「駐禁」の取締り、実はかなり違う? 駐車監視員(緑のおじさん)と警察官の違いとは

駐車監視員ができること、できないこと

 警察が行う駐禁取り締まりと似ているようですが、実はかなり違います。駐車監視員は違法駐車をしているドライバーや車両所有者に対して反則告知をしたり、車の移動を命じたりということは原則としてできません。具体的な駐車監視員の仕事や給料について、駐車監視員を募集している地方都市の警備会社に聞いてみました。

放置車両確認標章

――駐車監視員の給料はどれくらいですか? また駐車監視員になるのは難しいですか?

大都市だと日給1万円が目安です。地方だと9000円前後でしょうか。60歳以上だと安くなる会社もあるようです。65歳位まで募集をしていますが、駐車監視員として働けるのは70歳以下です。

――駐車監視員には高齢者が多く、皆さん、無言・無表情の印象ですが、理由はどんなことですか?

高齢者でも資格さえ取得すれば十分にその能力を発揮していただける仕事だからです。ただ、1日中歩き回る仕事なので、暑い時期は高齢者の方にとって負担の大きな仕事かもしれません。無言・無表情ですか(苦笑)。確かにそのような印象はあるかもしれませんね。

というのも、駐車監視員は警察官と違って、車を移動するように指示したり、その場で反則切符を切ったりもできません。ドライバーと会話をしてはいけない、コミュニケーションを取ってはいけないという暗黙のルールがあると思います。

――駐車監視員が巡回、確認する時間帯は? ノルマはあるのでしょうか?

朝8時から17時までが基本ですが、時には夜中、朝5時頃まで活動することもあります。1日の仕事時間は8時間で巡回コースも決まっています。ノルマは、駐車監視員ひとりにつき何件といった形ではないことになっていますが、会社全体としての確認件数(標章を貼る)や実際に支払われた違反金の総計が会社としての業務に関わってくることはありますね。

※ ※ ※

 駐車監視員の活動は各都道府県の警察署長が公示する違法駐車の取り締まりガイドライン(重点路線や重点地域・重点時間帯など)に沿って行われます。夜中だからといって安心はできません。皆さん、夜中でも明け方でもきちんと駐車場に停めましょう。

【了】

決まったコースを8時間、2人1組で巡回する駐車監視員

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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