「抜き忘れ」が命取りに? ETCの“カード挿しっぱなし”が招く「全額自己負担」の恐怖と、迫り来る「2030年問題」とは

クルマを降りる際、つい面倒でETCカードを車載器に入れたままにしていませんか。実は、習慣になっているその行為が、盗難時の補償打ち切りや、将来的な車載器の利用停止といった大きなトラブルに直結する可能性があるのです。今回は、改めて見直したいETCカードの正しい管理方法と、迫る「2030年問題」の正体について、詳しく紐解いていきます。

ETCカードの正しい管理方法と「2030年問題」の対策とは?

 高速道路をスマートに通過できるETCは、現代のドライブに欠かせないインフラです。

 国土交通省のデータによれば、2024年11月時点で利用率は95.1%に達し、ほとんどのドライバーがその恩恵に預かっています。

 しかし、その利便性の裏で、多くの人が無意識に行っている「ある習慣」が、実は深刻なリスクをはらんでいることは意外と知られていません。

 それが「ETCカードの挿しっぱなし」です。

ETCカードの挿しっぱなしや「2030年問題」に注意!(画像はイメージ、omakase/PIXTA)
ETCカードの挿しっぱなしや「2030年問題」に注意!(画像はイメージ、omakase/PIXTA)

●盗難被害が「自己責任」に? 規約に記された重い過失

 ETCカードを挿しっぱなしにする最大の懸念は、何と言っても防犯面のリスクです。ETC車載器は、多くの場合ダッシュボードの上や運転席の足元など、車外から比較的確認しやすい場所に設置されています。

 犯行を企てる者にとって、カードが挿入されたままのクルマは「どうぞ使ってください」と言わんばかりの格好の標的となります。

 万が一、車上荒らしに遭いETCカードを盗まれ、不正利用されてしまった場合、私たちは「カード会社が補償してくれる」と考えがちです。しかし、ここには落とし穴があります。多くのカード会社の規約には、カードの保管状況に関する厳格な規定が存在します。

 例えば、あるカード会社の規約では「会員がETCカードを車内に放置していたことにより紛失または盗難にあった場合、重大な過失があったものとみなす」と明記されています。

 つまり、挿しっぱなしの状態で盗まれた場合、盗難補償が適用されず、不正利用された金額をすべて自分で支払わなければならない可能性があるのです。

 便利なはずのカードが、一瞬にして多額の負債を生む凶器に変わりかねないという事実は、常に肝に銘じておくべきでしょう。

●物理的な不具合も無視できない! 通信エラーが招く事故の危険性

 また、防犯面だけでなく、安全走行の観点からも挿しっぱなしは避けるべきです。

 ETCカードの心臓部であるICチップは非常にデリケートな精密機器であり、常に車載器に挿入されたままの状態では、端子部分に微細な汚れが蓄積したり、静電気や振動による接触不良を起こしたりする原因となります。

 特に冬場の乾燥した時期、衣服の摩擦などで生じた静電気がICチップに影響を与えることも考えられます。

こうした不具合は、一見カードに異常がないように見えても、料金所通過時の通信エラーとして突如現れます。もし時速20km以下まで減速していても、通信失敗により開閉バーが開かなければ、急ブレーキによる後続車との追突事故を引き起こしかねません。

 クルマを離れるたびにカードを抜き、挿入時にチップの状態を確認する習慣は、単なるマナーではなく、自分と周囲の安全を守るための「点検作業」と言っても過言ではないのです。

●あなたの愛車は大丈夫? 刻一刻と迫る「ETC 2030年問題」

 日々の取り扱いに加えて、いま全てのドライバーが確認しておくべき重要なトピックがあります。それが、首都高速道路をはじめとする各社が警告を発している「2030年問題」です。

 これは、決済データの安全性を高めるための「セキュリティ規格の変更」に伴い、古い規格のETC車載器が使用できなくなるというものです。

 ネットワーク技術の進化に伴い、情報の改ざんや不正アクセスを防ぐための技術基準が一新されるため、旧セキュリティ規格に対応した古い車載器は、遅くとも2030年頃までにその役目を終えることになります。

 まだ先の話だと思われがちですが、中古車を購入した場合や、10年以上同じクルマに乗り続けている場合は、既に寿命がカウントダウンに入っているかもしれません。

 自分の車載器が今後も使えるかどうかを見分けるポイントは、本体やセットアップ証明書に記載された19桁の「車載器管理番号」です。

 この番号の左端が「1」から始まっていれば新規格に対応していますが、「0」から始まっている場合は旧規格の可能性があります。今のうちに確認しておくことで、いざという時に慌てないで済むでしょう。

●習慣化こそが最大の防御! スマートなドライバーへの第一歩

 ここまで見てきたように、ETCカードの適切な管理は、個人の財産と道路の安全を守るための必須条件です。では、どうすれば無理なく「抜き忘れ」を防げるのでしょうか。

 SNSやドライバーの間では、さまざまな工夫が共有されています。例えば、「運転免許証とETCカードを同じポーチに入れ、クルマを降りる際に必ずセットで持ち出す」という方法は、免許の不携帯防止にもなり非常に有効です。

 また、「車内の目立つ場所にリマインドのメモを貼る」といった原始的な手法も、習慣化するまでの助けになります。

 最近の車載器であれば、エンジンを切った際に「カードが残っています」と音声案内をしてくれる機能を備えているものも多いため、そうした通知機能をフルに活用するのも手でしょう。

※ ※ ※

 ETCは、正しく使ってこそ初めて「便利で安全なツール」となります。カードの有効期限チェックと合わせ、クルマを降りる際は必ずカードを抜く。そして、自分の車載器が2030年以降も使えるかどうかを把握しておく。

 こうした小さな心掛けの積み重ねが、予期せぬトラブルを回避し、安心なカーライフを支える土台となるのです。

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Writer: くるまのニュース編集部

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