白服に長い髪の運転手、行先は… お化けが送迎する「タクシー」が実在
お化けが送ってくれる「霊感タクシー」を期間限定で実施。大阪で登場した残暑を乗り切る冷っとした「タクシーサービス」とはどのようなものなのでしょうか。
車内には生首のお化けや骸骨等の装飾
タクシーを停めたら、白い服を着たまるで「貞子」のような運転手が…。
実際にこのお化けが運転するタクシーが実在します。暑い残暑を乗り切るため、お客さんにちょっと「冷っとしてもらおう」と、大阪にある大手タクシー会社の株式会社未来都(以下:未来都)が始めたその名も「霊感タクシー」です。
8月31日までの期間限定で運行するという「霊感タクシー」は、未来都タクシー642台のうち1台をお化け屋敷仕様にし、乗務員はお化けに扮装、車内には生首のお化けや骸骨などの装飾、怖いBGMを流して雰囲気を演出しています。
通常のタクシーと比べて少々怖い上、後部座席には竹製の冷感シートを装着しているので体感温度が低く、希望者には冷感ボディシートを配布するなど、冷っと移動できる仕様です。
通常のタクシーと見分けをつけるため、車体に『霊感』マークのマグネットを貼付しています。今回の「霊感タクシー」を実施した背景を未来都の笹井氏に話を伺いました。
――「霊感タクシー」を実施された理由や背景などをお教えください
タクシーは、公共交通機関の中でも24時間運行でき、唯一「ドアtoドア」で移動できる交通機関でありながら、年々利用者が減少傾向にあります。多様化するお客さまのニーズをキャッチし、新しいタクシーのご利用方法のご提案やユニークなサービスを打ち出しました。タクシーの魅力を発信する取り組みを昨年の夏よりスタートし、今回の「霊感タクシー」は第四弾目となります。
例年、大阪の夏は非常に暑く、熱中症の患者数も全国的に上位にあたることや2017年夏に実施した「冷感タクシー」が大変好評を得ましたので、今年も「冷」をテーマにした大阪らしいネタ的要素を取り入れた結果、「霊感タクシー」を実施することにしました。
――今回が第四弾とのことですが、これまでのサービスの反響は
第一弾「めっちゃ冷感タクシー」は、夏場のタクシー移動による快適さを感じていただくため、車内に冷感グッズを取付けた企画を実施。第二弾「空港定額タクシー」は、日頃よりタクシーをご利用いただいているお客様から「料金があらかじめ分からないので不安」などの声を多くいただいていたことから実施しています。
第三弾の「めっちゃあったかタクシー」は、寒さもひとしお身にしみる冬に、タクシーでの移動の暖かさをより感じていただくため、あったかグッズを装備した車両を12月に期間限定で実施。このときは、うどん屋「つるとんたん」で使えるワンドリンク無料券やカイロをお客様に配布しました。
どの企画も「こんなタクシーがあるとは知らずビックリした」「メーター運賃に比べてお得に移動できる」「通常のタクシーよりも豪華で嬉しい」という喜びの声を多数いただいております。
――今後もこのようなサービス展開はありますか?
すでに、第五弾企画の準備を進めています。こちらは期間限定ではなく恒久的なサービスとして、お客様に寄り添ったご近所さんのようにタクシーを利用いただけるサービスとなる予定です。
その他にも、タクシーの新たな形やサービスを展開していき、一人でも多くのお客様にご満足いただけるよう努めてまいります。
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年々、利用者が減少傾向にあるタクシー業界は、サービス競争が激化しています。そのなかで、一風変わったサービスを展開することにより、多様化するニーズを上手く捉えた利用者にとっても嬉しい内容になっています。
今回の「霊感タクシー」は期間限定(2018年8月16日[木]から2018年8月31日[金])で実施され、料金は通常の料金形態と変わりはないそうです。ちなみに予約は受け付けておらず、流しのみの対応とのこと。偶然見かけたら「冷っとする」チャンスかもしれません。
【了】