新車1000万円級! VW新型「6/7人乗りミニバン」に問合せ“殺到”!? 「超レトロ顔」×280馬力超えのパワフル“静音ユニット”搭載! 名車復活な「IDバズ」が販売店でも注目に
フォルクスワーゲンの新型ミニバン「ID.Buzz」の最新の動向を聞いてみました。
VW「タイプ2」こと「ワーゲンバス」をルーツに持つ「ID.バズ」、気になるユーザーは多いが価格がネックに?
2025年6月20日、ついに日本市場においてフォルクスワーゲン(VW)の新型ミニバン「ID.Buzz(以下、ID.バズ)」がデビューしました。
現在の納期など、首都圏のVWディーラーに問い合わせてみました。

ID.バズのルーツといえば、1950年に量産が開始された「タイプ2」です。日本でも「ワーゲンバス」の愛称で親しまれ、デビューから70年以上が経過した現在でも、街中で見掛けることがあります。
そんなワーゲンバスことタイプ2は、キッチンカーなどにも改造され、イベント会場などでその愛らしい姿を見ることができます。
ワーゲンバスは、自由や独立心、そしてエモーショナルで親しみやすいといった、これまでのクルマにはなかった新しい文化や価値観を創造し、その後もモデルチェンジを繰り返しながら、現在は第7世代にあたる「T7 カリフォルニア」として販売されています。
そのワーゲンバスを、最新の電気自動車の技術を投入して現代に蘇らせたのがID.バズというわけです。
2017年にコンセプトカーがお披露目され、この年に開催された「東京モーターショー」会場にも展示されました。
その後、2022年3月に世界初公開され、それからおよそ2年後の2025年6月、ようやく日本市場でも販売が開始されたのです。
VWの「MEB(モジュラー エレクトリックドライブ マトリクス)」に基づいて設計されたID.バズは、ドイツ・ハノーバーにあるフォルクスワーゲン商用車部門の工場で生産されます。
ID.バズのデザインは、丸みを帯びたボディラインやフロント中央のエンブレムなど、タイプ2の要素を盛り込みつつ、全体的に近代的なスタイルへと進化。スタイリッシュだけど、どこかレトロという巧みなデザインに仕上がっています。
このようにID.バズのデザインが、ワーゲンバスのDNAを受け継いでいることは一目瞭然です。
グレード構成は、6人乗りの「プロ」と7人乗りの「プロ ロングホイールベース」の2種類が用意されます。
ボディサイズは、6人乗りのプロが全長4715mm×全幅1985mm×全高1925mm、7人乗りのプロ ロングホイールベースが全長4965mm×全幅1985mm×全高1925mmとなっています。
7人乗りのプロ ロングホイールベースは、グレード名にもあるとおり、ホイールベースが250mm延長されており、室内空間の広さがそのまま数値に反映されています。
パワートレインは、最高出力286馬力・最大トルク560Nmの電気モーターを搭載。
バッテリー容量はプロが84kWh、プロ ロングホイールベースが91kWhで、最大航続距離(WLTCモード)はプロが524km、プロ ロングホイールベースが554kmです。
車両本体価格は、6人乗りのプロが888万9000円、7人乗りのプロ ロングホイールベースが997万9000円です(いずれも消費税込み)。
日本市場でも販売が開始されてからそろそろ半年が経過するID.バズ、最新の納期やユーザーの反響など、11月下旬のある日、首都圏にあるVWディーラーに問い合わせてみました。
「展示車が用意されたタイミングで多くのお客様のご来場がありました。
VWオーナーの方はもちろん、BMWやアウディなどのドイツ車でご来店されるお客様や、日産『リーフ』などの電気自動車でお越しになる方もいらっしゃいました。
実車をご覧いただいたお客様の大半が笑顔になるんですね。
このリアクションが見られるのは、少なくともVW車ではニュービートル以来のことだと記憶しています。
ただ…価格を知ると躊躇される方がほとんどです。
なにしろ1000万円クラスのクルマですからポンと売れるわけではないのですが、『もう少し安かったら…』といったご意見を伺うことが何度かありましたね」
また、別のVWでも同様のコメントをいただきました。
「やはりネックになるのは価格ですね…。
そもそも、これまでVWディーラーで1000万円クラスのクルマを販売したことがほぼありませんから、既納客の方の多くは『なかなか手が出せない』と思われている方がいらっしゃいます。
それでも何台か受注はいただいております。
グレードやボディカラーにもよりますが、現在の納期は2026年1月〜2月頃を見込んでおります」
デザインは魅力的だけど、1000万円クラスという価格に二の足を踏むユーザーが多いようです。
子どもが産まれた記念にID.バズを購入して、家族の一員としてあちこちに出掛けていく…。
そんな使い方ができたら…といったことを考えてしまうほど魅力的なクルマであることは間違いありません。
2025年12月4日には、「今年のクルマ」を決める日本カー・オブ・ザ・イヤーにおいて、輸入車部門の「今年のクルマ」として選出。今後も注目の存在となるかもしれません。
Writer: 松村透
株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。














































































