日産「“新型”エルグランド」がまもなく発売! 16年ぶり全面刷新で「リッター20キロ超え」の低燃費も実現? 絶対王者「アルファード」打倒を目指す超・画期的パワトレに期待
日産は今夏発売予定の新型「エルグランド」に、ライバルのトヨタ「アルファード」を凌駕する画期的な新型パワートレインを搭載します。どのようなユニットなのでしょうか。
「新型エルグランド」は「アルファードHEV」の燃費を大幅に凌駕する!?
日産が次世代ハイブリッドとして投入する予定の「第3世代e-POWER」の実力が、はやくも欧州で証明されました。
高速巡航では実燃費「26.5km/L」という驚異の結果をたたき出したというのです。
この最新ユニットは、日本で2026年夏に発売される新型「エルグランド」へ搭載されます。
ライバルのトヨタ「アルファード/ヴェルファイア」を凌駕するための重要な武器のひとつとなりそうです。

日産独自のハイブリッドシステムであるe-POWER(イーパワー)ですが、現在の主要モデルである「ノート/ノートオーラ」、「セレナ」や「エクストレイル」などに搭載されているのが、第2世代のシステムとなります。
この夏に登場予定の新型エルグランドには、続く第3世代のe-POWERへと進化することが発表されています。
日産はこの第3世代e-POWERについて、「初代e-POWER比で燃費を20%向上させ、高速走行時の燃費については、第2世代e-POWER比で15%の改善を達成する」としており、その性能には期待が集まっていました。
ひと足先に第3世代e-POWERが搭載された欧州向けSUV「キャシュカイ」で早くもその実力の裏づけが示されました。
欧州で絶大な影響力を持つドイツの自動車連盟「ADAC」の燃費テストで、新型キャシュカイ e-POWERが5.4L/100km(18.5km/L)を記録したのです。
このADACによるエコテストは、単なる型式認証ではなく、実車重量や実使用燃料、エアコン・ライトONなど実走行に近い条件を再現したうえで、シャーシダイナモ上で計測するという実走行により近い検査方法を採り、非常に厳しい条件下でおこなわれるものです。
このエコテストでここまでの数字を残したのは、特筆すべき成果といえます。
さらに日産は、イングランド南西端のランズ・エンドからスコットランド最北東端ジョン・オ・グローツまで、837マイル(1347km)を無給油で走破し、なお約160km分の燃料が残ったという実走行結果も公表しています。
実燃費で75MPG(3.76L/100km、約26.5km/L)となる驚異の燃費性能です。
キャシュカイは18年前に、同区間を初代のディーゼル車で走破していますが、その時の実燃費は4.2L/100km(約23.8km/L)。高速巡航を得意とするディーゼル車をe-POWER車が上回ったことは、第3世代e-POWERの進化を象徴する結果といえます。
ここまでの進化を可能にしたのは、発電専用として開発された新ターボエンジン「ZR15DDTe」と、モーター、インバーター、減速機、発電機、増速機を一体化した「5-in-1電動パワートレイン」の採用による相乗効果によるものです。
ZR15DDTeユニットは、燃焼効率を高める新たな燃焼方式のコンセプト「STARC」を採用し、熱効率42%という世界トップクラスの数値を実現。さらに大型ターボを組み合わせることで高効率な領域で運転できる時間が増え、高速走行時のエンジン回転数も従来より約200rpm低減されています。
5-in-1も、主要コンポーネントを小型かつ一体化することで、軽量化、生産効率の上昇、コストダウンという三重のメリットをもたらしています。
ちなみに、この第3世代e-POWERを搭載したキャシュカイは、2025年8月に欧州市場に投入されるや否や、高い評価を得ており、イギリスの自動車メディア、News UKが主催する「ザ・モーター・アワード2025」では、2年連続で「ハイブリッド・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。日本国内においても発電エンジンの燃焼技術が日本燃焼学会の「技術賞」を受賞するなど評価を得ています。
そして、これらの成果が最初に日本で体感できるのが新型エルグランドです。
e-POWER用バッテリーを搭載する新型エルグランドは車重が2100~2200kg級に達すると見込まれますが、この想定車重をもとに、新型キャシュカイe-POWERの車重(1602kg)とカタログ燃費(64.2MPG、約27.2km/L)を使って換算すると、新型エルグランドの燃費はおおむね19.8~20.7km/L前後の燃費が期待できます。
これは、ライバルであるトヨタ「アルファード」ハイブリッドの18.9km/L(Xグレード)を超える燃費です。
欧州でキャシュカイがみせてくれた第3世代e-POWERの実力は、新型エルグランドの仕上がりに対する期待感を大いに高めてくれるものでした。
第3世代e-POWERは、これまでのe-POWERのイメージを大きく塗り替え、日産にとっても、ミニバン界にとっても、ゲームチェンジャーとなるのではないでしょうか。
※ ※ ※
第3世代e-POWERは新型エルグランドに採用されたあと、今後ノートやセレナなど、日本の主力e-POWER車にも順次採用が進んでいくことでしょう。
電動化が世界的に進むなか、日産が導き出した答えが「発電専用エンジンを磨き切る」というアプローチだったというのは非常に興味深い対比でもあります。
その進化を日本で最初に体感できる新型エルグランドは、日本のミニバン市場に新たな基準を提示する一台になるかもしれません。2026年夏の登場が非常に楽しみです。
Writer: 吉川 賢一
日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さを伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナなど




































































































