どうなる「クルマの税金」!? 「環境性能割」と「ガソリン暫定税率」は廃止! 気になる自動車税と重量税のゆくえ…注目すべき今後の動きは?
2026年、日本の「クルマの税金」が大きな転換期を迎えそうです。長年議論されてきた「環境性能割」や「ガソリン暫定税率」の廃止が決定する一方、今後はEV(電気自動車)を対象とした重量ベースの新課税や、走行距離課税の導入も懸念されています。私たちのカーライフに直結する、最新の動向を解説します。
廃止、減税、増税?…クルマの税金、これまでの動きと注目の今後
2026年は、クルマの税金に関する大きな動きが出てきそうです。
日本の税制の方向性を定める与党税制調査会が2025年12月19日、「令和8年度税制改正大綱(以下、税制大綱)」を公表しており、その中で決定事項と検討事項が記されました。
決定したのは、「環境性能割」の廃止。令和7年度末(2026年3月末)に廃止されます。
環境性能割とは、ユーザーが自動車を取得する際にかかるもの。平成24年に成立した「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」で、それまでの自動車取得税の廃止に合わせて導入された税金です。
法の立て付けとしては、環境性能に応じて税率を決めるとしています。

しかし、ユーザー、また自動車産業界から見れば環境性能割は実質的に「取得税」と言えます。
実際、自動車メーカーなどでつくる業界団体の日本自動車工業会(以下、自工会)では「環境性能割は消費税との二重課税」との解釈があり早期の廃止を求めてきたところです。
また、総務省の資料によれば、令和7年度の環境性能割の税収は、都道府県税が約890億円、市町村税が約999億円で総額1889億。
当然、地方自治体からは反発の声が出ますが、これに対して税制大綱では「安定財源を確保するための具体的な方策を検討し、それまでの間、国の責任で手当する」と表現されています。
なにがどう「手当」されるのか、具体的な内容は明らかになっていない状況です。
こうした税収減への対応はユーザーに直接関係ない話かもしれませんが、地域の行政サービスへの影響が出ないことを国と地方自治体に求めたいところです。
また、ユーザー目線では、環境性能割の恩恵を最も受けるのはガソリン車です。
令和5年度新車における適用状況を見ると、約65万台のうち79%が適用税率3%、14%が適用税率2%、残り7%が適用税率1%となっているからです。対する、ハイブリッド車(約155万台)のうち79%がすでに非課税になっています。
次に、「ガソリン暫定税率」の廃止です。
野党6党が提出した「ガソリン暫定税率廃止法案」が2025年11月28日、参議院本会議で可決成立。
これにより、ガソリンは同年12月31日、また軽油については2026年4月1日に暫定税率(正式には旧暫定税率、または当分の間/とうぶんのかん税率)が廃止されることが決まりました。
これに対応して、国が石油元売りに対する補助金を段階的に引き上げたことで、2025年中にガソリンと軽油の小売価格が全国的に下がっていることを、ユーザーは実感しているでしょう。
ただし、暫定税率廃止による減収分は約1兆5000億円あり、これについても環境性能割と同じく国は地方自治体に対応するとしていますが、代替財源については概ね1年を目処に検討という状況です。
そして、ユーザーが最も気になるのが、自動車の保有に対してかかる自動車税(軽自動車税)と自動車重量税の動向でしょう。
自工会はこれまで、自動車税(軽自動車税)と自動車重量税を融合した「新税」の導入を要望してきました。車両重量をベースとして、そこに環境性能を含めた形を目指すという案です。
当初、自工会としては令和8年度(2026年4月)からの新税実施を目指していましたが、自動車税(軽自動車税)が地方税、また自動車重量税が国税であること、また重量が重いEVへの対応で諸案あるなど、今後さらなる議論が必要な情勢です。
そのため、税制大綱では「令和10年度以後に新車新規登録を受けた(プラグインハイブリッド車を含む)電気自動車の乗用車に対しては、車両重量に応じた課税方式を導入する」と言うにとどめました。
また、グリーン化特例は2年間継続し、エコカー減税は見直します。次のエコカー減税の期限到達に向けて令和12年度燃費基準におけるEVとプラグインハイブリッド車の基準の厳格化も進めるとしています。
つまり、新税導入などによってEVやプラグインハイブリッド車の税金が現在より上がる可能性があります。
こうした国の方針に対して自工会は「EVやプラグインハイブリッド車の普及を妨げ兼ねない」として、与党税制調査会や関係省庁とさらに議論を深める構えです。
そのほか、英国が2028年4月から導入を決めたEVに対する走行距離課税の日本への影響が懸念されます。
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いずれにしても、新税については今年末にまとまる予定の「令和9年度税制改正大綱」の中で具体案が明記されることになるでしょう。
それまでの間、クルマの税金については関係者間で様々な観点で議論がなされ、その一部が切り取られニュースとして報じられるかもしれません。ユーザーとしては、その動向を見守りたいところです。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。


























