド」(E53型、以下新型)を2026年夏に発売すると発表しました。
現行モデル(E52型、以下現行モデル)の登場から16年ぶりのフルモデルチェンジということで、SNS等では期待が高まっています。
果たして新型エルグランドは大型ミニバンで再びトップを奪い返すことができるのか、現行モデルとの違いはどのように捉えているのか、元営業マンの筆者(宇野源一)が解説します。

つい先日まで生産されていた現行モデルは、2010年にフルモデルチェンジしてから15年に渡って日産のフラッグシップモデルの位置を担っていました。
私の現役時代、営業マンとして初めてのお客様のご注文をいただいた車として思い出に残っているのがこのクルマです。退職するまでに何台も販売してきた中で感じたこと、今思うことをまとめます。
まずスタイリングについては、真四角の先々代(E51型)と比較するとセダンに近くなりました。スタイリッシュは裾広がりの形となり、下から上に向かってシュッとなるデザインが特徴で、大きくイメージが変わったと思います。
ですが、このスタイリングについては賛否両論で、特にE51型を所有しているオーナーからするとあまり評判はよくありませんでした。
シュッとした見た目と同様に室内空間が狭くなったことに加え、低重心化したことによる目線の低さがネックとなり、商談が難航した思い出があります。
次に走行性能についてです。E51型のFR(後輪駆動)からFF(前輪駆動)にパワートレインが変わりました。
構造上のメリットとして駆動系がフロント部分で完結することで車内空間、特に足元が広くなるなどメリットがありますが、先代オーナーからはスタイリングと同様にあまり良い声は聞かれなかったも思い出があります。
実際にE51からE52へ買い替えてもらったお客様からは「前の方が乗りやすかったかな」という感想を貰うこともしばしば。
E52単体で見た時は走行性能が高く感じましたが、それ以上にE51の出来が良かったのだと思います。
通常、車のモデルサイクルは長くても6年程度と言われていますが、現行エルグランドは様々な法規制に対応する仕様向上を何回も経て今日に至ります。
ライバルのトヨタ「アルファード/ヴェルファイア」兄弟は15年の間に2回もモデルチェンジをしているのに、エルグランドは同一モデルを苦し紛れに改良を重ねたことで、大型ミニバンの王座を奪われたと思います。
とはいっても、現行モデルの完成度は高く、リセールなど付加価値を考えさえしなければ良い車であった、と断言できます。
新型モデルに期待すること
2026年の夏に発売予定の新型は、E51型のような真四角の形状に戻っています。
これを見た時、私は「ついに逆転の時がきたか」と思いました。近年の日産を象徴するデザインとなったことで先進性をアピールしていると感じます。このデザインについては賛否両論かと思いますが、個人的には好みです。
搭載しているパワートレインは日産お得意のハイブリッドシステム「e-POWER」で、改良を重ねた第3世代が搭載されます。
1500ccの発電用エンジンを搭載し、エンジンが創り出した電気で走る、電気自動車のようなガソリン車です。
スペックだけ見れば「これだけの巨体を1500ccで動かすことができるのか、パワー不足ではないか」といった印象を持たれるかもしれませんが、日産の電気自動車に搭載されているモーターは2500cc〜3000ccクラスのトルクを発揮します。
私自身、第2世代e-POWERを搭載した「セレナ」に乗っていますが、小気味の良い加速感と走行性能に満足しています。
ランニングコストの面を見れば、毎年の自動車税は1500ccクラスなので年額3万500円。先代の3500ccだったら年額5万7000円なので、雲泥の差に感じます。税金だけ見ればコンパクトカーと同じなので、メリットは大きいのではないかと思います。
ぶっちゃけアルヴェルと戦える?
元々日産ディーラーにいたので贔屓目は多少あるかもしれませんが、新型エルグランドはアルファード/ヴェルファイアといい勝負をするのではないでしょうか。
ジャパンモビリティショーで発表されたモデルが中間グレードということですので、上位グレードへの期待感が高まります。
仕様によってはアルファードのエグゼクティブラウンジを保有している法人ユーザーの代替ニーズにマッチするかと思います。
懸念すべき点としては、やはりリセールでしょう。同じ価格帯で数年後のリセールがアルヴェルと同等なら、人気は高まるとは思いますが、セレナやエクストレイルのようなリセールであれば苦戦するかもしれません。これについては実際に発売されなければわかりません。
また、発売後の供給も疑問が残ります。最近の日産は車両の需要に対して供給(生産)が間に合っていないような印象を受けます。
なお実際には、納車が数ヶ月から1年以上といった状況が「エクストレイル」や「フェアレディZ」の例もありましたので、生産能力が需要についていけないとなると車が良くても評価が悪くなるのではないか、と懸念もあります。
ライバルのアルファード/ヴェルファイアが需要過多による供給不足がありますが、これとはまた違った状況ではありますから日産には頑張ってもらいたいところです。
新型エルグランドについては、2025年秋の発表から少しずつ小出しで情報が出てきています。発売が近づくにつれ詳細が明らかになっていくと思われますので、動向に期待です。
Writer: 宇野源一(元自動車ディーラー)
大学卒業後、大手メーカー系自動車ディーラーに就職。その後、金融業界の業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事しながら、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格を取得。2018年よりライターとしても活動。FP視点でのカーライフを提案することが得意。


























































































