車中泊ブームに火をつけた「道の駅」が次々と宿泊禁止に キャンプ場と勘違いする利用者増加?
「車中泊歓迎!」の道の駅もある
車中泊を禁止する道の駅が増える中、車中泊歓迎という道の駅もあります。熊本県にある「道の駅阿蘇」では、24時間利用できるトイレはもちろん、無料電源や無料Wi-Fiも完備されています。筆者(加藤久美子)もこれまで10回以上訪れており(車中泊ではありませんが)、夏休み期間などはとくにキャンピングカーからミニバンまで多くの車中泊車で賑わっています。
また、兵庫県にある「道の駅あゆの里矢田川」も車中泊歓迎の道の駅として有名です。2018年1月に駅長に就任したばかりの阿瀬さんにお話を伺うことができました。ちなみに「日本一ダメな道の駅」としてTVで紹介されたこともあるそうです。
――道の駅あゆの里矢田川はどんなところですか?
当道の駅は1999年にオープンしました。兵庫県の北西部、日本海まで約30分の位置にある自然豊かな高原地に位置しています。夏は涼しく、冬は周辺のスキー場でスキーやスノーボードを楽しむことができます。清流矢田川を眺めながら、地元で採れた新鮮な鮎や川ガニを使った料理が人気です。
――なぜ、車中泊を歓迎されるのでしょうか?
18時から翌朝8時ごろまでは、利用者が少なくご自由にご利用頂いて構いません。山の中の小さな駅、周りに何もない駅だからこそ車中泊を楽しんで欲しいと思っています。車中泊歓迎とすることで、もっと賑わう道の駅にしたいという熱い想いもあります。また当駅はリピーターさんが多いですね。自由に車中泊ができるので居心地が良いのでしょう。何回も来てくださる方がいらっしゃいます。
「RVパーク」なら遠慮なく車中泊OK
車中泊ファンの中には「RVパーク」を利用したことがあるという人もいらっしゃるかもしれません。RVパークとは、キャンピングカー・ビルダーやディーラーで構成される一般社団法人日本RV協会が『快適に安心して車中泊が出来る場所』を提供するために推進しているシステムです。全国の道の駅をはじめ、日帰り温泉施設、オートキャンプ場や湯YOUパークとの連携で、日本各地に続々とオープンが進んでおり、現在104箇所のRVパークが稼動しています。キャンピングカー用に整備されたエリアですが、もちろん乗用車でも利用可能です。
利用料は無料の所から1台2000円前後の所まで様々にあり、電源使用やごみ処理が有料で可能なところもあります。ただし、キャンプ場ではなく、あくまで駐車場なので、車外にテーブルを出したり、焚火をしたり等はNGです。
●RVパークの特徴
・RVパーク専用の駐車スペースがあり、広め
・1週間くらいの滞在も可能で、入退場制限が緩やか。予約なしでもOK
・24時間利用が可能なトイレがある。
・ごみ処理や100V電源が使用可能(いずれも有料の場合あり)
・ほぼすべてのRVパークの近くに入浴施設がある。
車中泊ファンにとって心強いRVパークは今後、全国に1000か所が設置されるとのことです。
【了】
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。