約135万円! ホンダ新型「フィット」まもなく登場! 賛否ある「斬新顔」採用! 3年ぶり顔面刷新の中国「新モデル」が流出

ホンダのコンパクトカー「フィット」がいよいよ中国でマイナーチェンジを迎えるようです。いったいどのようなクルマなのでしょうか。

新顔の新型フィットまもなく登場?

 ホンダのコンパクトカー「フィット」がいよいよ中国でマイナーチェンジを迎えるようです。

 以前からフェイスデザインが大きく変わると言われてた中国フィットのマイナーチェンジですが、どのよう姿となるのでしょうか。

細すぎヘッドライトの新顔モデル!(画像:中華人民共和国工業情報化部(通称:工信部))
細すぎヘッドライトの新顔モデル!(画像:中華人民共和国工業情報化部(通称:工信部))

 ホンダ フィットは2001年に「ロゴ」の後継車種として登場しました。その小柄な車体と経済性でファミリー層だけでなく、若年層からも厚く支持されている車種となります。

 現在販売されているのは2020年2月に発売された4代目モデルとなり、日本ではL13B型1.3リッター直列4気筒エンジンとL15Z型1.5リッター直列4気筒エンジンの2種類から選べる純ガソリンモデルと、LEB型1.5リッター直列4気筒エンジンを搭載するハイブリッドモデルの計3種類で展開しています。

 一方、中国市場でもフィットは販売されていますが、日本とは仕様が少し異なります。ホンダは中国にて広州汽車との「広汽ホンダ」、そして東風汽車との「東風ホンダ」の2つの合弁会社を設けており、同じモデルを、デザインと車名を変えた姉妹車同士で製造・販売することが一般的です。

 フィットの場合は広汽ホンダが「フィット」を取り扱い、東風ホンダでは姉妹車の「ライフ」を販売しています。

 かつては中国でも人気でしたが、相次ぐEVの競合モデル投入によりフィットの競争力は次第に低下していきました。2025年半ばからは月間販売台数が100台を切るようになり、10月は3台、11月はついに0台を記録。

 そうしたなかで2025年4月にはフィットが中国でマイナーチェンジ予定であることが中国政府機関への届出情報から明らかとなりました。

中国では自動車メーカーが中国国内で製造する新型モデルを発売する前に、その情報を中華人民共和国工業情報化部(通称:工信部)に届け出る必要があります。

 届出によると、新しいフィットはL15C型1.5リッター直列4気筒エンジンをそのままに、外装を大胆に刷新しています。

 可愛らしさのあった楕円形ヘッドライトはシャープな直線を描くデイライトを基調とし、センターグリルを通して左右で一体となっています。

デイライトの下にはヘッドライトユニットのようなものも確認でき、昨今の流行りである別体型のフロントライトになるようです。

 また、フロント下部のグリルはより大きな台形へと変更されています。中国市場の流行を意識しているようですが、一方で新デザインは不評の嵐に見舞われ、発表前にも関わらずはやくも先行きが不安視されます。

 この届出がなされたということは、通常は正式発表が間近となりますが、それから7か月経った現在でもいまだに正式発表されていません。

一時は計画中止とも噂されていましたが、一方で9月には街中で実車が撮影される様子が目撃されました。

そんな中、12月中旬には広汽ホンダのディーラー向け資料が流出し、発売は2026年1月を予定していることがわかりました。

 流出した情報と写真からは、新しいフィットのボディカラーが「ホワイト」「イエロー」「ブルー」の3色のみという大胆な販売戦略が伺えます。

 今まで不明だった内装に関してはダッシュボードに10.1インチディスプレイを搭載、Apple CarPlayやHuawei HiCarといったスマートフォン連携機能を特徴としています。

ボディサイズは以前明らかとなった届出情報の通り、全長4169 mm×全幅1694 mm×全高1537 mmと、わずかに全長が長くなっています。ホイールベースに関しては2530 mmから変更はありません。

 また、従来のモデルは装備で異なる全5グレードで展開されていましたが、新しいフィットでは下位・上位グレードの差を撤廃、6万元前後(約135万円)の単一グレードで展開されるようです。

 ネット上では「3000台限定で販売」とも噂されていますが、もしそれが本当だとしても、今のフィットの競争力からして3000台も売れるかは未知数です。

 すでに流出しているデザインを見たユーザーからの評判は芳しくないほか、パワートレインも電動化せずに従来の1.5リッター純ガソリンのままです。

 価格は確かに安いですが、もっと優れたデザインで多くの先進機能を搭載する競合EVは多く、このまま刷新しても競争力の改善は難しいかもしれません。

ホンダはフィットに限らず、全体の販売台数が下落傾向にあり、厳しい戦いはもうしばらく続きそうです。

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Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト

下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。

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