日産の斬新「エルグランド“SUV”」が凄い! めちゃゴツ「二段ヘッドライト」&「一文字テール」採用! “40mm”リフトアップで実現した「“悪路最強”オフロード・ミニバン」グラシア! 学生のカスタムとは!
「東京オートサロン2024」では、日産京都自動車学校の学生が製作したカスタムカー「エルグランド グラシア」が話題となりました。一体どんなモデルだったのでしょうか。
日産「エルグランド“SUV”」がスゴかった!
毎年1月に千葉県千葉市の幕張メッセで開催される、世界最大級のカスタムカーの祭典「東京オートサロン」。
メーカーやカスタムショップによる新型モデルの発表の場であると同時に、全国の自動車専門学校の学生たちが技術の粋を集めて製作した、カスタムカーの晴れ舞台でもあります。

そんな東京オートサロンですが、2024年のイベントでは日産京都自動車学校のブースに一台のミニバンが展示され、その完成度の高さと独創的なコンセプトから多くの注目を浴びました。
その名は「エルグランド グラシア(ELGRAND GLASSIER)」。製作テーマに「自分たちの手で創り出す、未来の“新型エルグランド”」という野心的な意気込みを掲げて開発されたモデルです。
エルグランド グラシアのベース車両となったのは、日産のフラッグシップミニバンである現行型「エルグランド(E52型)」。
この大型ミニバンの車体に、ミドルサイズSUVである現行型「エクストレイル(T33型・前期)」のフロントフェイスと、クロスオーバーEV「アリア」のリアセクションを移植・融合させるという、極めて難易度の高いカスタマイズが施されています。
本来、プラットフォームもボディ形状も全く異なる3車種のパーツを組み合わせることは、単なる部品交換では不可能です。
学生たちは、ミニバン特有の厚みのあるフロントフェイスにエクストレイルの顔面を適合させるため、グリルやバンパーを縦方向に延長加工するなど、板金技術を駆使してラインを整えました。
その結果、ボンネットからバンパーに至るチリ合わせは驚くほど自然で、あたかもメーカー純正の派生モデルであるかのような整合性を見せています。
リアセクションにおいても、その技術力は遺憾なく発揮されています。
テールゲート周辺にはアリアの特徴的な一文字テールランプだけでなく、ルーフスポイラーに至るまでアリアの純正パーツを移植。丸みを帯びたアリアのデザイン言語を、箱型ボディのエルグランドに違和感なく定着させるため、リアフェンダーやゲート周りの造形には緻密な加工が施されました。
さらに「未来の新型エルグランド」を具現化するにあたって学生たちが選んだ方向性は、単なる高級ミニバンではなく、昨今のトレンドである「SUVテイスト」を強調してクロスオーバースタイルを演出することでした。
「家族6人が全員でアウトドアを楽しめる一台」を目指し、足回りは約4cmのリフトアップが図られ、ホイールアーチにはオフロードタイヤを収めることで、悪路走破性を予感させるタフなスタイリングを構築。
さらにルーフ上には大型のルーフテントを設営し、ミニバンの積載能力とキャンピングカーの居住性を兼ね備えた、全天候型のアクティブギアとしての性格を実現しました。
ボディカラーにも独自のストーリーが込められています。採用されたグレーベースの塗装色は、夜明け前の幻想的な空をイメージして学生たちが独自に調合したオリジナルカラー。
そこに、フロントリップスポイラーやインテリアの随所には「朝焼けの雲」をモチーフにした鮮やかなオレンジの差し色を配置し、全体的にクールな印象の中に温かみのあるアクセントを加えることで、夜明けから始まる冒険の高揚感を表現しています。
そして、この車両を語る上で欠かせない事実が、単なるショーカー(展示用車両)ではないという点です。
日産京都自動車学校は、製作したカスタムカーで実際に公道走行を行うことを前提としており、このエルグランド グラシアも構造変更申請を行い、正規のナンバープレートを取得しています。
フレームの加工や灯火類の法規対応など、車検通過のための厳格な基準をクリアしていることは、学生たちが身につけた整備・板金技術の高さと、自動車製造における法令順守の精神を証明する何よりの証左と言えるでしょう。
既存の枠組みにとらわれない発想と、それを現実の「走るクルマ」として成立させるエンジニアリング能力が結実した一台でした。
Writer: くるまのニュース編集部
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