• 2021.07.13

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世界を代表するエコカー「プリウス」のハイブリッド技術を惜しみなく投入してデビューした5ナンバーコンパクトモデル「トヨタ アクア」。現行モデルの販売開始からおよそ10年が経過するアクアは、2021年7月に初のフルモデルチェンジが実施される予定です。今回はフルモデルチェンジを目前に控えた現行アクアについて、基本情報から新車・中古車情報まで詳しくご紹介します。

アクアの基本情報

　トヨタ アクアはエントリーグレードでリーズナブルな価格設定にプリウス譲りの低燃費が好評となり、2011年の販売開始以来好セールスを記録し続けているロングセラーモデルです。

　販売開始から数回の改良と2度のマイナーチェンジを経た、新車販売台数ランキングで常に上位にランクインするアクアとは、一体どのようなクルマなのでしょうか？

アクアの最新モデル情報

　アクアは、全グレードにプリウス譲りのハイブリッドシステムを搭載したハイブリッド専用のコンパクトカーです。現在のWLTCモードでは最高29.8km/Lを記録しており、低燃費性能を発揮するハイブリッドコンパクトカーとして、販売台数ランキング上位に入るほどの人気車種となっています。

　アクアのデザインは、フェンダートップを盛り上げた力強く表情の豊かさを演出しています。また、サイドへ張り出した造形のリヤバンパーには、縦型リフレックスリフレクターを配置してワイド感を表現。リヤのコンビネーションランプは、発行面が見えるような配置をするといった工夫もされています。

　そんなアクアが10年ものロングセラーモデルとなった理由は、優れた燃費性能に加えて日本の道路事情に最適化されたそのサイズ感にあるでしょう。5ナンバーサイズのハッチバックボディの取り回しは狭い街中でも良好です。ラゲッジルームのしっかりとスペースが確保されているので、使い勝手にも優れています。コンパクト仕上がりながらも高剛性ボディのおかげで、トヨタらしい高品質な走りを体感できる点も大きな魅力といえます。

アクアのグレード／装備／価格帯

　アクアの現行モデルは全6グレード（特別仕様車を除く）、オプション・装備を最低限にしたエントリーモデルから、スポーティな「GRスポーツ」仕様車まで多彩なラインナップです。

L：1,818,300円（税込）～

　エントリーモデルの「L」は装備・機能を最低限にすることで本体価格を抑えたグレードです。パワーウィンドウなどの快適装備は省略され、メーカーオプションやパッケージオプションの選択もできません。しかし、本体価格は180万円弱になることから少しでも安くアクアを購入したい方や、商用車として利用したい方には最適です。車重が軽いため全グレードで最も燃費が良く、WLTCモードで29.8km/Lとなっています。

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S：1,921,700円（税込）～

　標準的な装備・オプションが充実した「S」は標準グレードに位置づけられます。メーカーオプションやパッケージオプションを選択して、装備や機能を追加することも可能です。支払い総額も200万円代前半になる手頃さもあり、「S」が実質的なエントリーモデルと言っても良いでしょう。インテリア配色についても「ブルーブラック」と「レッド」から選択可能で、シートもファブリック素材へと変更されるなど質感が向上しています。燃費はWLTCモードで27.2km/Lとなります。

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G：2,126,300円（税込）～

「G」は「Toyota Safety Sense（トヨタ・セーフティ・センス）」や「インテリジェントクリアランスソナー」が標準搭載される安全性を向上させる機能が充実したグレードです。「スマートエントリーパッケージ」が標準搭載されるほか、「G」にのみ設定されたメーカーオプションやパッケージオプションもあります。Bi-Beam LEDを装備した「LEDヘッドランプパッケージ」や車両周囲をモニターしやすくなる「パノラミックビュー対応ナビレディパッケージ」などが用意されています。

クロスオーバー グラム：2,198,900円（税込）～

「クロスオーバー グラム」はアクアをクロスオーバーSUVとしたアレンジしたグレードです。最低地上高は140mmから170mmへとリフトアップされ、専用バンパーや前後フェンダーアーチモールによりSUVらしさルックスへとシフトしています。インテリアには専用シート表皮やブラックやブラウンの専用色がされ、外装カラーにもオリーブマイカメタリックが専用色として設定されています。現在（2021年7月）「クロスオーバー グラム」は販売店在庫のみのとなっているようなので、購入を検討されている方はお急ぎください。

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G GRスポーツ：2,440,900円（税込）～

「G GRスポーツ」は「Toyota Gazoo Racing（トヨタ・ガズー・レーシング）」の街乗りも気軽に楽しめるスポーツモデル「GRスポーツ」に位置づけられたグレードです。「G GRスポーツ」のために用意された専用バンパーなどによって、走りを追求したモータースポーツ直系のデザインとなっています。インテリアにも専用のスポーツタイプシートやピアノブラック塗装＆メッキ加飾が施され、高級感ある室内空間に仕上がっています。

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G GRスポーツ・17インチパッケージ：2,610,300円（税込）～

「G GRスポーツ・17インチパッケージ」は専用の17インチアルミホイール、リアスポイラー、小径本革巻きステアリング、TFTタコメーターなどを装備したアクアGRスポーツの上位モデルです。

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新型アクア(2021年)の最新情報

　発売から10年が経過するアクアですが、いよいよフルモデルチェンジの噂が出始めました。新型のグレード構成と価格などは、トヨタディーラーで開始された予約受注で明らかにもなっています。衝突被害軽減ブレーキやスマートエントリーなどを簡略化し、法人やレンタカー向けに施した「B」、ベーシックな「X」、中級の「G」、最上級の「Z」というグレード展開。駆動方式には、2WD（FF）と4WD（E-four）が設定されるようです。

　基本的な安全装備は、ベースグレードの「X」にも標準装備。加えて、「G」では遮音材のフードサイレンサーが追加されるなど、実用装備の拡充がされるようです。さらに、「G」と「Z」には、合成皮革のシート生地や電動調節機能もメーカーオプションとして設定され、上質な仕上がりになるかもしれません。

　新型アクアのボディスタイルは、従来型と類似していると予測されています。ボンネットは前方に傾斜させて、フロントウィンドウにかかる直線的なラインも従来と同じデザインになっているようです。

　そのほかにも荷室の使い勝手が向上や、リヤゲートの開口部分が拡大など、ラゲッジスペース利用が考慮されている。「トヨタ ヤリス」のハイブリッドシステムとプラットフォームが共通化される。など、さまざまな情報が出てきています。まだ未確認なこともありますが、新型アクアの情報は随時くるまのニュースでも配信されるのでお楽しみください。

アクアの中古車市場

　新車販売で好セールスを続けるアクアは、中古車市場でも流通が活発となっています。そのため、アクアの中古車を選ぶ際には膨大な数の個体から好みのモデルを探し当てる必要があります。

　ここからは、マイナーチェンジでアクアを前期、中期、後期に区切り、それぞれのモデルの平均購入額と特徴をご紹介します。

アクア モデル情報

前期モデル（2011年11月～2014年12月）

平均購入額：60万円～80万円（支払総額：70万円～90万円）

　2011年販売開始の前期モデルは3つの基本グレードの他に、7つのオプションパッケージが設定されていたため、中古車選びの際にはオプションパッケージ装着車をひとつの軸にすると良いでしょう。

　また、2013年11月に実施された一部改良モデルについては、エンジンの改良によって燃費性能がJC08モードで35.4km/Lから37.0km/Lへと向上しています。

中期モデル（2014年12月～2017年6月）

平均購入額：100万円～120万円（支払総額：110万円～130万円）

　2014年のマイナーチェンジでは内装と外装のデザインが刷新されました。外装は新デザインのフロントバンパーとヘッドライトの採用によってフェイスリフトが実施されました。さらに、ボディ剛性の向上によって走行安定性が向上しています。

　また、クロスオーバースタイル「Xアーバン」が新たに追加されたのはこのモデルからです。2015年11月の一部改良では上位グレード「G」に「トヨタセーフティセンスC」が標準搭載になり、他のグレードはオプションで用意されています。

後期モデル（2017年6月～）

平均購入額：140万円～160万円（支払総額：150万円～170万円）

　2017年6月のマイナーチェンジの実施でエクステリアデザインが大幅に刷新されました。フロント周辺はヘッドライト・エンジンフード・フェンダー・バンパーの変更によってフェイスリフトが実施され、リア周辺はリアコンビネーションランプのデザイン変更やリフレクターの追加が行われました。

　インテリアについても「TFTマルチインフォメーションディスプレイ」が「L」以外の全グレードに標準搭載され、一部グレードにはホワイトソフトレザーなどの豪華装備が設定されました。

　グレードラインナップでは、クロスオーバースタイル「Xアーバン」が「クロスオーバー」へとリニューアルされ、同年9月には「GRスポーツ」が登場しています。

中古車購入時のチェックポイント

　中古車を選ぶ際には細かな傷に目が行きがちですが、まずは全体的に必要な機能やオプションを備えているかをチェックします。条件に合ったアクアが見つかれば、次は外装と内装を細かくチェックしていきます。

外装のチェックポイント

　アクアは、年式・グレードによって設定されるボディカラーやホイールサイズなどが異なります。特に外装でチェックしておきたいポイントがヘッドライトです。明るさに関わるLED仕様かどうか、ライト表面に経年劣化が無いかといった点が重要なチェックポイントになります。

　また、可能であれば車体下部もチェックしましょう。豪雪地帯や沿岸部で使用されていた車両はサビが発生しやすい傾向にあり、車体下部をチェックすることでサビの有無を見分けることが可能です。

内装のチェックポイント

　アクアの内装はグレード、オプションパッケージによって様々な仕様が混在しているため、必要とする装備・機能の有無については細かくチェックする必要があります。スマートキー、バックモニターといった装備はオプション扱いの場合もあるほか、エントリーモデル「L」にはパワーウィンドウが装備されていない場合もある点には注意が必要です。

アクアの中古車購入時の注意点

　アクアは全グレードにハイブリッドシステム採用されており、中古車購入時はハイブリッドシステムのバッテリー消耗具合が最大の注意点です。一般的に、ハイブリッドシステムのバッテリーは15万km～20万kmほどで寿命がくるとされています。バッテリーの交換にかかる費用は20万円～30万円ほど必要になる場合が多く、走行距離が多いアクアはこの費用もあらかじめ計算しておかなければなりません。

　また、中古車選びの基本となる車検の残りやディーラー保証なども注意点ですが、最も確認すべき点は修復歴や整備の有無です。修復歴がある車は一見して綺麗だったとしても、後々歪みが大きくなり異音や雨漏りなどのトラブルにつながることがあります。特に雨漏りは電装系の部品の故障につながる恐れがあるため、電装部品が多いハイブリッドカーのアクアにとっては致命的といえます。アクアの中古車については修復歴や雨漏りの疑いがある在庫は避け、なるべく5万km程度の低走行車を選ぶようにしましょう。

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アクアの買取・査定市場

　アクアの買取・査定は「年式」「走行距離」「グレード」によって結果が上下しますが、アクアは高値水準で買取査定が期待できるクルマと言えます。

アクアの査定・下取り相場は？

　トヨタ系列のディーラーでの下取り査定と、中古車買取店での買取査定では相場表が異なるため査定額が異なります。2017年式・走行距離30,000km、グレード「S」の条件で下取り査定と買取査定に出した場合の平均査定額は以下のとおりです。

・平均下取査定額：87.8万円
・平均買取査定額：93.6万円

　上記の例では、下取りと買取の査定額に5.8万円の差があります。下取りは新車ディーラーで再び新車を購入する際の売却方法のひとつで、車両を売却する際の手間を省略できるメリットがあります。

　また、下取りに出すこと条件にして新型アクアを購入する交渉を有利に進めることもできるでしょう。少しでも査定額を高くしたいといった場合は、手間はかかりますが中古車買取店に買取を依頼した方が高額査定に結びつきます。

アクアの売却先は？

　アクアのような人気車種は中古車相場で価格変動が少なく値落ちしにくい傾向にあります。登録から3年以内、走行距離30,000km前後のアクアであれば、下取りでも買取でも好条件の査定額が期待できます。また、中古車相場価格は国内市場の動きだけではなく、国外市場によっても変動します。アクアの高額の買取査定を狙う際には、国内のみならず海外のマーケットにも精通した買取店に査定を依頼することもひとつの方法です。

アクアの高額査定が期待できるグレードは？

　現行アクアのグレードで高額査定が見込めるグレードは、「G」と「G GRスポーツ」です。2017年式、走行距離30,000kmの平均買取相場額は、「G」が約100万円、「G GRスポーツ」が約140万円ほどです。「L」や「S」よりも内装の質感が高い「G」は高値水準で取引され、「G GRスポーツ」は専用装備の豪華さと流通台数の少なさから買取査定が高額になる傾向にあります。

さらに、「G ソフトレザーセレクション」や「G GRスポーツ・17インチパッケージ”」など、オプションパッケージに付加価値があるグレードについては、さらなる高額査定を期待することができるでしょう。

アクア購入(新車・中古車)のまとめ

　アクアは新車市場と中古市場の両方で高い人気を誇る一台です。ここからはこの記事のまとめとして、アクアの新車購入と中古車購入におけるメリット・デメリットをご紹介します。

アクアの新車購入メリット・デメリット

　アクア新車購入のメリットはハイブリッドシステム搭載のコンパクトカーに「安心して」乗ることができる点です。ハイブリッドカーは先述のとおりバッテリーの消耗具合がひとつの懸念材料です。

　新車購入ではこの点は気にすることなく使用することができます。また、高値水準の売却査定額を見込んで、バッテリーの消耗前に新しいクルマに乗り換えるなど、クルマとの付き合い方の選択肢が多いことも大きなメリットです。

　いくらアクアの性能が優れているとはいえ、販売開始からおよそ10年が経過しています。そのため、ハイブリッドコンパクトカーのライバル車「日産 ノート e-POWER」と比較すると力不足感は否めません。

　しかし、2021年7月中旬頃に販売が噂される新型アクアは、ヤリスと共通の最新ハイブリッドシステムを搭載するとも囁かれているので、ヤリスと同等もしくはそれ以上の燃費性能が向上することが期待できるかもしれません。

　ハイブリッドカーのアクアは競合する車種も多く、値引き交渉は難しくないとされています。競合する車種と相見積りで交渉をうまく進めることで、オプション・パッケージを除いた本体価格から10万円前後の値引きが狙える見込みです。

　また、フルモデルチェンジ前後は旧モデルの値段交渉がうまくいく状況とされています。特に新型にこだわりがないのであれば、旧型アクアの限界値引きをオプション値引き込みで25万円前後引き出すことも不可能ではないでしょう。

アクアの中古車購入メリット・デメリット

　アクアを中古車で購入する最大のメリットは、割安な価格でアクアに乗ることができる点です。中古車市場での流通台数も多いため、好みのオプションパッケージを装備したアクアを見つけやすいことも大きなメリットです。

　一方でデメリットは、ハイブリッドシステムの消耗具合によっては望むような燃費性能が発揮できない可能性もあることです。アクアを中古車で購入する場合には、多少割高な本体価格でも年式が新しく、走行距離が少ない車両を探すことをおすすめします。

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