ベトナム人男性、反省せず逃走図る! 495台盗難“被害10億円超え”事件のリーダー、裁判中に暴れる事態に 懲役6年の判決に抵抗!? 刑期は延びるのか? 弁護士に聞いた
2025年12月17日、さいたま地裁にて行われた自動車窃盗の実行犯リーダーであるベトナム国籍の男の裁判。懲役6年の判決が言い渡された直後、被告は裁判所の窓を割って逃走をはかりました。すぐに刑務官に取り押さえられましたが、これによってどのような罪に問われるのでしょうか。弁護士に聞きました。
懲役6年判決言い渡し後の逃走未遂、どんな罪になる? 弁護士に聞いた
松本店長が話したように、気になるのは言い渡された判決6年に加えてルオン被告の罪がどうなるのか、刑期は延長されるのか、ということです。
この件に関して、アディーレ法律事務所の正木裕美弁護士に聞きました(事件のタイミング、実際にした言動や何を持っていたかなど詳細がわからないため、回答は「可能性」としてのコメントです)。
―― 裁判所のガラスを割って逃走を図り大暴れしたルオン被告はどんな罪に問われるのか。
裁判所の窓ガラスをたたき割った行為は『器物損壊罪』に当たります。
状況に応じて問われる可能性がありそうなものとしては、取り押さえた警察官ら公務員に対して暴行や脅迫をしていれば『公務執行妨害罪』、暴行により怪我をさせていれば『傷害罪』。
また、逃走目的で窓ガラスを割って逃げようとしたとすれば『逃走未遂罪』、拘束器具の損壊や暴行・脅迫があれば『加重逃走未遂罪』も考えられます。
―― 12月17日に判決を受けた懲役6年から延長されるのでしょうか。
事件詳細が不明な点もありますが、報道からわかる範囲では延長になる可能性があると思います。今回法廷で暴れた事件について、別途書類送検や逮捕・起訴される可能性があります。
懲役6年を言い渡された窃盗等に問われている裁判は確定していないので、今回の事件とは、法律上併合罪という関係にあります。
この併合罪の関係にある複数の犯罪に対する処罰は、有期刑の場合、原則として、最も重い罪の刑期をベースとして判決で言い渡される懲役の上限や刑の執行の上限が決まるのですが、ルオン被告の場合、少なくとも上限は懲役15年にはなると考えられます。
だとすると、今回の事件が起訴されて懲役6年の判決とは別に判決が出ると、その分刑期が長くなる可能性はあります。
今後控訴する可能性もあるので、最終的にどのような刑期になるかは今後の推移次第かと思います。

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昨今、不法滞在対策や外免切替試験の厳格化など外国人への規制が進んでいるものの、筆者がこれまで取材した自動車盗難事件を振り返ると外国人による自動車盗はよほどの大量窃盗でない限り、不起訴になることが多い印象です。
しかし、盗まれたクルマのオーナーにとって大量窃盗かどうかは関係なく、愛車は家族と同じ大切な存在。外国人でも日本人でも罪の深さを認めてしっかり裁かれる体制が必要です。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。



























