新車当時260万円で5速MTあり! ホンダ「斬新”カクカク”SUV」に大注目! めちゃ「ユニークすぎデザイン」でガバっと開く「観音ドア」採用! 前衛的すぎた「エレメント」は今欲しい1台
ホンダはかつて、変わり種のSUV「エレメント」を販売していました。どのようなクルマだったのか、振り返ります。
「コンセプトカーそのまま」で途上した奇抜なSUV
アウトドアレジャーの浸透や利便性の高さから、現在SUVの根強い人気が続いています。しかし2000年代初頭は、SUVといえばまだ本格四輪駆動車がほとんどで、現在のような都会的なスタイルを持つモデルは多くありませんでした。
各社が新しいジャンルのSUVに意欲的になるなか、ホンダが2003年に発売したSUVもまた非常に斬新なものとなっていました。
それが「エレメント」です。今見ても新鮮に映る1台を振り返ります。
エレメントは2003年4月に発売された5ドアSUVです。
その源流は、2001年に北米のデトロイトショーで公開されたコンセプトモデル「Model X(モデルエックス)」で、サーフィンやスノーボード、アウトドア活動を趣味とする「ジェネレーションY」と呼ばれた20代前半の世代に向けて企画されたクルマです。
当初はコンセプトモデルらしく、現実味に欠けるモデルと考えられていましたが、Bピラーレスの観音開きドアや「ライフガードステーション」をイメージした斬新かつタフなデザインが特徴的でした。
その後、北米で実施された市場調査で予想以上の反響があったため市販化が決定し、2002年1月には市販モデルのエレメントが発表された経緯を持ちます。

エレメントの企画・開発はもちろん、生産もオハイオ州のホンダ・オブ・アメリカが担当しており、日本仕様も輸入車として扱われていました。
開発のキーワードは「エンドレスサマー」とされ、アメリカの若い世代のアクティブなライフスタイルをリサーチし、自由な発想で製作されたモデルです。
外観デザインは、ほぼモデルエックスの姿をそのまま継承したもので、モチーフも「ライフガードステーション」としています。
スクエアな形状と大面積の無塗装樹脂クラッディングパネルを多用したタフなスタイリングが目を引きますが、コンセプトカーで最大の特徴だったBピラーレスの観音開き構造もそのまま採用されました。
ボディカラーには「サンセットオレンジ・パール」や「ガラパゴスグリーン・メタリック」など全5色が用意され、明るくアクティブなエレメントの特性やターゲット層に合ったものでした。
ボディサイズは全長4300mm×全幅1815mm×全高1790mm、ホイールベースは2575mmでした。
インテリアはシンプルなインパネとともに、汚れや水に強い樹脂製の「ワイパブルフロア」やボディカラーに合わせて3パターンのコーディネートを用意する防水シート表皮を採用しています。
この点もモデルエックスから受け継がれた特徴であり、アウトドア活動に適した仕様となっていました。
このほか、腕時計をイメージしたメーターや、大型エアアウトレットなど、個性的な意匠を多数採用でしています。
リアゲートは2段分割の「クラムシェル・テールゲート」を備えており、下部はフロアと一体になることで荷物の出し入れが容易に行えるよう工夫されていました。
パワートレインについては、最高出力160ps・最大トルク218Nmを発揮する2.4リッター4気筒エンジンと4速ATの組み合わせで、駆動方式は通常時はFFを基本とするデュアルポンプシステムの「リアルタイム4WD」でした。
ちなみに北米市場では5速MTも選択可能でした。
2003年発売時の価格は259万円(消費税別)と、中型SUVとしては比較的手頃なモデルでしたが、日本市場では人気が伸びず、2005年6月にマイナーチェンジを実施してテコ入れを図るものの、3年に満たない短い期間で2005年12月に販売終了となりました。
一方、北米では当初の狙い通り、一定の支持を獲得。2011年まで販売が継続されるというロングセラーモデルとなりました。
さて、そんなエレメントですが、登場から20年以上が経過した現在はSUVが一般に浸透。ただし、人気のSUVはいずれも走破性や実用性よりも、街なかで映えるスタイリッシュなデザインがトレンドとなっており、遊び心をむき出しにしたエレメントのようなモデルはありません。
そうしたモデルがあふれるなか、無塗装樹脂を多用し、スクエアでアウトドアにマッチするデザインはいま見ると非常に新鮮に映ります。もしかすると、この奇抜なモデルはいま販売していれば、ありふれたSUVに飽きた層から、密かに人気が集まりそうです。
Writer: 伊勢崎剛志
自動車販売から自動車雑誌編集部を経て、ライターとして独立。趣味も多彩だが、タイヤが付いているものはキホン何でも好きで、乗りもので出かけることも大好物。道路や旅にも精通し、執筆活動はそういった分野をメインに活動。
































































