最後の日産「スカイラインGT-R」 5代目は排ガス規制に苦しめられ生産終了へ
最後の「スカイライン GT-R」となった5代目「GT-R(BNR34)」。名機RB26DETT型を搭載し、多くのファンをもつ近代スポーツカーの名車ですが、どのような誕生秘話があるのでしょうか。
全長を短縮して運動性能アップ
5代目「GT-R(BNR34)」は、「スカイライン」の名前が付いた最後のモデルです。1998年5月に10代目「スカイライン」が登場、翌年の1999年1月に5代目「GT-R」が登場しました。
ベース車となる10代目「スカイライン」は、前作の9代目「スカイライン」の反省もあったためか、全長と前後車軸の距離であるホイールベースは短くなり、運動性能は上がりました。
5代目「GT-R」は、エンジンや4WDの駆動方式に変化はなかったものの、『空力特性』を特徴としたモデルです。リアスポイラーは、主翼と可変翼部から構成する角度調整機構付2段式を採用。4代目「GT-R(BCNR33)」と比べ、空気抵抗を上げずに、空気によって下に押し付ける力の調整範囲を広げています。
また、GT-Rのなかでも上級グレードの「Vスペック」では、車体下面の空気の流れを整えて下に押し付ける力を生み出す方式やフロントディフューザーとカーボン製リアディフューザーを採用。
特に、80km/h以上の高速走行時には、直進性やコーナリング性能、ブレーキをかけたときの制動安定性を向上させています。
空力特性を上げたと同時に、外見ではさらに力強さを強調しています。大型のリアスポイラーやリアディフューザーの形状は後続車を威圧するほどです。フロントから見ても、釣り上がったフロントライトから、張り出しの大きいタイヤ周りなどから、力強さを感じるものとなっています。
エンジンは、3代目「GT-R」から続くRB26DETT型を採用。直列6気筒2.6リッターエンジンに2基のターボチャージャーを搭載し、最高出力280PSと先代モデルと変わりはありませんが、最大トルクが向上して乗りやすくなっています。
また、マニュアルトランスミッションがそれまでの5速から6速へと段数が変更。それにより、ドライバーに丁度良いエンジン回転数を維持でき、適切なギアが選べるようになりました。そのほか、液晶画面による計器表示も5代目「GT-R」から始まりました。