待望のフルモデルチェンジ! トヨタで売れている人気SUV、何が進化した? ZとAdventureの違いは? 進化した新型「RAV4」の印象とは?【試乗記】
世界中で愛されるトヨタのエースSUV「RAV4」が、待望の6代目へフルモデルチェンジ!「進化と継承」をテーマに、先代の魅力を残しつつ電動化と知能化で大幅進化を遂げました。今回はHEVモデルの「Z」と「アドベンチャー」に試乗。「大人になった」「ハリアーとのいい所取り」と感じた走りの真価を徹底レポートします!
【試乗】ZとAdventureの違いは? 進化した新型「RAV4」の印象とは?
走りの進化はどうでしょうか。
パワートレインは2.5Lのシリーズパラレル式(THS II)と言う基本は同じですが、ハイブリッドシステムは第5世代、バッテリーはバイポーラ型のニッケル水素とアップデート。先代に比べて約8%の出力向上となっています。
実際に走らせて感じたのは、従来モデルよりもEVモードの粘りが無くなった(すぐにエンジン始動してしまう)印象ですが、ハイブリッド走行時のモーターアシスト量は増しているので、ゼロ発進時や巡行→再加速の時の瞬発力は8%以上の伸び代です。
ただ、アクセル開度が大きいシーンでは伸び感は減ってしまったような気も。
通常走行ではエンジンがうなるようなシーンはほとんどりませんが、クルマ全体の静粛性が上がっているため音量・音質は気にならないと言えば嘘になります。
つまり、性能的には電動車感は高めになっていますが、フィーリング面ではエンジン車っぽいと言う、不思議な感覚。
燃費は都内の一般道・高速を周りの流れに沿って走って20km/L超えは余裕です。
プラットフォームも従来モデルと同じGA-Kですが、これまでの知見と課題をフィードバックさせた第2世代に進化。
具体的にはフロアの高剛性化や高減衰接着剤の塗布拡大に加えて、サスペンションの取り付け点剛性をフロント+31%、リア+27%アップさせています。
剛性アップだけでなく力の流れも考えた体幹に、摺動(しゅうどう)抵抗を綿密に制御できる特性を持つダンパー(KYBプロスムースがベース)を組み合わせています。

フットワークは意のままの走りを、いつでも、どこでも、誰でも、楽に実現可能な走りになっています。
具体的にはドライバーの操作に対して、「より意のまま」、「より滑らか」、「より自然」にクルマが動きます。
この辺りは荒さがあるも元気でよく曲がる印象だった従来モデルに対して普通になってしまった感はありますが、年間100万台、多種多様ユーザーが選択するクルマとしては正しい判断だと思います。ただ、この普通がとても濃厚なのが、新型RAV4の乗り味だと思っています。
具体的にはステア系は軽めの操舵力ながらも直結感の高い安心感に加えて、雑味が無い滑らかなフィーリングはプレミアムに片足を踏み込んだレベル。
ハンドリングは、「動かす所」と「動かさない所」の役割が明確(特にサス取り付け部の強さは実感できるレベル)。
その結果、背の高さを感じさせないコーナリングの一体感や4輪を上手に使った旋回姿勢(これはリアモーターを活用した駆動力コントロールやブレーキ制御も効いている)なども相まって、常にクルマが「スッ」と動いてくれます。
乗り心地は入力の伝わり方は「ドン」から「トン」となるくらいのアタリの優しさと乗員の揺さぶられにくさが効いているようで、従来モデルから大きく向上していますが、グレードによってキャラが若干異なります。
18インチを履くアドベンチャーはしなやかな足の動きですがタイヤが硬い印象で細かい凹が気になる印象、20インチを履くZはアドベンチャーより引き締め方向ですがしっとりとした減衰感とタイヤとの連携もよく、個人的にはZのほうが快適に感じました
個人的には従来モデルは「SUVとしてはいいよね」だったのに対して、新型は「クルマとしていいよね」と言いたくなる走りと言っていいかもしれません。
もちろん4代目(非TNGA)→5代目(TNGA)のほどの変化感はありませんが、その味わいはより深く、より濃厚、そしてより繊細になったかな……と。
予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」は最新版(通称4.0)を採用。
ハードの進化(カメラの高画素化、カメラ/レーダーの検知距離/検知角度アップ)はもちろんアリーンを活用して開発した事で「対応シーンの拡大」、「より人の感覚に合った制御」を可能にしています。
今回は運転支援デバイス(ACCとLTAの連携)のチェックでしたが、追従時の加減速はもちろん、コーナーでの遅れの無いステアリング制御などは「匠ドライバーの運転パターンの再現」に偽りなし。これならばドライビング“お手本”にしてもいいなと思いました。

そろそろ結論にいきましょう。
ハード的には熟成系の内容が多く、一見“守り”のフルモデルチェンジですが、実際に見て・触って・乗るとその伸び代は大きく、“攻め”のフルモデルチェンジだと思いました。カッコよく言うと「ベストセラーはブレない」と。
新型ではベーシックな立ち位置のHEVでこの内容ですから、本命のPHEVはより期待値が高まります。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。








































































