最後の日産「スカイラインGT-R」 5代目は排ガス規制に苦しめられ生産終了へ

最後の「スカイライン GT-R」となった5代目「GT-R(BNR34)」。名機RB26DETT型を搭載し、多くのファンをもつ近代スポーツカーの名車ですが、どのような誕生秘話があるのでしょうか。

最後は排出ガス規制で生産終了

 RB26DETTエンジンを搭載して、メカニズムも円熟の域に達した5代目「GT-R」。スカイラインとして最後の「GT-R」は2002年8月に排ガス規制に対応できず生産終了となります。ベース車となる10代目「スカイライン」は、前年に後継にモデルチェンジされ3年ほどの短命でしたが、それに続き5代目「GT-R」も3年半の販売期間です。

日産 スカイラインGT-R Vspec ll Nur(2002年)

 これで、スカイラインはS20型エンジンを搭載した“第1期”が排ガス規制で生産終了となったことに続いて、RB26DETT型エンジンを搭載した“第2期”もそのエンジンのおかげで生産終了となり、再びGT-Rは排ガス規制に苦しめられたことになります。

 しかし、2代目「GT-R(KPGC110)」が終了したときと異なるのは、後継GT-Rの開発が公式にアナウンスされていたことで、GT-Rが一時的に終了しても消滅の危機とはならなかったことです。

 5代目「GT-R」販売中の2000年に先行開発を発表。2001年の東京モーターショーには「GT-Rコンセプト」としてコンセプトデザインも発表されており、あとは登場時期を待つばかりとなっていました。

 また、レース活動は、1999年から4代目「GT-R」と同様に全日本GT選手権、スーパ耐久に参戦。1999年は、4代目と5代目が交じる状況でしたが2000年からは5代目「GT-R」に置き換えが完了しています。

 そして、2002年シーズンは途中からエンジンを変更。市販版のスカイラインGT-RはRB26DETT型で変更はありませんが、レースの場では日産の新世代のエンジン『V型6気筒のVQ30DETT型』に2002年の第5戦から投入しています。「スカイラインGT-R」での最後となる2003年までVQ30DETT型エンジンを搭載して戦っていました。

 こうして、初代「GT-R(PGC10/KPGC10)」から5代目「GT-R」へと続いた「スカイライン」という車名とは、別の道を歩むことになるのです。

【了】

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