三菱PHEV登場10周年!限定100組の「PHEVオーナーズミーティング」レポート【PR】
三菱自動車の岡崎製作所にて「PHEVオーナーズミーティング」が開催されました。これはPHEV発売10周年を記念して、三菱自動車が主催した初めてのイベントです。PHEVの「聖地巡礼」、どのようなイベントだったのでしょうか。
三菱PHEV登場から10周年!
エンジンとバッテリーの長所を兼ね備えたクルマはハイブリッド車(HV)、電気の力だけで走るクルマは電気自動車(EV)です。HVにプラグ(P)を装備して、外部から電源供給をできるようにし、EVとしての運用も可能にしたのが「PHEV」で、これは「Plug-in Hybrid Electric Vehicle」の略です。
PHEVは、ガソリンだけで走るガソリン車、ガソリンと電気を使いこなすHV車、電気だけで走るEV車のいいとこ取りをした、ある意味最強のクルマと言えるかもしれません。
そのPHEVを、三菱自動車は「アウトランダーPHEV」と「エクリプスクロスPHEV」の2車種で展開しています。
アウトランダーは、2005年に発売された三菱自動車のミドルクラスSUVです。「取り回ししやすいSUV」として開発され、代を重ねてきました。
初代はガソリン車のみで、2012年にフルモデルチェンジした2代目よりPHEVがラインナップに加わります。2012年12月、ガソリンエンジンモデルの発表、発売から2か月のちに「アウトランダーPHEV」が発表され、2013年1月から販売開始されました。そして2021年に発表された3代目アウトランダーは、日本仕様ではガソリンエンジンモデルをなくしPHEVモデルのみとなっています。
エクリプスクロスは、アウトランダーよりもコンパクトなSUVとして開発され、2017年に発表、2018年に発売されています。2020年に大幅改良が行われ、この時にPHEVモデルが追加されました。
2022年度上半期には、両車両を合わせて国内PHEV販売シェアの約65%を占め、ナンバー1を獲得しています(一般社団法人 日本自動車販売協会連合会調べ)。発売から10年かけてPHEVを国内に浸透させてきた三菱自動車の、地道な活動が実っているといえるでしょう。
三菱自動車が行う初のPHEVオーナーズミーティング
そんなPHEV10周年を記念したのが、2023年2月25日に三菱自動車が主催した「PHEVオーナーズミーティング」です。会場が三菱自動車の本丸ともいえる岡崎製作所で、PHEVの生まれ故郷ということもあり、限定100組の募集に対して500組を超える応募があったそうです。
当日は、89組198名が参加しました。来場者用駐車場にはアウトランダーPHEV、エクリプスクロスPHEVがずらりと並びます。そのほかのクルマも見られましたが、いずれにせよPHEVに興味を持っている人たちが集結したわけです。
駐車枠に200Vの充電機が用意されているのは、さすが三菱自動車と思えます。そうしたなか、充電しているクルマも、そうでないクルマも見られました。充電していないPHEVは、満充電で会場に来た、あるいは走行充電を考えあえて200Vで充電しないなど、考え方はそれぞれでしょう。
これがBEVなら充電必須でしょうから、PHEVならではの光景かもしれません。
イベント会場ではトークショーやアクセサリー装着車の展示がおこなわれ、アウトランダーPHEVの「アジアクロスカントリーラリー」参戦車両も間近で眺められました。
なかでも注目を浴びていたのは、エクリプスクロスPHEVのラリー車です。
これを駆って、三菱自動車の有志が国内ラリーに参加しています。基本的にはノーマル状態を維持しつつ、安全装備のロールケージを装着し、レギュレーションで変更が許されているサスペンションやタイヤ、ホイールを変更しているだけといいます。
ラリーが行われる会場によってSS(スペシャルステージ)の距離が違うので一概にはいえないそうですが、EV走行をこまめに切り替え、電費(電力あたりの走行距離。ガソリン車でいう燃費のこと)とパワーをうまく引き出しながら戦っているそうです。
PHEVオーナーズミーティングはコンテンツ満載
今回の「PHEVオーナーズミーティング」は、三菱自動車工業 岡崎製作所で開催されたということで、スペシャルなイベントが盛りだくさんです。
具体的には「高速周回路やダートコースなどのテストコース同乗体験」「PHEVがどのように生産されているのかを見学する工場見学」「車両のエクステリアやインテリアがどのように開発されているのか見学できるデザイン開発設備見学」「三菱の歴代車両が並ぶオートギャラリー見学」の、4つのコースが用意されていました。
すべてを見て体験したいところですが、参加者はどれかひとつを事前に選んでの参加となります。いずれにせよ、どのコースも貴重な体験であることは変わりません。
テストコース同乗体験は、パイロンスラロームや高速屈曲路、そしてバンクが作られた高速周回路、ダートコースを、開発者が運転する車両に乗って体験するというものです。
パイロンスラロームや高速屈曲路では、コーナリングの良さや限界性能を体験できました。「そこまでロールしても平気なんだ!」「S-AWC機能ってこんなに効くんだ!」といった、日常では経験できない(テストコースだからこそ体験できる)クルマの挙動を、身をもって知ることができるというものです。
高速周回路では、クルマ好きなら1度は味わってみたいバンク走行が体験できました。そもそも直線路を、公道の速度制限を大きく越えた高速で走ることもですが、その速度のままバンクに進入し斜め下にGを感じるというのは、なかなかない体験です。ダート走行も「ここまで走れる!」という、非日常体験のひとつでしょう。
参加者にとってテストコース同乗体験は、アウトランダーPHEVの走行安定性やボディ剛性なども同時に知ることのできる貴重な体験だったはずです。
工場見学コースでは、1枚のロール鉄板が高圧プレス機で型抜かれるところから、それがボディをかたどっていき、そしてさまざまなパーツが装着され、1台の完成車になっていくまでの様子を、順を追って見ていきます。
アウトランダーPHEV、エクリプスクロス、エクリプスクロスPHEV、デリカD:5は「混流生産」といって、ひとつのラインに、国内国外をはじめさまざまな仕様へと作り上げられる車両が流れていきます。どこも滞ることなく車両が完成していく様は、感動を覚えるほどのものでした。
デザイン開発設備見学コースは、その名のとおり滅多に見られないデザインの開発現場を見学します。
初期スケッチと呼ばれるデザインを、デザイナーが何度も何度も描いては消し、描いては色を塗りデザインを決めていく様子を見ることができるというものです。
デザインが決まった段階で、まずはフルCGにて画面の中で立体化していきます。360度のCGモデルを作り上げ、さまざまな背景にそれを置いて、見え方や光の反射などを検討します。
続いて、モック(実物大模型)を作り実際のサイズ感や色の見え方などを検証していきます。やはりCGだけでは分からないこともあるとのことで、外観は実物そのものに作るそうです。
インテリアに関してはインテリアデザイナーが、いろいろな素材やカラーのサンプルを集め、車両のコンセプトや狙いに合わせたそれらを選定しまとめた「コンセプトBOX」というものを作ります。
最近ではVRを使い、3Dでエクステリアおよびインテリアの見え方などを検証しているとのことで、VRゴーグルを装着してそれを実際に眺める体験もできました。
エクステリアは3Dで見ることで、当然2DのCGとは違った検証が可能になります。インテリアは、たとえばシートに座った視点からの眺めも確認でき、これによりステアリングやメーター類、助手席や後席の見え方などの検証も行えるとのことです。
オートギャラリー見学コースでは、1989年に開設され、2017年にリニューアルオープンした「三菱オートギャラリー」にて、三菱自動車が保管、展示する歴代の車両を見学できました。
一般に無料で開放された施設(要予約)ながら、2023年現在はコロナの影響で休館しているため、今回のイベントで念願の見学がかなったという人もいるであろう実は貴重な機会です。なお、コロナが落ち着けば一般公開を再開する予定だそうです。
今回は三菱自動車の過去の車両や、これまでの「東京モーターショー」で展示されたコンセプトカー、モータースポーツを戦った車両なども見られました。三菱自動車がかつて販売していた二輪車、三輪車なども展示されています。
当選したPHEVオーナー参加者の感想は
盛りだくさんのコンテンツが用意された今回のPHEVオーナーズミーティング、参加者からは「聖地巡礼はいつかしてみたかったので今回来られて本当に良かった」「テストコースの同乗体験ができたのは非常に貴重な経験だったのですごく良かった」「有志の方が頑張っているラリーはもっと多くの人に知ってもらえたら良いのでは」などの声が聞かれました。
また会場に集った参加者の車両から、最も気に入ったものに参加者が投票し得票を競うコンテストも開催され、アウトドア色全開に振ったアウトランダーPHEVがトップに輝きました。都会派なイメージがあるアウトランダーPHEVですが、元々アウトドアが似合う三菱車なだけあり、ゴツい感じのアウトランダーPHEVもカッコいいですね。
ちなみに会場に設けられたフードコートのキッチンカーは、三菱自動車が用意したPHEVから電力供給を受け営業されていました。炊飯や保温などに機器を使ってもまったくの余裕だったそうで、普段ほかのイベントなどでは発電機やポータブルバッテリーでおこなっている電源確保も、PHEVの安定した電力で1日中、不安はなかったそうです。
今回のイベントは大盛況のなかで終了となりました。工場でのイベントにはさまざまな制限があり、開催にあたっては苦労も多かったと思いますが、これからもこのようなイベントを開催してほしいとの参加者の声も多く耳にしました。
三菱自動車ファンを増やすためにも、残念ながら今回は落選してしまったオーナーやファンのためにも、ぜひ続けてほしいものですね。