「ハイエース」ベースのコンセプトカーが進化!? センシング&AI技術で「移ごこち」のいい“快適空間”に! パナソニックオートモーティブシステムズが東京オートサロン2026で披露へ
パナソニックオートモーティブシステムズが、2026年1月9日から11日に幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催される「東京オートサロン2026」の出展概要を発表しました。同社の考える“移ごこち”体験やAIについての考え方を、コンセプト車両やディスプレイで伝えます。
AIとUXが変える“次世代の車内空間”を体感できるブースに!
パナソニックオートモーティブシステムズは、2026年1月9日から11日に幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催される「東京オートサロン2026」に出展すると発表しました。
ブースのコンセプトは、「AIxUX=『移ごこちデザイン』が実感できる空間」。同社の考える移ごこち(心地よい移動)体験やAIについての考え方をコンセプト車両やディスプレイで伝えます。
パナソニックオートモーティブシステムズは、「コックピットHPC」(コックピット領域)と「モビリティUX」(移動体験)をコア事業としています。
モビリティUX事業では、AIや独自アルゴリズムの活用によって、“安心・快適”の提供を目指しています。
長年のAV機器開発やナビゲーション開発で培ったUX・UIの知見を活用した、独自の「ひと理解ロジック」をもとに、運転支援や快適な車内環境を実現。
カーメーカーだけでなくモビリティサービサーも含め、多様なソリューションを展開していくとしています。
●AIがサポートしてくれるクルマでどんな体験ができる?
東京オートサロン2026のブースでは大型のディスプレイが複数設置される予定で、そのうち3つで状態センシング、骨格検知、動作検知といったAIの技術説明を体感することができます。
パナソニックオートモーティブシステムズ GlobalモビリティUX事業部 キャビンUX事業開発室の伊藤正浩 室長はブースコンセプトについて、下記のように述べました。
「昨年は『パナソニックオートモーティブシステムズがクルマの体験を変えに来た』というコンセプトで“移動体験の新しさ”や当社のブランドについてお伝えしましたが、今年はAIとUXを掛け合わせ、私たちが考える『移ごこち』をより具体的に実感していただきたいと考えています」
ブース中央には、センシングとAIの技術を組み入れた、新たな移動体験を体感できる車両を3台展示します。
今回の出展の目玉となるのが、さらなる進化を遂げたコンセプトモデル「WELL Cabin Craie2(ウエル キャビン クレ2)」です。
2025年のオートサロンで発表されたマツダ「CX-60」ベースの前モデルをアップデートし、AI機能を大幅に拡充。車内外の状況を多角的に把握する「ひと理解ロジック技術」を搭載しています。
この技術のユニークな点は、ドライバーの感情をバイタルセンサーやカメラで推定することにあります。
例えば、運転手が狭い道や交通量の激しい交差点で不安を感じた際、AIがその反応を学習。次回以降、ドライバーがストレスを感じる「苦手なルート」を先回りして回避する提案を行います。
さらに、乗員が車窓から見えるお店や景色を指さすだけで詳細情報を教えてくれる機能や、走行ノイズで会話が遮られがちな車内において、AIが発話内容を要約して伝える「会話サポート」など、テクノロジーによるサポートで移動の質を高める仕組みが随所に盛り込まれています。
利用シーンに応じて必要なときにはディスプレイやエンターテインメントを装着し活用できる「Plug&Playシステム」も搭載。ライフスタイルや乗員ニーズの変化に対応します。
●日本古来の「青海波」柄が目を引くハイエースが登場!
また、見逃せないのがトヨタ「ハイエースワゴン」をベースとした「WELL Cabin GranLuxe(グランラグゼ)」です。
この車両もオートサロン2025で展示した車両のアップデート版として登場。観光送迎向けの車両としてラグジュアリーな空間体験を提供します。
外装は2025年に引き続き、イタリアの名門デザイン・エンジニアリング会社「イタルデザイン」とのコラボレーション。
今回は、旅の安全を祈願する日本古来の青海波(せいがいは)柄があしらわれています。内装には55インチの大型透明ディスプレイと3D音響システムを装備しました。
注目は対話型AI「WELL Attendant」です。目的地の歴史や文化を語り、最適なスポットを案内するこの機能は、単なる移動手段ではなく「旅の体験価値を最大化するエンターテインメント」としての価値も持ちます。
もう1つのコンセプトカー「WELL Cabin OFFMO」は、オフグリッドモビリティを目指し、移動が容易で、コンテンツの入れ替えが可能なマルチパーパスルームとして設計された車両です。
車内には、人も空気も美しくする、パナソニック独自の水から生まれた清潔イオン、ナノイー発生器を装備しています。
今回は、2台の車両を用意。「プライベートマッサージルーム」はプライベートな空間でリフレッシュしながら、パナソニックのマッサージチェア「リアルプロ」を使用できます。心地よい映像と音楽と共に、まるでファーストクラスのような上質な空間を体感できるとのこと。
「水素チャージルーム」は、水素カプセル・AirPodをキャンピングトレーラー・X-cabinに搭載。リクライニングシートでリラックスしながら、水素および酸素浴を気軽に楽しむことができます。
コンパクトな作業台も備えており、パソコン作業や読書をしながらの利用も可能です。
●なぜ「オートサロン」に出展するのか?
このように、個性豊かで興味深いコンセプトカーを展示するパナソニックオートモーティブシステムズですが、なぜそれらを披露する場として東京オートサロンを選んだのでしょうか。
伊藤氏はその理由を次のように述べました。
「私たちはカーメーカーだけではなくて、“モビリティサービス”と呼ばれているところ、例えばハイヤー会社や架装会社、旅行会社といったお客さんとつながりながら、次のビジネスを生み出すきっかけ探したいと思っています。
特に架装関連についてはオートサロンの方が親和性が高いため、今回こちらに出展することを決めました」
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パナソニックオートモーティブシステムズが目指す2040年のビジョンは「世界一の『移ごこちデザイン』カンパニー」です。
2027年には社名を「モビテラ」に変更することを先日発表し、新たなスタートに向け、変革を進めています。
東京オートサロン2026のブースでは、そんな同社の長年の知見と最新テクノロジーを駆使した、「移ごこち」の良い車内空間を体感できそうです。
Writer: くるまのニュース編集部
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