EV車の意外と知らない査定基準 中古車価格は「バッテリー劣化」が重要!?

中古車の価格を決める基準は、クルマの年式や走行距離を重点に査定しています。しかし、電気自動車では搭載されている「バッテリー」の劣化具合を重要視して価格が決められています。

日産リーフは電池の劣化がひとめでわかる

 中古車の数が多い、旧型リーフの中古車情報を見ていると、説明文に「12セグ」「10セグ」「2セグ欠」などの文字が並んでいることに気づきます。リーフの場合、電源を入れた後にバッテリー残量の右横に表示される目盛りの数を数えることで走行用バッテリーの劣化の進み方がわかります。

初代「リーフ」のメーターパネル。右の電池残量の横の目盛りを数えると劣化がわかる。写真は12セグ状態

 新品時は、赤が2個、白が10個の合計12個表示されていて、これが“12セグ”と呼ばれている状態です。使っているうちに減ってくると、例えば11個になれば“11セグ”や“1セグ欠”といわれます。

 リーフを扱う中古車販売店のスタッフは、「セグ欠のクルマは、後続距離が短い程度の説明しかできません。セグ欠けが起こるのは経年劣化として仕方がないのですが、早まったり遅くなったりする原因はメーカーでさえ明快な回答をしておらず、販売店レベルで詳しい話はわからないのが現状です」といいます。

 そのため、走行距離だけ見てお買い得と判断して購入すると痛い目に合う可能性があります。幸い、旧型リーフはメーター内にわかりやすく表示されるので判断がしやすいことが救いです。

 なお、日産によるバッテリーの保証は、旧型リーフの世代によって変わりますが、初期型など24kWhバッテリー搭載車が新車から5年または10万キロの早い方。30kWh搭載車は8年または16万キロの早い方となっています。

 しかし、保証は8セグまで落ちないと対象にならず、対処も「9セグメント以上へ復帰」としか規定されていません。不自由のない航続距離を保証しているのではなく、最低限の走行保証をしていると捉えるほうが良さそうです。

【了】

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