トヨタ「“斬新”4ドアクーペ」がスゴい! “超”低重心ボディ&「ツルツル顔」採用! まるでスポーツカーのような“シルエット”もイイ「NS4」コンセプトとは

トヨタが2012年に発表したコンセプトカー「NS4」。次世代PHVとして提案されたこのクルマは、当時のプリウスとは一線を画す低いスタイリングと先進技術で注目を集めました。後の「ミライ」にも通じるデザインを持つ、この幻のモデルは、いったいどのようなモデルだったのでしょうか。

トヨタデザインの転換点となった「エモーショナル」なPHV

 自動車メーカーが将来のビジョンを示す場であるモーターショー。そこでは、市販化を前提としない実験的なモデルでありながら、後のクルマづくりに多大な影響を与える“重要な1台”が登場することがあります。

 過去を振り返ると、2012年1月、米国で開催された「デトロイトモーターショー」でトヨタが世界初公開した「NS4」も、まさにそんなモデルでした。

 このクルマのコンセプトは、“Advanced(先進性)とEmotional(感動)の両立”です。

 当時、エコカーが普及した2015年頃の社会を見据え、単に環境性能が高いだけでなく、顧客が心の底から所有したいと思える“心に響くスタイリング”と”人とクルマがつながる先進技術”を兼ね備えた、次世代PHEV(プラグインハイブリッド)として提案されました。

先進の技術をエモーショナルなデザインに込めた4ドアクーペ「NS4」
先進の技術をエモーショナルなデザインに込めた4ドアクーペ「NS4」

 従来のハイブリッド車にありがちだった“環境性能最優先の無機質なデザイン”から脱却し、低く構えた艶やかなスタイリングを打ち出した点は、トヨタデザインの大きな転換点を示すものでした。

 エクステリアは、トヨタ製ハイブリッド車の象徴である”トライアングルシルエット”をベースにしながら、より低く、ワイドなスタンスを強調しています。

 フロントには、台形の下部グリルを強調した独自のデザイン言語「アンダープライオリティ」を採用。鋭いヘッドランプと組み合わせることで、精悍な表情を作り出しています。

 この大胆なフロントマスクのデザイン処理は、後に登場する燃料電池車「ミライ(初代)」のデザインの原点になったとも言われています。

 さらに特徴的なのが、ドアの開閉機構です。前後ドアが鳥の翼のように斜め上方へ持ち上がる「パワード・スワンウィング・ドア」を採用しています。

 一般的な横開きの観音開きとは異なり、大きく跳ね上がるような動きを見せるこのドアは、ピラーレスの大開口部を実現し、デザイン性と乗降性を高次元で融合させていました。

 インテリアは、「ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)」をデザインの中心に据えています。

 インパネ中央には大型のマルチタッチスクリーンが配置され、エアコン、オーディオ、ナビゲーションなどを直感的に操作できるデザインを採用。物理ボタンを極力減らし、シンプルかつ未来的な空間を演出することで、先進性をアピールしていました。

 ボディサイズは、全長4650mm×全幅1770mm×全高1370mm、ホイールベースは2700mm。特筆すべきはその低さです。当時の3代目「プリウス」の全高が1490mmであったのに対し、NS4はそれよりも120mmも低い1370mmに設定されています。

 エコカーとしては異例のこの低重心ボディは、NS4が単なるエコカーではなく、走りの楽しさを予感させるエモーショナルな性格であることを物語っています。

 パワートレインには、2リッターエンジンを組み合わせた「次世代ハイブリッドシステム(プラグインハイブリッド)」を搭載。

 システム出力などの詳細は未公表ですが、高効率なパワーマネジメントにより、加速性能と燃費性能を高い次元で両立することを目指していました。

 先進技術の面でも、NS4は多くの提案を行っていました。

 車載カメラで対向車などを検知してヘッドランプの配光を制御する「アダプティブドライビングビーム(ADB)」や、歩行者との衝突時にボンネットを持ち上げて衝撃を緩和する”ポップアップフード”を採用。

 さらに、赤外線を遮断する”高機能ガラス”など、快適性と安全性を高める技術がふんだんに盛り込まれていました。

 また、ルーフには「シースルーソーラーパネル」が搭載されており、発電した電力で駐車中の車内換気を行うなど、エネルギー効率を高める工夫も施されていました。

 安全面では、ミリ波レーダーとステレオカメラを組み合わせた「衝突回避支援プリクラッシュセーフティ(PCS)」を搭載。現代の「トヨタセーフティセンス」の先駆けとなる技術が採用されていました。

 当時の反響は大きく、それまでのトヨタ車にはないエモーショナルなデザインは、多くのメディアや来場者から肯定的な評価を受けました。

 現在、SNSなどで話題になることは稀ですが、当時提案された大型タッチパネルや安全技術が、その後の市販車で当たり前の装備となったことから、トヨタの技術ロードマップを正確に予見していたモデルとして再評価されることがあります。

 NS4という名称での市販化はされませんでしたが、そのDNAは多くの市販車に受け継がれています。

 低重心でワイドなフロントマスクや流麗なシルエットは、前述の「ミライ(初代)」や「カムリ」、そして「プリウス(4代目)」のデザインに色濃く反映されました。

 また、先代プリウスPHVに見られた、標準車とのデザインの差別化という戦略の先駆けともいえる存在でした。

 NS4は、単なるコンセプトカーにとどまらず、2015年以降のトヨタ車の“デザインと技術の方向性”を決定づけた、歴史的にも意義深い1台だったといえるでしょう。

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Writer: 佐藤 亨

自動車・交通分野を専門とするフリーライター。自動車系Webメディア編集部での長年の経験と豊富な知識を生かし、幅広いテーマをわかりやすく記事化する。趣味は全国各地のグルメ巡りと、猫を愛でること。

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