ホンダの最強「“スポーツ”軽トラ」がスゴすぎる! 「5速MT×ターボ」搭載で“農道のNSX”に!? ロールバー×「ド迫力フェンダー」も装備の“斬新”商用車「T880」コンセプトとは

「働くクルマはカッコいい」のテーマで生まれた、ユニークな軽スポーツモデル「T880」とは、一体どのようなクルマだったのでしょうか。

これぞまさに「最強のホンダスポーツ」だ!

 ホンダの純正アクセサリーなどを手がけるホンダアクセスの有志たちが製作したユニークな軽スポーツモデル「T880」とは、一体どのようなクルマだったのでしょうか。

外観から漂う「凄み」もハンパない!
外観から漂う「凄み」もハンパない!

 T880は、「東京オートサロン2017」で出展された軽トラックベースのスポーツモデルです。

 カッコよくパワフルに乗れるモデルとして、ホンダアクセスの有志たちによる「N Lab.(エヌラボ)」が「アクティトラック」をベースに製作しました。

 東京オートサロンは、1983年から続く世界最大級のカスタムカーショーで、アメリカの「SEMAショー」、ドイツの「エッセンモーターショー」と共に世界3大カスタムカーショーのひとつに数えられるほどのイベントです。

 毎年多くのカスタムショップが多くのクルマを出展し、中には自動車メーカーが本気でカスタムしたクルマも展示されています。

 T880も自動車メーカー直系の従業員たちが手掛けた本気のカスタムカーのひとつで、来場者の中で大きな話題を呼んでいました。

 開発にあたりテーマとしたのが、「働くクルマはカッコいい」。N Lab.が約1年の歳月をかけて製作したといいます。

 ベースとなったアクティは、軽トラックでは珍しいミッドシップレイアウトの後輪駆動車です。

 ただエクステリアはアクティそのままではなく、1960年代の名車「N360」を感じさせる丸目ヘッドライトと、大胆にチョップドルーフ化されたルーフによって、歴史とモダンさを融合させています。

 ボディはワンオフで、フロントウインドウの立て直しやドアパネルの延長によってキャビンを拡大。貼りだしたオーバーフェンダーに、8本スポークのホイールを組み合わせて、ロー&ワイドのボディに昭和レトロな風格を醸し出しています。

 荷台にはオートバイが固定できる凹みがあり、テールゲートは観音開きと下開きの二重構造という凝りよう。インテリアにはロールケージが張り巡らされ、5速MTのロングタイプシフトレバーが、レーシーなコクピットを演出しています。

 エンジンには軽バン「バモス」の660cc「E07Z型」ターボエンジンを搭載。軽オープンカー「ビート」のクロスレシオ5速MTを換装し、駆動方式は後輪駆動です。

 ミッドシップレイアウトなので、これぞまさに「農道のNSX」とも呼ぶにふさわしいモデルかもしれません。

 足回りは力強い走りに耐えられるよう、車高調整式サスペンションや4輪ディスクブレーキを装着。後輪のディスクブレーキは軽スポーツカー「S660」用ということで、ホンダの軽自動車それぞれに付いている良いパーツが選りすぐられて、T880に詰め込まれているのです。

 実走可能な状態とするなど、かなり本気で作られたT880でしたが、量産は叶いませんでした。

 その大きな要因は、2021年でアクティが生産を終了してしまったからでしょう。

 後継の軽トラックは開発されず、T880は幻のカスタムカーとなってしまったのです。

※ ※ ※

 T880が残したカスタムカーの情熱は、今も色あせることはありません。

 そしてもうすぐ「東京オートサロン2026」の季節がやってきます。今回のホンダやホンダアクセスは、果たしてどのようなクルマを展示してくるのでしょうか。

 T880の後継モデルとなり得る斬新な「軽スポーツカスタム」が今回も出てくることを期待して待ちましょう。

【画像】超カッコいい! これがホンダの最強「“スポーツ”軽トラ」です! 画像で見る(30枚以上)

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Writer: 赤羽馬

金融業・自動車ディーラー営業マンを経て、ライターとして独立。幼少期からの自動車カタログ収集癖あり。エンドユーザーに役立つ話や経済・金融とクルマに関する情報を発信中。

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