なぜ減らない?「あおり運転」取締り強化から半年、車間不保持は前年の1.5倍 繰り返される悲劇どう防ぐ
「車間不保持」取締り件数は前年の1.5倍
警察庁の通達前後から、各県警も「あおり運転」防止のキャンペーンなどを積極的に行っているほか、京都、静岡、群馬、福島、岐阜、愛知、佐賀などの各府県警ではヘリによる取締りも行われるようになりました。
「あおり運転」という罪状はありませんが、警察庁の通達では、前車に著しく接近する「車間距離保持義務違反」、後方から進行してくるクルマが急ブレーキや急ハンドルで避けなければならなくなるような進路変更を行う「進路変更禁止違反」、危険防止を理由としない不必要な「急ブレーキ禁止違反」などの道路交通法違反について、積極的な交通指導取り締まりを推進することとされています。
警察庁によるとこのうち、「車間距離保持義務違反」の取締り件数は、2018年1月から5月までの5月間で4238件。これは前年同期のおよそ1.5倍です。
また、自動車を運転することで著しく道路交通の危険を生じさせる恐れが認められる場合には、「危険性帯有者」として、違反点数によらず免許停止などの行政処分を執行できるという道路交通法の規定があります。これは従来、おもに薬物使用者などに適用されていましたが、警察庁は悪質・危険な運転者を早期に排除すべく、「あおり運転」に暴行や傷害、脅迫、器物損壊などがともなう場合に、同規定を積極的に適用することを指示しています。
「危険性帯有者」の行政処分件数は、警察庁によると2018年1月から6月末までのあいだで30件。こちらは、2017年中の処分が6件だったといいますので、大幅に増えていることがわかります。
警察庁はウェブサイトで、「車を運転する際は、周りの車の動きなどに注意し、相手の立場について思いやりの気持ちを持って、ゆずり合いの運転をすることが大切です」「前の車が急に止まっても、これに追突しないような安全な速度と車間距離をとることが必要です」としています。
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