「リッター40キロ」走る!? ダイハツの「軽セダン」がスゴい! 精悍「スポーティ」スタイルと「超・低燃費」を両立!? 極細タイヤもカッコいいコンセプトモデル「ディーベース」どんなクルマ?
かつて軽自動車市場では、熾烈な燃費競争が繰り広げられていました。その最中にダイハツが提案した、リッター40kmの超・低燃費を見据えたコンセプトカーとは、どのようなモデルだったのでしょうか。
ガソリン車の限界に挑んだ「第3のエコカー」の集大成
自動車メーカーは、モーターショーなどの晴れ舞台で、さまざまな未来の方向性を示すコンセプトカーを発表してきました。
なかには市販化を前提とした現実的なモデルもあれば、技術の限界に挑む実験的なモデルも存在します。
過去を振り返ると、2010年代前半の軽自動車市場は、まさに燃費競争の戦場でした。
ガソリン車で「リッター30km」の壁を越え、次は”リッター40km”の大台に乗るかどうかが、メーカーの技術力を示す最大の関心事となっていました。
そんな時代の熱気を背景に、2015年10月の「東京モーターショー2015」でダイハツが世界初公開したのが、コンセプトカー「D-base(ディーベース)」です。
ダイハツはこのクルマで、燃費・実用性・デザインを高い次元で両立させた”ニューベーシックスモールカー”の姿を提案しました。

そのスタイリングは、エコカーにありがちな退屈さを払拭する”スタイリッシュなエコ&スマートデザイン”をテーマに掲げました。
ボディカラーには深みのある「マーメイドパールブルー」を採用。ボディサイドを駆け上がるシャープなキャラクターラインなど、先進性を感じさせるデザインが特徴的です。
ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1490mmと、軽自動車規格に適合するサイズです。全高を1500mm以下に抑えている点にも、徹底した空気抵抗低減への意識が見て取れます。
インテリアは、淡いグレーと鮮やかなブルーのコンビネーションが、スマートかつ爽やかな雰囲気を生み出しています。先進的な配色で、次世代のエコカーらしいクリーンな空間が表現されました。
ディーベースの真骨頂は、そのパワートレインに対する思想にあります。
搭載されたのは、660ccの直列3気筒DOHCエンジンとCVTの組み合わせです。
ハイブリッドのような高価なシステムに頼らず、誰でも手が届く価格で高燃費を実現する、という意味での「第3のエコカー」の集大成を目指したのです。
これを支える足回りには、ブリヂストン製の「オロジック(ologic)」技術を用いたタイヤが採用されました。
大径・狭幅という特殊な形状は、転がり抵抗の低減と空気抵抗の減少を両立させるための必然的な選択でした。
また、ダイハツ独自の環境技術「イース(e:S)テクノロジー」をさらに進化させて搭載するなど、持ちうる全ての技術が投入されました。
ディーベースは、デビュー当時から次期「ミライース」の示唆モデルと目されていたため、市場ではガソリン1リットルあたり40km(JC08モード)の大台に乗るかどうかが注目され、業界内外の期待が集まっていました。
その市販化は、ディーベースの登場から約1年半後となる2017年5月に発売された、2代目ミライース(LA350S型)として現実のものとなりました。
市販モデルでは、コストや使い勝手を考慮してオロジックタイヤなどは採用が見送られましたが、ディーベースで培われた軽量化技術や空力思想は色濃く受け継がれました。
特に、最大80kgもの軽量化を実現した軽量高剛性ボディ「Dモノコック」などの設計は、ディーベースの遺伝子そのものです。
発売から時間が経過した現在でも、その先進的なスタイリングは再評価されており、特に市販されたモデルよりもシャープで未来的なエクステリアデザインに対し、「このままのデザインで出してほしかった」といった好意的な声がSNSなどで取り上げられるたびに見られます。
また、当時のダイハツが追求した細幅大径タイヤの採用など、技術的な挑戦を懐かしむ声も少なくありません。
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リッター40kmという極限の数値を目指したディーベースの挑戦の一部は、現実的な落とし所へと着地しました。
そしてそこで磨かれた内燃機関の効率化と軽量化技術は、電動化が進む現代においても、ダイハツのクルマ作りを支える重要な土台となっているのです。
Writer: 佐藤 亨
自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。





































