「24時間無料なのサイコー」でも「車中泊は遠慮して…」 「トイレで洗髪」「駐車場でBBQ」トラブルも 国交省が示す「休憩」と「宿泊」の意外な境界線とは
2026年2月の3連休、クルマでの旅行を計画している人も多いでしょう。手軽な「車中泊」は依然として人気ですが、休憩スポットである「道の駅」での利用には注意が必要です。どこまでが休憩で、どこからがNG行為なのか。国土交通省の見解や、過去に取材した「洗面所での洗髪」「駐車場でのBBQ」といった具体的なトラブル事例を交え、利用者が知っておくべき正しいルールを解説します。
「道の駅」車中泊はOK? NG? 国交省の回答と「洗髪・BBQ」迷惑行為の実態
2026年2月の3連休を迎え、冬のドライブ旅に出かける人も多いのではないでしょうか。
近年、キャンピングカーの普及や車中泊グッズの充実により、宿泊施設を予約せずに愛車で寝泊まりする旅のスタイルが定着しています。
しかし、誰でも無料で利用できる「道の駅」での車中泊利用を巡っては、マナー違反やトラブルも散見されます。利用前に改めて知っておきたいのが、施設本来の目的と正しい利用ルールです。
◆車中泊人気の高まりと現状
時間を気にせず自由な旅ができる手段として、車中泊の需要は拡大を続けています。
一般社団法人日本RV協会のデータによれば、国内のキャンピングカー累積保有台数は増加の一途をたどっており、2024年時点ですでに16万5000台に達しました。
特に、ホンダ「N-VAN」やダイハツ「アトレー」といった軽自動車をベースにしたモデルは、比較的安価で取り回しもしやすいため、エントリー層の支持を集めています。
また、専用のマットやポータブル電源などのグッズも充実し、本格的なキャンピングカーでなくとも、ミニバンやSUVで快適に過ごせるようになったことも背景にあるでしょう。
こうしたユーザーにとって、駐車場とトイレが原則24時間利用できる「道の駅」は非常に利便性の高い施設です。
全国に1200カ所以上点在することから、旅の拠点として利用したくなる心理も理解できます。
しかし、あくまで「休憩施設」である道の駅と、「宿泊」を目的とした利用の間には、認識のズレが生じやすいのです。

◆「休憩」と「宿泊」の境界線
では、道の駅での車中泊は公的に認められているのでしょうか。
この疑問に対し、国土交通省はウェブサイト等のQ&Aで明確な見解を示しています。
同省によると、道の駅は「ドライバーなど皆さんが交通事故防止のため24時間利用できる休憩施設」であるため、「運転の途中で疲労回復のために車内で仮眠をとるなどしていただくことはかまいません」としています。
その一方で、「駐車場など公共空間における宿泊利用は基本的にご遠慮いただいています」と明記されています。
つまり、安全運転のために仮眠をとることは推奨されますが、旅行の宿代わりとして「宿泊」を目的に利用することは、施設の趣旨から外れるということです。
ただし、一部の道の駅では別途、宿泊利用のための駐車スペースを設けている場合もあります。
◆施設側が困惑する迷惑行為
「仮眠」と「宿泊」の線引きは利用者のモラルに委ねられている部分も大きいですが、現場では看過できないトラブルも発生しています。
特に問題視されているのが、「キャンプ」と「車中泊」を混同した行為です。
過去の取材では、「道の駅の駐車場でバーベキューをしている人がいた」「車中泊をしている人が騒いでいて迷惑」といった苦言が寄せられていることが明らかになりました。
実際に、駐車場でテーブルや椅子を広げて調理を始めたり、焚き火を行ったり、発電機を使用して騒音や排気ガスを撒き散らすといった事例も報告されています。
施設管理者への取材で特に深刻だったのが、公衆トイレや駐車場の私物化です。
ある道の駅の従業員は過去の取材に対し、「洗面台で歯磨きどころか髪まで洗って床を水浸しにする人がいる」と困惑した様子で語っていました。
さらに、「2ヶ月近く同じクルマが出入りを繰り返して長期滞在し、実質的な拠点化が進んでしまっている事例もある」といいます。
こうした長期占有に加え、家庭ゴミの持ち込みや放置も後を絶たず、運営を圧迫する要因となっています。
高速道路のSA・PAを管理するNEXCOの担当者も以前、「仮眠と車中泊の違いを明確に定義してはいないものの、宿泊目的の駐車は遠慮いただいている」と回答しており、公共の休憩施設における長時間の占有は避けるべきとの姿勢です。
◆安心して泊まれる場所は?
道の駅は公共施設である以上、管理者や他の利用者への配慮が不可欠です。
一部の道の駅では、北海道の事例のように利用者のナンバーを申告制にすることで車中泊を容認している場所もありますが、これはトラブル対処のための例外的な措置といえます。
もし、トラブルの心配なく堂々と車中泊を楽しみたいのであれば、車中泊専用の有料施設「RVパーク」などを利用するのが確実です。
電源設備やゴミ処理に対応している場所も多く、快適に過ごすことができます。
また、新たな試みとして、コンビニエンスストアのローソンが一部店舗の駐車場を車中泊スポットとして提供する実証実験を千葉県で開始するなど、環境整備も進んでいます。
自由な旅を維持するためには、「無料だから何でも許される」という考えを改め、ルールとマナーを守った利用が求められています。
Writer: 本山 かおる
クルマとバイクをこよなく愛し、道路や交通情報にも興味津々。
車中泊をしながら各地を巡るドライブ旅が生きがいです。
地図にない発見を求めて、今日もどこかの道を走っています。




















