警察の“呼び出し”を「50回シカト」 男を書類送検 「自転車講習を軽く見てました」 全国初の自転車講習“受講無視”で書類送検 何があった?

一定期間内に自転車で危険行為を繰り返した人に受講が義務づけられている「自転車運転者講習」ですが、講習の受講命令に従わなかったとして会社員の男が書類送検されました。なお、講習を受けなかったことによる摘発は全国初の事例です。

悪質・危険な運転者が受講しなければならない「自転車運転者講習」とは?

 近年、自転車による交通違反の検挙数の増加や運転マナーの悪さなどが指摘されるようになってきました。

 また2026年4月1日からは、16歳以上の人が運転する自転車の交通違反について、クルマやバイクなどと同様に交通反則通告制度(いわゆる青切符の制度)での取り締まりの対象となることが大きな反響を呼んでいます。

 そのような中、大阪府警は2026年2月12日、自転車で悪質な運転行為を繰り返した人に受講が義務づけられる「自転車運転者講習」を期限内に受けなかったとして、大阪市に住む40歳の会社員の男を道路交通法違反の疑いで書類送検しました。

 男は2025年7月下旬から10月下旬までの間、自転車運転者講習を受けるよう大阪府公安委員会から再三命じられていたものの、その命令に従わなかった疑いが持たれています。

 大阪府警は男に対して50回以上、電話や自宅・職場訪問などをして受講するようにうながしていましたが、男は応じませんでした。男は警察の調べに対し、「自転車の講習と軽く考え、仕事が忙しいなどとウソをついて行かなかった」と容疑を認めています。

 今回のような自転車運転者講習の受講命令違反による摘発は全国初の事例であり、大阪府警は書類送検の際、起訴を求める「厳重処分」の意見を付したということです。

「自転車運転者講習」はシカトしちゃだめ!(画像はイメージ、photoAC)
「自転車運転者講習」はシカトしちゃだめ!(画像はイメージ、photoAC)

 このニュースに対してインターネット上では「たかが自転車の違反と軽く考えている人はかなり多い」「自転車に乗っている人のほとんどが、逆走や一時停止違反などの道交法違反は自転車には関係無いと思っているだろう」「罰則をもっと重くしろ」といった厳しい声が上がっています。

 さらに「受講しなければ書類送検されるんだぞ!っていう実績ができたことを素直に評価したい」「受講命令を5〜6回無視したら、受講する意思がないとみなして警察が動くべき」「こういう催促手続きのコストも何かしらの形で払わせていいと思う」など、受講命令の手続きに関するさまざまな意見も寄せられています。

 そもそも自転車運転者講習とは、自転車で一定の危険行為を3年以内に2回以上反復しておこなった人に対して、都道府県公安委員会が受講命令を出すものです。

 具体的には、自転車で信号無視や酒気帯び運転などの危険行為(16類型)をおこなって交通違反の取り締まりを受けた、または交通事故を起こして送致された人が対象となります。

 自転車の危険行為(16類型)は以下のとおりです。

・信号無視
・通行禁止違反
・歩行者用道路徐行違反
・通行区分違反
・路側帯進行方法違反
・遮断踏切立入り
・優先道路通行車妨害等
・交差点優先車妨害
・環状交差点通行車妨害等
・指定場所一時不停止等
・歩道通行時の通行方法違反
・制動装置(ブレーキ)不良自転車運転
・酒気帯び運転等
・安全運転義務違反
・携帯電話使用等
・妨害運転

 たとえば信号無視の交通違反で取り締まりを受け、その後3年以内に一時不停止が原因となる交通事故を起こして送致された場合は上記の要件に当てはまるため、自転車運転者講習を受講しなければなりません。

 そして公安委員会からの受講命令を受けた後は、3か月以内の指定された期間内に3時間の講習を受ける必要があります。

 警察庁によると、講習では小テストによる交通ルールの理解度チェックや犯しやすい違反行為の事例紹介のほか、視聴覚教材による危険性の疑似体験などがおこなわれるということです。

 また、この受講命令に従わなかった場合は、5万円以下の罰金が科されます。

※ ※ ※

 今年4月から自転車の青切符制度が始まり、仮に検挙された場合は期限内に反則金を納付することで交通違反の処理が終了します。

 ただし、自転車の青切符で3年以内に2回以上検挙された場合も自転車運転者講習の対象となることから、その点には留意しておきましょう。

 青切符による摘発は、違反によって実際に交通の危険を生じさせたケースや警察官の指導警告に従わず違反したケースなど悪質・危険なものに限られますが、安全のため、あらためて自転車の交通ルールを確認しておくことが大切です。

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Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

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