6年ぶり復活! スバル“新”「“4ドア”スポーツカー」初公開! 6速MT×水平対向エンジン搭載! 走行性能高めた「WRX STI Sport#」とは

スバルは2026年1月9日、東京オートサロン2026の会場にて「WRX STI Sport#」を初公開しました。2019年に「WRX STI」が販売終了して以来、約6年ぶりの復活となる“WRX”のMTモデルです。

MTもあるスバル新「“4ドア”スポーツカー」!

 スバルのAWDモデルに、MT(マニュアル・トランスミッション)が久々に復活。
先日開催された東京オートサロン2026におけるスバルブースのトピックといえば、なんといっても市販予定のSTIコンプリートカー「WRX STI Sport#」のサプライズ展示でしょう。

 同車はスバルの現行ラインナップにおいてもっともハイパフォーマンスなモデル「WRX」をベースとしたコンプリートカーであり、市販予定モデル。スバルは「2026年春頃に台数限定で販売予定」と説明します。

 通常のWRXに対する違いをみていくと、STI製フレキシブルドロータワーバー(フロント)やSTI製フレキシブルドロースティフナー(フロント/リア)などを装着してボディのコンディションを整えたうえで、STIによるチューニングを施したZF製電子制御ダンパーとハイパフォーマンスタイヤ(ブリヂストン ポテンザ S007)を組み合わせてコーナリング性能をアップ。

 ブレーキもゴールド塗装のbrembo製18インチフロント対向6ポット&リア対向2ポットブレーキキャリパーにドリルドディスクローターをセットしてパフォーマンスを高めています。

 最大のトピックは、なんといってもトランスミッションがMTであること。これまで、現行世代WRXの国内仕様のトランスミッションはCVTしか選べず、海外向けには展開していたMTの追加が待たれる状況でした。満を持しての、待望のMTといっていいでしょう。

 そして興味深いのはパーキングブレーキ。CVTモデルは電動パーキングレバーですが、MTモデルはサイドレバー式となっているのです。つまりサイドターンやドリフトのきっかけなどクルマの挙動を瞬時に変えるツールとしても利用できるというわけですね。

 ただ、おさえておきたいのは、車名から「S4」という文字が取れたこのMTモデルが従来の「WRX STI」に相当するモデルかといえばそうではないこと。先代のWRX STIは300PSを超えるエンジンに強化されたマニュアルギヤボックスとDCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)採用のAWDを組み合わせていたのが特徴でした。

 モータースポーツを前提にした、より戦闘力の高いマシンだったのです。WRX STI Sport#はそこまでハードではないので、勘違いせず理解しておくべきでしょう。

 比べると今回のWRX STI Sport♯は現行WRXのなかではもっともポテンシャルが高いものの、従来のWRX STIに比べると身近なモデルといえます。

 そんな理由もあって、なかには「これは我々が求めていたWRXの高性能版ではない!」という人もいるかもしれません。

 しかし、いま市場へ送り出せる素材を活用してMTモデルを用意してくれたことを喜ぶべきではないかというのが筆者の考え。「登場する見込みが薄い過激なモデルを待つよりも、現実的なモデルを歓迎しよう」というわけです。

MT採用!
MT採用!

 筆者は何度か現行WRXのMTモデルをドライブしていますが、「肩ひじ張らずMTを楽しめるこのくらいのモデルがちょうどいい」と感じている側。右手(筆者が乗ったのは左ハンドル仕様なので正確には左手)と左足を駆使してエンジン回転を自分の管理下に置きながら、クルマと一体感を高めてワインディングロードを駆けぬけるのもオツなものですよ。

 そして筆者としては今回のコンプリートカーのように「全部乗せ」の高価な仕様だけでなく、もっとシンプルで価格を抑えた素の仕様があったらさらに喜ばしいと考えています。それを450万円程で発売したら、歓迎する人も多いのではないでしょうか。

 ところで、すでに海外には用意されていたMTが日本にはなかなか導入されず、このタイミングで用意された背景はどこにあるのか。

 スバル広報部は「かつてはなかったMT用のアイサイトが用意できたこと」や「国内にも一定のMTニーズがあることが確認できた」と説明します。加えて、ひと昔前まではギリギリだったスバルの企業平均燃費基準(CAFE)が、「フォレスター」のフルハイブリッドモデルが多く販売されたことで燃費数値が良くないクルマを少量なら販売できる余裕ができたという事情も“無くはない”ようです。

 日本の企業平均燃費基準は、現時点では守れなかったからと言って罰則があるわけではありません。しかし、かといって満たさなくてもいいわけではありません(大人の事情です)。それが影響を与えていた面もあるのでしょう。

 今回はSTIコンプリートカーとしての販売ですが、スバルは「MTはこれで終わり」とは一言も言っていません。では「次がある」と明言しているかといえばそれも言っていません……が、次は違う形でもっと価格を抑えたWRXのMTモデルが登場することを筆者は願ってやみません。

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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