同性に「モテる」を重視? ダイハツがあえて挑んだイマドキ女子に合わせた開発秘話
ダイハツ初の女性プロジェクト成功のカギとは
プロジェクトの主要メンバーを女性が務めたことについて、チーフエンジニアの中島雅之氏は次のように話します。
――今回のプロジェクトは、ダイハツとして初の試みだそうですがどのような背景があったのでしょうか。
このプロジェクトは上手くいったと思います。男性目線だと『女性向け』の6割から7割しか理解できていませんが、彼女たちの言うことを信じ、父親のような気持ちで進めてきました。彼女たちが言ってくることをひとつひとつのパッケージとして作りこんで、ひとつひとつ検証していきながらハードとして作り上げました。
いいものだと思うものを数値化してハードに移す作業を行なったので、コンセプトが完成してから1年以上かかりました。さらに、試作車を作る時になって主要メンバーのひとりが『パワステを軽くしたい』というリクエストがありましたが、男性陣は疑問でした。しかし、女性社員に社内モニターをお願いしたところ『こっちのほうがいい』という反応だったので、採用することにしました。
ゆっくり走っているときにステアリングが軽く、男性には切り遅れたりハンドルのアソビが多いように思ったので、コーナーのゆるいカーブではステアリングを切りすぎなく、まっすぐに戻りやすいよう注意して作りこみました。こういった女性だけのプロジェクトは会社としても初めてで、面白くできたと思います。今後はこれに運動性能の磨きをかけてアップデートしていきます。
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女性社員の主導によるプロジェクトは、いわいる『男性脳』と『女性脳」の違いにより当初は苦労の連続だったそうですが、『女性目線のクルマ』を作るには重要なものだったようです。
実際、新型「ミラ トコット」のエクステリアやインテリアの随所には、女性が普段使うことを考慮した工夫がされていました。さらに、ダイハツの先進安全機能「スマートアシスト」を上位グレードに装備するなど『ちょっとそこまで』の使い方にも安心して使えるクルマとなっています。
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